たびたび紹介させてもらっている
「fergyspoolshots」氏の動画チャンネルより。
タイトルに「Cut」(カット。
薄い球を入れること。またはその配置)
という単語があるので、
限りなく90度に近い、
激薄の球をカットで入れる動画かな
……と思いきや、
え、そっちのポケット!?
90度、越えてるし! というもの。
動画タイトルを意訳すると、
「これより薄いカットはない」。
これはCGでもマジックでもなくて、
リアルに入れてます。
タネも仕掛けもあります。
中~上級者であれば、
「ヒッカケ」(引っ掛け)
「rail first」(レールファースト)という
技術を使ったショットだと
すぐにわかるでしょう。
撞点は右マックス。
手球を直接的球に当てるのではなく、
すぐ横のクッションに
先に手球を入れています。
的球はクッションタッチまたは
限りなくそれに近い状態が理想。
クッションに入った直後、
手球は右スピンの効果で、
撞き手から見て右方向に
(動画で言う左方向に)
出て行こうとして、
そこですぐ的球に当たります。
これが「ヒッカケ」と言うテクニック。
横から引っ掛けるような
動きだからでしょうか。
英語では単純にrail first。
自分のキュー(シャフト)の
トビとカーブの出具合を
把握していないと……いや、
把握していても難しく(※)、
だからこそ、ドンピシャで
ヒッカケられると気持ち良かったりします。
(※トビが出すぎて的球に当たらないとか、
先に的球に当たるという失敗が定番)
また、的球の位置が
ポケットに近ければ成功させやすいですが、
この映像のように短クッションの
ド真ん中にあるとだいぶ確率が下ります。
ヒッカケはプロの公式戦でも
たま~に見ることがありますが、
もちろんここまでエグい角度ではなく、
80~90度ぐらいまででしょう。
この動画は……100度ぐらいでしょうか。
こうなると奇跡的なレベルで
上手くヒッカケられないと成功しないので、
試合で使うようなものではありません。
というより、
『これ、知ってる?』『出来る?』と
ビリヤード場で仲間内でビールを
賭けるのに使うようなネタショット、
チャレンジショットの範疇です。
それにしても、ここまで見事な
逆コーナーヒッカケを見たのはBDも初めて。
fergyspoolshots氏が、
何テイク目で成功したのかが気になります。