先週末、東京で行われた
4連覇で17度目の優勝を飾った
肥田緒里恵プロ(JPBF)の談話をお届けします。
…………
優勝を決めたその日の晩、肥田プロは、
西本優子プロ、林奈美子プロ、小林諒子アマ
とともに韓国へ飛び立ちました。
7月末から始まる、
世界初となる女子スリークッションリーグ戦、
『2018アルバモン女子3Cリーグ』の
メンバー選抜戦に参加するためです。
7/9、7/10の2日間に渡り、
現地韓国の44選手とともに選抜戦を戦い、
肥田プロ、林プロ、小林アマの3名が
本戦メンバーに選ばれたとのこと。
アルバモン女子3Cリーグの本戦は、
1チーム3名×4チームで行われます。
7月末から10月に渡って複数回
マッチデーが設けられ、
現地の24時間放送ビリヤード専門チャンネル、
『Billiards TV』で全試合生中継。
主催は韓国ビリヤード連盟です
(アルバモンはメインスポンサー)。
つまり、日本の3名はこの先数ヶ月、
試合のたびに韓国に遠征することに。
「2週間に1回ぐらい韓国に行き、
3ゲーム撞いて帰って来る。
それを5、6往復するという形でしょうか」
(肥田プロ)とのことで、
なかなか忙しくなりますが、
毎回特設会場でプレーすることが出来、
賞金も(たとえ最下位であっても)
かなり良いとのことですので、
日本の3名がチームの勝利に
貢献できるよう期待しています。
……ということで、
肥田プロが韓国から帰って来たその日に
本稿の取材を行いました。
…………
――全日本選手権と韓国遠征、お疲れ様でした。
「怒涛の数日間だったので、
まだ頭がぼーっとしています(笑)」
――全日本選手権、17度目の優勝。
まずは大会の感想を。
「2日間を通して良い集中が持続出来ていたので、
プレー内容の良い悪いはありましたが、
自分の力はだいたい発揮出来たかなと思います。
ここ何年もこの全日本女子3C選手権が、
『世界女子3C選手権』の日本代表選考会を
兼ねるようになっていますが、
私は今回初めてその選考レースからは
抜けた状態でした。
(※現世界チャンピオンであるため、
9月の世界女子3C選手権inトルコには
あらかじめシードされている)
今までなら代表選考もかかっていて
もっと重たい気持ちになる試合ですが、
今回はそういうことはなく。
純粋に自分のプレーだけに
集中していこうという気持ちでした。
変なゲームをすることだけは避けたいなと。
それについては比較的よく出来たと思います」
――今年も全勝優勝でした。
大会2日目の林奈美子プロ戦は、
互いに優勝のかかった山場だったかと思います。
展開的にも競りました(25-22・28 innで
肥田プロが勝利)。
「今ちょうど、
あの試合の動画を見ていました(笑)。
前半は私がミスをしていて、
林プロは7点ランも出るなどよく当てていた。
あの時の林プロのプレーは素晴らしくって、
『このまま行かれたらまずいな』という
気持ちはありました。
中盤から終盤にかけては、
互いにあまり当たらない状態が続き、
最後は私が上がりますが、
そこまで良いプレーでもなかったですね。
でも、難しい球が続いていた中で、
集中は切らさないで
我慢して撞けていたのかなと思います。
その辺りの精神的なコントロールは、
この試合に限らず、自分では上手く
出来るようになってきたと思っています」
――会場で見ていた限り、
試合中も待ち時間も良い集中を維持しながら、
自然体だったように映りました。
「そうだったかもしれないですね。
意識していた訳じゃないですけど、
自然とそういうふうになれていたと思います。
試合への入り方や球に向かう姿勢も、
変に力んでガチガチになることはなかった。
初日は特にそういう状態でした。
2日目はちょっと疲れもあったので、
バーッと当て続けるという時間帯は
あまりなかったんですけど、
最後の方(8試合目。vs 東内那津未戦)は
また良いプレーが出来ていたんじゃないかなと
思います。
そういう精神状態になれたというのは、
やっぱり日本代表選考からは
抜けていたからということもあるでしょうし、
『全日本選手権』(5月・成増)の
関東代表予選ですごくよく撞けていたので、
『あの精神状態でプレー出来れば……』と
思いながらやってきたことが
上手く出せたのかもしれないです」
――9月の世界選手権(トルコ開催)まで
あと2ヶ月。どう準備して行きますか?
「この2ヶ月で韓国の女子3Cリーグで
何回も韓国に行くことになるので、
特設会場の速いテーブルコンディションで
撞く機会が増えるのはありがたいです。
本番のトルコもそういうコンディションだと
思うので、それに合わせた撞き方が
出来るようになっておきたいです。
精神的な面では、年齢的なこともあると
思いますけど、最近は上下の波が
小さくなってきたと自分でも思うので、
このままの状態を持続して本番に臨みたいです」
――世界の舞台の上の方で、
T・クロンペンハウアーとの直接対決を
期待しているファンも多いと思います。
「そこまでまめにクロンペンハウアーの
動向をチェックしている訳ではないので、
今どういう状態かはわかりませんが、
彼女のことなんで、ちゃんと準備して
本番に出て来るだろうなと思っています。
むしろ今までと変わらず、
強い彼女でいてほしいなと思います。
それと、今回韓国に行って思いましたが、
韓国の10代~20代の若い子たちも
どんどん上手くなっています。
前回大会にも南米の良いプレイヤーがいましたし、
世界から撞ける人達が集まって来るので、
毎回とても新鮮で刺激もあります。
今回、日本からは
界(文子)プロが久しぶりに出ます。
彼女と世界選手権に行くのは10年ぶりかな。
日本の枠ももう少し増えるのでは
ないかと期待しています。
トルコで一緒にプレー出来る日本選手が、
一人でも多くなるように願っています」
(了)
Orie Hida
東京都出身・在住
1995年プロ入り(JPBF)
※両親(肥田明と肥田一美)も共にプロ
2004年、2006年、2008年、2017年
『第1回、第2回、第3回、第7回世界女子スリークッション選手権』優勝
『全日本選手権』17勝
他、国内外で優勝・上位入賞多数
東京『ビリヤード キャノン』所属
使用キューはADAM JAPAN
Just Do It契約プロ