〈BD〉世界No.1スリークッション選手、F・コードロンが声明発表。2019スタートの韓国内新プロツアー『PBA』参戦へ。もうUMBの大会には出られない!?

 

空前のキャロムビリヤードブームに沸く

韓国ビリヤードマーケットの影響もあり、

 

近年活況を呈している

世界スリークッション競技シーン。

 

UMB(世界ビリヤード連合)が

主催・主管しているメジャーイベントの

『ワールドカップ』(年間7戦)と

『世界3C選手権』などの賞金額は、

 

2017年から倍になっています

(優勝賞金がおよそ100万円→200万円へ)。

 

なおかつ、韓国内を中心に、

高額賞金イベントが複数創立され、

ワールドトップ達が「キュー1本で食える」

環境が整ってきました。

 

そんななか、ワールドNo.1プレイヤー

であるF・コードロン(ベルギー)が、

 

韓国・仁川のイベント

『サバイバル3Cマスターズ』

(UMB公認イベント)で優勝した、

まさにその翌日の3/4に、

自身のFacebookで声明を発表しました。

 

それは、今年6月から韓国で始まる

新プロツアー『PBA』

(Professional Billiards Association)

への参加表明です。

 

同時にこれは、これまで長年主戦場としてきた

UMB主催・主管トーナメントからの離脱を

覚悟している、と受け止められます。

 

というのも、UMBは

「一度でもPBAへ参加したプレイヤーは

UMB主催・主管トーナメントへの参加に

ペナルティー(出場停止処分)を課す」

という態度を取っているからです。

 

UMBが強硬な姿勢を見せるのには

色々な理由があるようですが、

 

平たく言えばお金の問題があり、

PBAがUMBに対して「公認料」を

払う気がないからだとも言われています。

 

ということで、

世界のスリークッションプレイヤーは、

UMBトーナメント or PBAツアー、

という二択を迫られています。

 

とはいっても、UMBは、

『世界選手権』や『ワールドカップ』など、

権威ある国際大会を抱えており、

 

各国・各地域のナショナルチャンピオンシップ

(全日本選手権など)や、

インターコンチネンタルチャンピオンシップ

(アジア選手権など)を

統括する立場にあるので、

 

ワールドトッププレイヤー達の多くは、

恐らくこれまで通り

UMBトーナメントへ参加するだろう、

と思われていました。

 

UMBトーナメントの賞金も上がり、

イベントも増えてきているので、

無理に「引っ越し」をする必要性に

迫られていないように思います。

 

それだけに、コードロンの発表(↓)は

大きなインパクトを残しました。

 

 

コードロン談(抄訳):

 

「スリリングな決勝戦に勝って『サバイバル3Cマスターズ』で優勝出来た。そして今、自分の今後について語る時だろう。私は韓国のPBAツアーに参加する。簡単な決断ではなかったが、Kozoomから6カ国語で侮辱され、UMBからは『非合法な』試合に出たら一生UMBの試合には出られないと脅された今、この道を選ぶのは当然だった。UMBを選んだ他の『忠実な』選手たち(Kozoomではこう表現されている)と同じく、私も全ての試合に出たいと思っているよ。だけど、UMBのルールによれば私は出場停止処分になるだろう。

 

他の大会に出たら出場停止処分(UMBは一生涯だと言う)になるなんて想像できるかい? 一体どんな意味だ? ビジネス? モラルはどこに行ってしまったんだ? もしUMBが私を裁いたルールを徹底するなら、昨シーズン『非合法な』試合に出たたくさんのプレイヤーを出場停止処分にしなければならないはずだ(たくさんの実例がある)。とにかく、彼らが私を『国家の敵』であるかのように扱うのを止めてくれることを願っている。私は罪人ではなく、ただのビリヤードプレイヤーだ。私の決断を尊重してほしいし、皆が批判せずに理解してくれることを願っている」

 

…………

 

補足説明をします。

 

現在、UMB(世界ビリヤード連合)は、

ビリヤードネットTV大手の

『Kozoom』(コズーム)と

強固なパートナーシップを結んでいて、

UMBトーナメントの全てを

Kozoomが配信しています。

 

(※さらに今年から

EUROSPORTとも契約したようです。

スヌーカー並の放送網と発信力が期待できます)

 

一方、PBAは、韓国内で24時間

ビリヤードコンテンツを放映している

韓国の『Billiards TV』と組むようです。

 

また、韓国のビリヤード用品取扱大手であり、

コードロンが看板選手として

専属契約を結んでいる

『Kimchi Billiards』(キムチビリヤード)は、

PBAへの協力を表明しているとのこと。

 

さらに、PBAの背後には

ある韓国大手スポーツマネージメント企業がいて、

そこが年間数千万円の契約料を

コードロンに数年に渡って毎年払うという

大型契約を結んだという話もあります。

 

つまり、コードロンは、

PBAに参戦するだけで、これまでと

同等以上の収入を得られる可能性が高いです。

UMBトーナメントに出られなくなっても、

生活に困窮することはありません。

 

PBAに全戦出るということは、

韓国にいる時間がとても長くなることになり

(2019年は6~8試合予定。

2020年は8~12試合予定。

2021年以降はさらに増える予定)、

 

そのあたりも欧州プレイヤー達にとっては

ネックになりますが、

 

コードロンはこれまでもビジネスや試合で

頻繁に韓国を訪れ、長く留まることも

あったので、全く苦にはしないでしょう。

 

…………

 

BDが知る限り、現時点では

このコードロンの声明に対して、

UMBも、KBF(韓国ビリヤード協会)も、

韓国プレイヤーも、

目立ったリアクションはしていません。

 

韓国ビリヤード界にも様々な派閥があり、

政治的・ビジネス的な思惑が絡み合っていて、

個人や企業の意志ひとつでおいそれと

発言出来る状況にはないでしょう。

 

PBAは、トップリーグの定員を

「128名」としています

(それ以外は2部に入り、年に一度、

1部下位選手と2部上位選手を入れ替える模様。

1試合あたりの賞金総額は2千万円以上と

言われています)。

 

韓国トッププレイヤーや

ワールドトッププレイヤーの数が

多ければ多いほど、

ツアーの価値が上がるのはPBAにしても、

UMBにしても同じこと。

 

この件、どうなっていくのか。

コードロン以外にもPBAを選ぶ

トッププレイヤーは現れるのか。

 

はたまた、UMB、PBA、KBFの間で

話し合いがもたれて、

なんらかの妥協点が見出されるのか。

 

PBA第1戦は6月開催予定。

 

ということは、今月来月あたり、

各所で様々な動きがあるのでは

ないでしょうか。

 

続報は追ってお届けします。

 

 

 

 

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