〈BD〉スリークッションの「初球」の難しさ(動画)。2018全日本選手権より

 

新井達雄プロの5度目の優勝で幕を閉じた

5月の『全日本スリークッション選手権』

 

大会3日目(最終日)、

ベスト8の梅田竜二vs森雄介戦は、

今大会のベストバウトの一つでした。

 

40点ゲームを先に上がったのは梅田プロ。

直後に後攻の森プロが裏撞きで4点を当てて、

40-40のドロー(引き分け)に。

 

勝負の行方は、

サドンデス(penalty shoot out)へと

持ち込まれました。

 

一人ずつ「初球から何点当てられるか」を競う、

連続得点(ラン)の勝負となります。

 

サッカーのPK戦のようなものです。

 

その動画がこれ。↓

 

 

まず、梅田プロが先にプレー。

初球を当てましたが、2球目の箱球をミス。

「1点」で終わります。

 

この時、ギャラリーは、

梅田プロの初球の手球の動き方を見て

少しどよめいていました。

 

手球は赤から「押し抜いた」かのような

厚いラインを走っていたので、

 

長く外れる(この映像で言う黄色の

奥側に外れる)んじゃないかと

予想したギャラリーが多かったのですが、

 

手球は3クッション目で急激に詰まって、

黄色に当たったからです。

 

梅田プロ本人も撞いた直後は

外れたと思ったのでしょう。

当たった時に軽く頭を下げています。

 

…………

 

後攻の森プロは「2点」取れば勝ち。

 

これはトッププロ同士のサドンデスだと

有利な展開です。

 

ですが、森プロは初球を外してしまい、

「0点」で終了。

梅田プロの勝利が決まりました。

 

この森プロの初球の時も、

ギャラリーは手球のラインを見て驚いています。

 

3クッション目からの手球のラインが、

梅田プロの時と同じく

かなり詰まっているからです

(映像では黄色の手前側を通り過ぎてます)。

 

森プロ曰く、

 

「あの時も、映像を見ても、

ほぼ思った通りに撞けています。

でも、短く外れてしまいました」

 

とのこと。

 

となると、

原因はコンディションに求めるべきでしょうか

(ボール・ラシャ・クッション)。

 

この1号テーブルは大会初日から、

「かなり短く出る」と、

プレイヤー・スタッフ間で囁かれていました。

 

そして「試合中にどんどん変化する」とも。

 

恐らく、この梅田vs森戦の時は、

 

湿度の上昇と汚れによって、

ボールはスロウまたはスキッドが起きやすい

(=手球のラインが、やや~かなり厚く

持って行かれやすい)状況になっており、

 

クッションは詰まって(短く)

出やすい状況になっていたのでしょう。

 

森プロ談:

 

「2人の初球、両方とも軽く

スキッドしていたんじゃないでしょうか。

 

右ヒネリで赤の左側に当てていますが、

なんらかの原因でスキッドっぽくなり、

撞き手から見て手球は右側に持って行かれ、

赤は左側に持って行かれた。

 

それで厚く、押し抜いたように

見えるのかもしれません」

 

森プロはこの動画を、

かつての師匠であり、世界チャンピオンの

D・サンチェス(スペイン)に見せたそうです。

 

返ってきた感想は、

 

「このテーブルコンディションはすごいね。

とても短く(詰まって)出ている。

 

こういうテーブルでは

もっと速いキュースピードで撞くか、

長めに撞くべきだと思う」

 

だったとのこと。

 

森プロ談:

 

「速いキュースピードであれば、

スキッド発生のリスクが低下しますし、

手球にはヒネリが残りやすいので、

最後のクッションで短くなりにくいと思う。

 

サンチェスは

そう言ってくれてるんだと思います。

 

これも経験ですね。

 

試合ではこういうコンディションになり、

こういう現象が起こる可能性があるということを

知ることが出来て勉強になりました」

 

…………

 

ちなみに、森プロにこれまでの

「初球の成功率」(練習も試合も含めて)を

聞いたところ、

 

「約85%」とのことでした。

 

だいたい当たるなという感覚だろうと思います。

 

しかし、本人はちゃんと撞けたと思っても、

こんな風に外れることもある。

 

しかも、それが『全日本選手権』という

国内最高ステータスの試合だった。

 

この映像の例は

だいぶ極端な部類に入るとは思いますが、

 

「刻一刻と変化するコンディションに

対応し続けなければ勝てない」

という、スリークッションの奥深さ・繊細さが

感じ取れる一幕だったと思います。

 

…………

 

その森雄介プロは現在、

ベルギーで開催中の

スリークッションのワールドツアー、

 

『ワールドカップ・ブランケンベルヘ戦』

出ていますが、

予選ラウンドで負けてしまった模様です。

 

…………
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