福岡県出身。
上京してビリヤードの腕を磨き、
2009年にプロになった川本比呂志プロ
(かわもと・ひろし。JPBA43期生)。
『アンジュ』、『バグース』、
『MECCA Kawasaki』といった
ビリヤード場で勤務しながら
トーナメント活動を続け、
プロ公式戦優勝はないものの、
『ジャパンオープン』で
2度の特設会場進出(ベスト16)を
果たすなど、立派な戦績を残しています。
純真な人柄で先輩プロから可愛がられ、
同僚・後輩プロから慕われ、
勤務店のお客さんにも親しまれていた
川本プロは、
2016年に福岡に戻り、
父親が営む焼肉店を手伝った後、
2018年10月に、
地元から近い大分県中津市の
「日の出町商店街」で、
自分のお店をオープンしました。
それが「塊肉とコーヒーとお酒のお店」、
『ひのでグリル』。
ビリヤードテーブルを設置している、
珍しい形態の飲食店です。
その川本プロが先日、
料理の勉強と休暇を兼ねて、
弾丸ツアーで関東に来ていました。
「もともとビリヤード繋がりで
親しくさせていただいている方が、
東京のイタリアンの人気店で
店長をやっているので、
料理のことを教わりに来ました」
(川本プロ)
そんな川本プロに、
BDは偶然神奈川で遭遇。
その場で強引に時間をいただき、
お店をオープンするまでの顛末を
聞かせていただきました。
…………
川本プロはもともと独立志向で、
関東のビリヤード場で勤務しながら、
「いつか自分で、
『飲食+ビリヤード』のお店をやりたい」
と考えていました。
東京や神奈川での開業が理想でしたが、
なかなか上手く事は運ばず、
2016年に郷里の福岡に戻ることに。
実家(福岡県豊前市)の
焼肉店を1年間手伝いつつ、
物件探しや開業の準備をしていた時に、
実家からそう遠くない
福岡と大分の県境の街、
大分県中津市で興味を引かれる
物件を見付けます。
それはJR中津駅至近の
「日の出町商店街」の中という好立地。
2フロア(1F & 2F)の店舗でした。
「中津市は人口8万人強の地方都市。
日の出町商店街にはシャッターが
下りたままの店もありますが、
今また若い人たちが起業したりして
再び活気付いてきています。
街の人達はあたたかい人ばかりですし、
僕の友人や知り合いも近隣にいます。
『この物件がいい』と思い、
中津商工会議所に行って
創業計画書を立てて、
日本政策金融公庫や
民間の金融機関に
融資の相談に出向きました。
中津市役所にも相談に行って
補助金も出ることになりました。
融資の申請書類や面談で、
『自分はビリヤードのプロで
関東で活動をしていました。
中津市でビリヤードテーブルの
あるお店を作りたいです』
ということを説明したのですが、
皆さん『ビリヤード』に興味津々で、
びっくりするぐらい好意的でした。
高く評価していただけたのかなと思います」
(川本プロ)
この時川本プロが思い描いていたのは、
家業でノウハウを学んでいた肉料理、
以前から好きで勉強していたコーヒー、
そして、大好きなビリヤード、
この3つを組み合わせたお店でした。
名前は『ひのでグリル』。
「『肉をわかっている』なんて
言い方はとても出来ないですけど、
実家が肉を扱っていますし、
僕もちゃんと知識はあります。
ひのでグリルで扱っている肉は
実家と同じ問屋さんから入れてます。
料理は以前から好きというか
毎日当たり前のようにやっていたので、
どんな料理も自然に作れるように
なっていましたし、
勉強するのも好きでした。
コーヒーも以前から好きで、
九州に戻って来てからも、
福岡や大分のコーヒー店を訪ねて
いろいろと学ばせてもらいました。
うちのコーヒーは大分の有名店で
焙煎してもらった豆を使っています。
そしてビリヤードは、
出来れば2、3台置きたかったですけど、
条件の良い箱は見付かりませんでした。
それは仕方ないので、
『まずは1台からでも』と。
今、地方ではビリヤードが
厳しくなっていると実感しています。
ビリヤードが大好きな身として、
そしてプロとして、
その状況には本当に胸が痛みます。
だから僕は、たとえ1台だけでも
ビリヤードテーブルを置きたかった。
そこは譲れなかったです。
街からビリヤードが消えて
いかないようにしたいと思っています」
(川本プロ)
『ひのでグリル』の
1Fには22席と厨房があり、
2Fには10数席と
ビリヤードテーブルがあります。
テーブルの搬入・設置は、
「九州に戻って来た僕を
何かと気にかけてくださった」
北谷好宏・英貴プロ兄弟が所属する
『淡路』(小倉)に依頼。
9フィートの競技タイプテーブル、
『ブランズウィック ゴールドクラウン 4』
を入れました。
紆余曲折を経て、
『ひのでグリル』は
2018年8月にプレオープン。
そして、2ヶ月後にグランドオープン。
開店当初からしばらくは
思うように客足が伸びず、
厳しい日々が続きますが、
徐々に、食事を楽しみに来てくれたり、
ビリヤードに触れに来てくれる
お客さんが増えてきました。
「初めはほんと全然で(苦笑)。
ランチはそこそこ来ていただけるんですが、
夜は、よそで飲んで来た後の
二次会三次会頼みという状況でした。
最近やっと、少しずつですけど、
夜に食事メインの
お客さまが増えてきています。
僕はもう毎日働きっぱなしの
料理作りっぱなし(笑)。
全然ビリヤードの練習をしたり、
人と撞いたりする時間なんてないですけど、
たまにお客さまに即興で
トリックショットを披露したりすると、
信じられないぐらい盛り上がるんです」
(川本プロ)
中津市にはビリヤード場がなく、
ビリヤードというものを
全く見たことがないという人も
多いそうです。
物珍しさも手伝ってか、
ビリヤードメインで
訪れるお客さんもいるとのこと。
「3、4人のグループで
ビリヤードをご利用いただくことは
そこそこありますし、
最大8人ということもありました。
僕がビリヤードのプロだと
伝えると『そうなんですか!!』と
珍しがられます(笑)。
思った以上にビリヤードは好評なので、
いちプロとしてはやっぱり
とても嬉しいですね
お客さまにトリックショットを
お見せしてうけるたびに、
僕にショットを教えてくださった
バグースの西尾祐プロに
心の中で感謝しています」
(川本プロ)
現在、ひのでグリルは、
ビリヤードテーブルのある
2Fスペースを、パーティーなど
貸し切り利用で楽しんで
もらえるように強化中とのこと。
以前から親交のある
『FOX』(小倉)に
ダーツマシンを入れてもらい、
『ショールーム MECCA』(神奈川)
から、ビリヤードテーブル用の天板を
導入する計画だとか。
今、川本プロの頭は
お店の運営のことでいっぱいで
プレイヤーとしては休業状態。
でも、「いつか競技の世界に戻る」。
それを忘れたことはなく、
日々ビリヤード界の動向は
チェックしています。
「仲良くさせていただいている方や
お世話になった方がたくさんいるので、
プロの先輩・仲間・後輩のことは
やっぱり気になっています。
最近だと、昨年福岡から
千葉に移った正﨑洋行プロ。
僕が福岡に戻った頃、
正﨑プロとはよく撞いていました。
彼は真剣に上を目指す姿勢があったので、
『絶対、関東に行った方が良いよ』と
勧めたりもしていました。
今、千葉で頑張っていますよね。
動きは追っています。
僕も試合に出たいのはやまやまです。
今も多くのスタッフさんに
助けてもらっていますが、
一人で店を見ている時間もあるので、
とてもビリヤードは出来ません。
いつかもっとお店を
任せられるような体制が出来たら、
必ず試合に出ます。
目標は3~4年以内。
それまで皆さん、僕のことを
忘れないでください!(笑)」
(川本プロ)
(了)
※『ひのでグリル』
大分県中津市日ノ出町1-350-13 日ノ出町商店街
https://www.facebook.com/hinodegrill/
…………
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