大阪の『アニゴンズ』が、
日本勢(JPA)のチームとして
初めての優勝を飾るという
特大ニュースもあった、今年の
『2018 APA World Pool Championships』。
その模様を、JPA撮影の写真をお借りして、
プレイヤーやJPAスタッフのコメントも交えつつ
お届けしていきます。
(※JPAのFBページでより多くの写真が
公開されていますのでそちらもどうぞ)
…………
会場は『ウエストゲート カジノ&ホテル』。
看板があまりにデカくて近くからは撮れず、
モノレールから撮影。
今年もここで8/9から10日間、世界最大の
アマチュアビリヤードトーナメントが開催。
総出場者数は13,643人。
チーム数は2,361。
そのうちの5チームが日本代表(JPA)です。
…………
ラスベガスらしい画を……ということで、
世界最大の観覧車『ハイローラー』を。
料金は結構お高いです。
…………
日本から9ボール部門に挑戦する
アニゴンズ、KingMid、カキンジャーZの
3チームが到着。
カキンジャーZは初のラスベガスです。
…………
テーブルは324台! ということで
とても1枚の写真で収めきれませんが、
ここがメインアリーナ。
3枚目は、夜更けの人が少ない時に撮りました。
…………
9ボールのトロフィー群。
今年からデザインが刷新されました。
まさか、この一番大きなトロフィーと
賞金パネルをアニゴンズが
獲得することになろうとは……!!
…………
こちらはマスターズ部門が行われたエリア。
ここに写っているテーブルもほんの一部です。
…………
そしてこちらは「ミニマニア」という、
APA(JPA、CPA)メンバーなら誰でも
個人で参加出来るミニトーナメントが
行われているエリア。
会期中、約1,000のミニトーナメントが
開催されていました。
…………
日本でもおなじみ、トリックショットの
スタープレイヤー、F・コーラー。
APA契約プレイヤーでもある彼は、
日夜トリックショットを披露。
ここはアリーナ同士を結ぶロビーみたいな
場所ですが、十分に広いです。
…………
ここからは日本勢の戦績をまとめます。
まずは、9ボールのカキンジャーZから。
カキンジャーZ(自遊空間BIGBOX高田馬場/東京)
○1回戦 vs Hazzah
●2回戦 vs Grandma Sue & Her Crew(※画像)
●敗者2回戦 vs Code Blue
初参戦のカキンジャーZは、
勝ち→負け→負けの
257位タイで終了しました(賞金350ドル)。
…………
カキンジャーZの山田はる香さん:
「規模が日本の試合とは段違いで圧倒されました!
そして、APA主催でプールサイドパーティー
(※会期中2度開催)があるあたりが
アメリカらしいなぁと思いました」
…………
次に、2015年のベスト8チームである
KingMidです。
KingMid(ミッドナイト本厚木/神奈川)
○1回戦 vs Hot Pockets
○2回戦 vs Monster Squad 9
○3回戦 vs No Ma'am
○4回戦 vs Thunder & Lightning
●5回戦 vs The Magnificent Eight(※画像)
今年も健闘を見せましたが、33位タイで終了。
賞金750ドルを獲得しました。
…………
KingMidのキャプテン山崎正隆さん:
「元々しっかりまとまってる
チームメイトに恵まれましたが、
この旅で更に団結することができました。
お互い足りない部分を補いあった結果、
優勝には届きませんでしたが、
かけがえのない思い出を得ることができました」
…………
そして、9ボールのチャンピオンチームであり、
「スポーツマンシップ賞」も受賞した
アニゴンズです。
アニゴンズ(ツェット九条/大阪)
○1回戦 vs Strai8 Outta Arkcanzaw
○2回戦 vs Nerve Racking
○3回戦 vs The Color of Money
○4回戦 vs The Moose
○5回戦 vs Purple Rain
○6回戦 vs United Nations Players 0580
○7回戦 vs Van Ness Ohana
○準々決勝 vs The Magnificent Eight
○準決勝 vs Play With Caution
○決勝 vs Racks on the Rocks
日本勢として初の快挙。
500チームの頂点に立った
アニゴンズは優勝賞金15,000ドルを獲得しました。
アニゴンズの戦いを少し振り返ると……
…………
昨年もラスベガスに来たけれど、
1試合もプレーしなかった松田さん。
今年はたくさんプレーし、
チームの勝利に貢献。
…………
準決勝と決勝は、観客席付きの特設エリア、
「チャンピオンシップアリーナ」でプレー。
…………
特別な舞台でもチームのムードは明るく良好。
…………
準決勝ではゲームボールを決め、
決勝戦では優勝を大きく引き寄せる
4番手の戦いで勝利した宮下さん。
…………
決勝戦は多くの人々が生で、あるいは
ネットライブで見ていました。
…………
5番手の松田さんが
ゲームボールを入れた直後の一枚。
アニゴンズ、500チームの頂点に!
…………
アニゴンズを率いたキャプテンの
瀬戸山巌さんのコメントです
アニゴンズ瀬戸山巌さん:
「チャンピオンシップアリーナ(準決勝~)で撞くことを目標にしていましたが、優勝することが出来て本当に嬉しいです。出発時に台風が来ていたり、他にも様々なことがあり、ラスベガスで撞けるかどうかというところからのスタートだったので、優勝まで行くとは思ってなかったです。すごく運勢も良かったと思います。
去年初めてラスベガス大会に出て、全く何もわからないままあっという間に終わってしまい、悔しさと物足りなさしか残りませんでした。ただテーブルサイズの違いはとても大きいと感じたので、自分のお店(『ツェット九条』)に7フィート台を2台入れました。そこでたくさん練習した甲斐があったと思います。
6月17日にラスベガス行きが決まってから(『西日本エリアチャンピオンシップ』優勝)、8月7日までの間の51日間でチーム内での対戦は532試合を数えました。メンバーの打ち込み方は僕の予想を超えていました。今回9ボールに出ていた500チームの中でうちが一番練習をしていた自信があります。
あとはチームの約束事として、どんな時も一生懸命狙うこと、撞いた直後は必ず身体を残すこと、そして、失敗しても態度に出さないことを心掛けていました。どんな相手にも雰囲気だけは負けないようにと(笑)。そういった精神面と練習量が結果に繋がったのかなと思います。
初めてのチャンピオンシップアリーナの雰囲気はかなり良かったです。選手が集中出来て良いプレーが出せるような環境で、やっぱり歴史ある大会だなと。ただ、それまでプレーしていたメインアリーナはかなり寒かったんですが、チャンピオンシップアリーナは真反対で、僕の感覚ではサウナかと(笑)。あの温度差は結構キツかったです。
チームは一体感があり最後までとても雰囲気が良かったです。決勝戦の終盤、優勝が見えてきた4番手、5番手の試合の時はこみあげてくるものがありました。たぶん全員がうるっときてたと思います。最後の方はみんなすごく疲れていて、勝てば勝つほどフラフラになってましたけど、本当にこのメンバーで優勝出来て良かったです。皆には『本当によく練習したね』と言いたいです。
優勝した翌日がすぐ帰国だったので、欲を言えばあと一日欲しかったです。もし来年も行けることになったら、もうちょっとラスベガスを楽しみたいですね(笑)」
…………
9ボールが終わっても
大会は終わりではありません。
8ボールとマスターズがスタート。
写真はマスターズに参戦したOopp!の嘉陽さん。
こういう構図は数百台のテーブルが並ぶ
ラスベガス大会ならではのもの。
…………
8ボールのmarimoの戦績です。
marimo(Oops!/東京)
○1回戦 BYE
○2回戦 vs Dan Rosato @ Bradfords ※画像
○3回戦 vs Rob Little
●4回戦 vs Untouchaballs
メンバーにはラスベガス経験者が
複数名いますが、
チームとしては初挑戦だったmarimo。
129位タイで大会を終えました
(賞金1,000ドル)。
…………
marimoの林田裕介さん:
「ラスベガスという土地で海外の方と
球を撞くことができ、とても楽しく
刺激的な1週間でした!」
…………
最後に、マスターズのOopp!です。
Oopp!(Oops!/東京)
○1回戦 vs Kazoo's finest?
○2回戦 vs Randy Savage
○3回戦 vs High Anxietry
○4回戦 vs Cue-man ※画像
●5回戦 vs Horseshoes+Handgren
初参戦のOopp!は17位タイで終了しました
(賞金275ドル)。
…………
Oopp!の小田切俊樹さん:
「慣れない環境と雰囲気の中で
プレー出来たことは貴重な経験になりました。
外国の方は気さくな方も多く、
たくさん話しかけてくれましたが、
なかなかコミュニケーションが取れなかったのが
唯一残念でした。次の機会があれば
英語も上手になっておきたいです!」
…………
marimoとOops!がそれぞれ帰国し、
今年の日本勢の挑戦が終了しました。
…………
終わりに、JPAスタッフYさんより、
2018年ラスベガス大会のまとめの
言葉をいただきました。
JPAスタッフYさん:
「JPAリーグの発足から約1年間の予選リーグを経て、ラスベガス大会へ初の日本代表チームを派遣した2008年から数えると、11回目の参戦となる今夏のラスベガス大会。私にとっても一生忘れられないものとなりました。
最初の2年間はいわゆる“負け-負け”。初勝利を挙げた2010年も1勝2敗で、やはり世界最大のプールトーナメント、アメリカンプールの壁は厚いなと思ったものです。2011年に東大撞友会チームがBEST32まで進出して以降、日本勢の勝率も上がりはじめ、いつかは最終日、決勝戦の舞台へと、夢見ることができるようになってきました。
そして今年、500チームが参戦する9ボールディビジョンで、アニゴンズがなんと優勝。6月の『西日本エリアチャンピオンシップ』において、ダントツの強さで2年連続代表となったことも大変な驚きでしたが、ラスベガス大会でも負けなしの10連勝。アメリカ、カナダ、日本の数百の地域から勝ち抜いてきた各エリア代表たちの頂点に立ったことは、まさに驚くべき快挙です。
一方で優勝したメンバーたちのこれまでの努力を知る者としては、勝つべくして勝ったとも言えます。キャプテン以外の7名はビリヤードとは関わりのない職業の方々ですが、6月に代表に決まってからの2ヶ月間、できるだけ球を撞く時間を作り、凄まじい数の実戦練習を集中的にこなしたそうです。2017年のラスベガス大会で敗れてから、『次は優勝』という目標にチーム一丸となって取り組み、そうして掴んだ栄冠は、努力の結晶以外の何物でもないことがわかります。
決勝戦の模様はライブ配信されており、日本では朝7時という時間帯にも関わらず多くの方に観戦、応援していただいていたようです。終了直後、私どもの元にもたくさんの祝福メッセージを頂戴しました。この場をお借りして改めて厚く御礼申し上げます。
今年の他の代表4チームにも『またラスベガスに来たい』『楽しかった』と言っていただけています。多くのプレイヤーの夢や目標であるラスベガス大会は、まさに“大人の甲子園”であることを再認識しました。来年は果たしてどんなドラマが待ち受けているのか、今から楽しみでなりません」
(了)
…………
■JPA公式ブログ
■JPA公式FBページ
■JPA公式Twitter