滋賀県にある国産カスタムキューメーカー
『早川工房』。
銘木固有の色味と木目がよく出た
材料をふんだんに用い、
リング、ジョイントカラー、先角などは
他メーカーとは一線を画する
オリジナリティ溢れる仕様・意匠で、
「早川スタイル」と呼べる
デザインを確立している同工房。
プレイアビリティにも秀でており、
上級者・プロからも支持を得ています。
その早川工房が自信を持って
送り出しているのが、今回ご紹介する
『大和魂 屋久杉シリーズ』。
今回BDは、キューショップジャパンに
入荷した10モデルを見ることが出来ました。
…………
バットのベース材はもちろん「屋久杉」。
屋久島の標高500mを超える山地に
自生しているスギを「屋久杉」と言います。
新たに伐採することは禁止されていますが、
倒木や昔の切り株などの土に埋もれた材料、
すなわち「土埋木」は、
林野庁の監督の元、商取引が行われています。
『大和魂 屋久杉シリーズ』で
使用しているのはもちろんこの土埋木。
ただ、土埋木も年々減少しているため、
希少性が高まっていると言います。
…………
『大和魂 屋久杉シリーズ』は、
フォアアームとスリーブに
希少な屋久杉を使い、
ウッドグリップ部にまた別の
日本の銘木を用いています。
画像の左から順に、
◯ブナ スポルテッド……現在品切れ中
◯桜
◯神代タモ
◯山桜
◯黒柿
左側の2本は「スポルテッド」という
言葉が付いていますが、これは
「樹木内部に菌やカビなどが入り込んで
形作られた、帯状の黒い筋」のこと。
自然が作り出した世界に二つとない模様で、
楽器や家具などでも重宝されている
希少な材料です。
ところで、キューに使われる銘木は、
メイプル、エボニー、ローズウッドなど、
海外の木材がとても多いのですが、
それは、日本の木材は軽いものが多く、
キューに向かないため。
そこで早川工房では、
BORON(ボロン)製のフレームを
バットの芯材として採用することで、
国産銘木のバットに重さ・剛性・弾性を
もたらすことに成功しました。
「ボロンとはタングステン繊維を
カーボンで固めた特殊金属で、
釣竿や戦闘機の尾翼など
幅広い用途があります。
弾性はありますが、
折れる事や曲がる事はなく、
フレームに通す木材の重さや
繋ぎの金属とジョイントピンの
種類を変える事で、キューに最適な重さに
調整することが可能になりました」
(早川工房)
…………
ジョイントカラーには
ウッドグリップ部に使われているのと
同じ木材を採用。
ジョイントは3/8-10山で、
ピンは「カッパー」(銅)製。
(※白樫スポルテッドはブラス(真鍮))。
銘木ジョイントキャップも付属します。
「カッパーのリングやジョイントピンを
採用しているメーカーは、
日本にはまだないと思います。
カッパーはブラスよりも重いため、
海外の銘木を使う場合には
製作側の狙う重さに収まらないので、
選ばれないのだと思います。
屋久杉シリーズは国産銘木を
使っていて比較的軽めなので、
カッパーを採用しています」
(早川工房)
…………
シャフトはBORON内蔵の
「先端中空ハイテクシャフト」。
タップは『ブルーインパクト S』で、
先角は『積層強化木』、
座はポリカーボネイト(クリア)です。
「今回からボロンフレームを
シャフトのジョイント側に採用しています。
先端はトビを減らすために
中空構造にしてあります」
(早川工房)
…………
本シリーズには、
バット用、シャフト用それぞれの
ウェイトボルト各種と専用レンチが
付属します(※オリジナルワッペンも)。
プレイヤー自ら最適なキューウエイトや
バランスを探し、細かく設定出来るのは、
非常にありがたい仕様です。
シャフトまで調整出来るのがグッド。
シンプルで飽きの来ないデザインに
高いプレーアビリティとカスタマイズ性も
備えた『大和魂 屋久杉シリーズ』。
長く使い込んで行ける良き相棒に
なるのではないでしょうか。