先週末の『北陸オープン』
(女子・9ボール)で、
2度目の優勝を飾った
河原千尋プロの談話をお届けします。
取材は大会3日後に行いました。
※男子の部優勝の栗林達の談話はこちら
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Chihiro Kawahara
1985年1月5日生
JPBA39期生
JPBA女子年間ランキング1位・7回
(2010年、2011年、2013年、2014年、2015年、2016年、2017年)
『ジャパンオープン』優勝2回(2013年、2015年)
『全日本女子プロツアー』優勝10回
『関西オープン』優勝5回
『東海グランプリ』優勝3回
『全日本女子ナインボールオープン』優勝3回(3連覇)
『セントラルレディースオープン』優勝2回
『北陸オープン』優勝2回
『関東レディースオープン』優勝2回
『大阪クイーンズオープン』優勝2回
『全日本選手権』準優勝3回
アジアンインドアゲームズ銀メダル2回、銅メダル1回
2015年『女子9ボール世界選手権』4位
2016年『アムウェイカップ』3位
2016年『女子9ボール世界選手権』準優勝
その他、優勝・入賞多数
『アンセーズ』(大阪)所属
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――まず、今大会の感想を。
「決勝日の3試合、いずれも
『負けられないな』という気持ちがあり、
かといって緊張することなく撞けました」
――『負けられないな』というのは、
対戦相手に対する意識があった、と。
「そうですね。
ベスト8の相手の元廣麗子プロは、
北陸オープンの特設会場で撞くのは
初めてだったと思いますけど、
それはそれでこちらとしては
『負けられない』という思いでした。
そして、準決勝の平口結貴プロには
『東海グランプリ』(9月)の
決勝戦で負けていますし、
決勝戦の栗林美幸プロには、
(8月)の決勝戦で負けているので、
やっぱり意識はありました。
同じ相手に連敗すると、
どうしても自分の中には
嫌なイメージが残っちゃいますし、
恐らく相手には良いイメージが
出来てくるだろうなと思います。
だから、『連敗は避けたい』と
いつも思っていて、今回はそういう
戦いを制して優勝することが出来たので
良かったと思っています」
――決勝日(10/7)は
体調が優れなかったと耳にしました。
「前夜、ちゃんと睡眠も取ってはいましたが、
朝起きて会場に向かう途中で
『あれっ』と異変を感じ、
会場に着いたら頭がボーッとしていて。
ごくたまにあるんです。
今までに海外で一度、
予選日で一度経験がありますが、
決勝日では初めてでした。
とりあえず試合の合間も試合中も、
水分と食べ物をちゃんと摂りながら
大人しくしていました」
――集中力は保てましたか?
「普段は相手が撞いている時に配置を
見ながら自分なりに考えているんですけど、
今回はぐ~っと入り込むことは出来ず、
なんとなく配置を眺めているような感じでした。
自分が撞いている時も、
『ここだけは』という所では
集中して考えたりしていましたが、
それ以外は『普段通りにやろう』ぐらいしか
頭になかったです。
精神的には逆に落ち着いていたかもしれません。
緊張しようにも緊張も出来ない状態だったので。
もしかしたら今回は
それが良かったのかもしれないです」
――日頃の練習や取り組みが、
自然に現れたということかもしれないですね。
「それはあるかもしれません。
そして、最近は本当に徐々にですが、
反省点が絞られてきていると感じています。
負けた試合から持ち帰る反省材料が
たくさんあると覚えきれないんですけど、
練習を繰り返しているうちに
だいぶ反省点も絞られてきましたし、
ちゃんと復習が出来ていると思います」
――今回の優勝は6月の『全日本女子
プロツアー第3戦』以来、約4ヶ月ぶり。
その間、3位が1回と準優勝が2回ありますが、
ご自身としてはやるべきことをやった上での
敗戦だったと捉えているのでしょうか?
「『ジャパンオープン』(7月)の3位は
完全に実力不足と言いますか、
ちゃんと自分が撞けてなかったなと
感じた試合でしたね。
8月の『女子ツアー第4戦 in 札幌』と
9月の『東海グランプリ』の準優勝は、
私自身は精一杯プレー出来たとは思いますが、
決勝戦の相手がナイスでした」
――現在JPBA女子ランキングは1位で、
今回の優勝で更にポイントを積み上げることに
なります。ランキングに対する意識は?
「もちろん意識はしています。
確かに今は私が有利な状況だと思いますが、
上位の皆さんもポイントは獲得しているので、
やっぱり最終的には
『全日本選手権』(11月)と
『世界選手権』(12月。河原千尋、栗林美幸、
平口結貴というトップ勢がステージ2シード)の
結果で決まるのだろうと思います」
――シーズン終了まで残すところ
あと国内2試合と海外1試合。
どんなことを心掛けて
試合に臨みたいと思っていますか?
「9月の『東海グランプリ』以前は、
ブレイクショットに結構ばらつきが
あるなと感じていて、
この北陸オープンまで、
『ブレイクの強化』をテーマに
練習してきました。
ブレイクの出来は勝敗を
大きく左右するものですよね。
なので、そこは意識的に見直してきて、
だいぶ良くなったという手応えがあります。
今回の北陸も、ブレイクが向上したことが
勝因の一つだったと思います。
でも、まだまだ追求出来ると思うので、
ブレイクの精度をさらに高めていくことが
これからのテーマの一つです。
この先、プレーの方を大きくガラッと
変えるということはないと思います」
――最後にファンへ一言。
「国内の大会は残すところあと2つ。
ランキング争いも最後まで続きますし、
順位もまだまだ変動の可能性がありますので、
そういうところも見ていただきながら、
皆さんが応援しているプロの試合を
観戦していただけたら、
女子プロの戦いをより一層楽しんで
いただけるのではないかと思います。
応援、よろしくお願いします」
(了)