〈BD〉「初制覇の時より冷静でした」――マスターズ優勝・喜島安広の談話

Yasuhiro Kijima Photo Courtesy of On the hill ! / JAPA
Yasuhiro Kijima Photo Courtesy of On the hill ! / JAPA

 

2週間前に大阪で行われた

アマ10ボール全国タイトル戦

19th MASTERS』(第19回マスターズ)。

 

BD側の都合で

取材自体が遅くなりましたが、

2度目の優勝を飾った

喜島安広選手(埼玉。SPA)の

談話をお届けします。

 

…………

 

――率直な優勝の感想を。

 

「全国タイトルですので、もちろん嬉しいです」

 

――2回目のマスターズ優勝。初制覇の時(2015年)とは大会にかける思いは違っていましたか?

 

「初制覇の時は『アマ全国個人タイトル6冠コンプリート』がかかっていたので、『なにがなんでも勝ちたい』という気持ちが強かったのですが、今回はあの時より冷静で、『今日出来るベスト』を尽くすことを心掛けていました」

 

――2日間を通して自分のビリヤードは出来ましたか? 満足度で言うと何%ぐらいですか?

 

「70%くらいです。優勝という結果だけで言えば100%ですけど、テーブルコンディション適応能力はまだまだだなと感じた部分があるので、70%です」

 

――勝因とは? そして本大会で心掛けていたこととは?

 

「勝因は僕のミスの後の残りが渋かったことですかね……(苦笑)。相手がすんなり取っていけない展開になることが多かったのはラッキーだったと思います。心掛けていたことというか、今回はブレイクを気にしてたんですけど、自分のブレイクは思うように入らないし、周りの選手も苦しんでいる様子だったので、途中から気にしないようにしました(笑)」

 

――準決勝では、球聖戦で名勝負を演じてきた大坪和史選手(広島)と対戦しました。やはり他の試合とは異なる心理状態になるのでしょうか?

 

「尊敬する方なので特別ですね。プレッシャーもすごくて、最終ラック(6-5で迎えた第12ラック)で僕が6番の縦バンクを決めた後、何でもない配置を取り切れないところとか、まだまだレベルが足りないなと思いました。あと、僕はどうしても大坪さんと試合がしたかったので、ベスト8の大坪さんと中野(雅之)選手の試合は、心の中では大坪さんを応援してました。『中野っち、ゴメン』です(笑)」

 

――決勝戦は建川雄司選手とのSPA(埼玉)対決となりました。どんなお気持ちでしたか?

 

「僕はいつも建川選手のことを『建さん』と呼んで仲良くさせてもらっています。建さんはビリヤードにアツくて研究熱心で、僕にとっては尊敬する兄貴分です。そんな建さんと全国タイトルの決勝戦で戦えたことを誇りに思います。埼玉の試合で当たると勝ったり負けたりという感じなのですが、今回は全国タイトル戦での経験の差が僕に有利に働いたかなと思います」

 

――マスターズという大会は喜島選手にとってどんなものですか? そして10ボールは好きですか?

 

「マスターズは大阪開催で、僕のビリヤードの師匠の棚原さん(棚原正己選手)は大阪在住なので、棚原さんに会うことが参戦動機の一つになっています。そして、アマチュア唯一の10ボール全国タイトルなので、それを2度獲れたことは嬉しいですし、10ボールという種目も好きです」

 

――マスターズはビリヤード場(大阪『玉出ビリヤードACE』)が会場です。複数のテーブルを撞くことになるので、コンディションへの対応も大事な要素ではないかと思います。

 

「今回僕が撞いたのは、ベスト16で使用したテーブルだけクッションが速いテーブルで、他は全体的に重たいテーブルでした。相手の方も対応に苦しんでいたようにも見えましたので、その点もツキがあったと思います」

 

――今年「球聖」「名人」「マスターズ」というビッグタイトルを3つ獲得しました。これは狙っていた事ですか? また実際に3つ獲得した今のお気持ちは?

 

「出るからには勝ちたいと思っていますけど、この結果は出来過ぎです。獲ったことはもちろん嬉しいです」

 

――今後の目標とは?

 

「純粋にもっと上手く、強くなりたいです。ビリヤードは確率のスポーツだと思うので、どのショットも100%に近付けたいです。特に攻撃面で」

 

――最後に、応援してくれた方々に一言。

 

「僕の戦績をいつも気にかけてくださってる方もいて、本当にありがたく思ってます。今年、全国タイトル戦に出るのはこのマスターズが最後。あとは『東日本』冠の試合になると思いますが、どの試合でも自分の納得いくプレーが出来るように頑張ります。今回も応援いただき、ありがとうございました」

 

(了)

 

※球聖戦後のインタビューはこちら

※名人戦後のインタビューはこちら

 

 

 

Yasuhiro Kijima

1983年1月7日生 埼玉県出身・在住

所属:『セスパ東大宮店』、『5&9』(ともに埼玉)、SPA

プレーキュー:オリビエ

ビリヤード歴:約20年

主なタイトル:

『第55期、第58期名人位』

『第19期~第22期、第26期、第27期球聖位』

他、現存する「アマ個人全国タイトル」全て↓

『プレ国体』(全国アマチュアビリヤード都道府県選手権大会)

『アマローテ』(全日本アマチュアポケットビリヤード選手権大会)

『アマナイン』(全日本アマチュアナインボール選手権大会)

『マスターズ』(2勝)

また、2016年&2017年『都道府県対抗』の連覇メンバー(埼玉県。SPA)

 

 

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