2001年に始まり、
今年(2019年)第19回を迎えた
『全日本学校対抗9ボール選手権』。
既報のように、今年の優勝は、
宮崎大学でした(3度目)。
宮崎大学は橋本雄一朗選手と
佐々木優衣選手という男女混合ペア。
これまでにも男女混合のチームは
出ていましたが、優勝したのは初めてです。
大会初参戦だった佐々木優衣選手は、
グループラウンド5試合、
決勝トーナメント2試合、
計7試合全勝という優秀な戦績を収めています。
本大会にMVPなどの個人賞がもしあれば、
受賞は確実だったでしょう。
宮崎大学ビリヤード部で部長を務めていた
佐々木選手はこの春、大学を卒業。
4月から地元の福岡県で就職します。
新生活の準備に忙しいところ、
電話インタビューに応じていただきました
(仲介をしてくれた橋本選手、
ありがとうございました)。
…………
Yui Sasaki
出身・在住:福岡県
生年月日:1997年1月3日(取材時22歳)
学歴:宮崎大学 教育文化学部卒業(2019年4月に就職)
ビリヤード歴:約3年半。宮崎大学ビリヤード部在籍(約1年半部長を務める)
所属店:『Billiards & Games Pool』(宮崎市県宮崎市)
使用プレーキュー:Lucasi(ルカシー)
公式戦出場経験:『九州レディースオープン』などを始め複数回。入賞はなし
好きな・影響を受けたプレイヤー:河原千尋プロをはじめとして九州レディースオープンで見た女子プロ、北谷好宏・英貴プロ兄弟(地元・北九州市のプロ)、内垣建一プロ・平口結貴プロ(Poolに来てくださったプロ)
…………
――まず、優勝の感想を教えてください。
「自分が一番びっくりしました。一球一球一生懸命やっていたら、どの試合も良い感じで撞けていて、気付いたらあっという間に一日が終わっていたような感覚です」
――高いシュート力を発揮していました。
「自分ではあまり覚えてないんですが、球がよく見えていたなとは思います。シュート練習をよくする方だと思いますけど、普段の方がもっと外してます(笑)。あの日はいつもの自分じゃなかったというか、たまに出る良い時の自分が全部あそこに集まったような感じで……マリオカートのスター状態が長く続いていたような(笑)」
――試合を楽しめましたか? 緊張感は?
「すごく楽しめました。憧れの場所で、他大学の知らない方とたくさん試合が出来て楽しかったです。大会の最初と決勝戦の最後の方の勝ちが見えた瞬間だけはちょっと緊張していましたけど、それ以外はどの試合にもうまく入り込めたと思います。むしろ九州の試合の方が知っている人が多いから緊張します」
――この『全日本学校対抗9ボール』は狙っていたタイトルですか?
「いえ、優勝は全く考えもしなかったです。宮崎大学の目標は、毎年秋の『九州学生大会』で優勝すること(※宮崎大学は過去8度優勝。優勝校は全日本学校対抗9ボールへの出場権を得る。2018年は20チーム参加)。私も1年生の時から九州学生大会に出ていて、2年生の時に初めて決勝トーナメントに上がって、3年生の時と4年生の時(2017年と2018年)に優勝出来ました。ただ、九州大会は3名1組なんですけど、全日本学校対抗は2名なので、1人メンバーから外れます。3年生の時は私が外れたので、全日本学校対抗では撞けませんでした。応援で会場(池袋『ロサ』)には来ていて、『来年はプレイヤーとして私もここに立ちたいな』と思っていました」
――そういう背景もあったから、大会を楽しめたのかもしれないですね。
「そうだと思います。学生最後の年にこの大会で撞けて良かったです。本当に楽しめました」
――もう卒業ということですが、大学時代はどんなふうにビリヤードをしていましたか? 週何回、何時間ぐらい撞いていたのでしょうか?
「平均すると週3、4日ぐらいで、だいたい1回3時間です。いつも『Pool』(宮崎市県宮崎市)で撞いてました。1年前に東京で全日本学校対抗を見てさらにやる気が出て、Poolのオーナーにも『あそこに立ちたいなら、毎日最低1時間は撞きなさい』と言われたんですけど、4年生になって卒論があったりして毎日は行けてなかったですね。多い時でも週5、6回です。今年に入ってからは出来る限り毎日行くようにはしてました」
――どんな練習をしていましたか?
「試合とかで失敗した球や苦手な球をひたすら撞いてました。苦手意識がなくなるまで潰していく感覚です。私はシュート練習がほとんどでした。全日本学校対抗に出ると決まってからは、ブレイクしてここまでは取り切るって決めて撞く練習とか、その配置でフリーボールで取り切る練習をしていました」
――人と撞くことは?
「この1年ぐらい……3年生の秋の九州学生大会で優勝した頃からは結構増えました。それまではそんなに人と撞いてなかったです」
――そもそもビリヤードとの出会いは?
「大学1年生の時に、同級生の友達が『ビリヤード部に入る』って言ったので一緒に入った感じです。ビリヤード? 初めて聞くスポーツ……って思いましたし、初めてやった時は『なんだこれ!?』って思いながらもすごく楽しかった覚えがあります」
――より真剣にやるようになっていった時期やきっかけは?
「秋の九州学生大会には個人戦もあるんですけど(2018年は約60名参加)、1年生の時、運良く決勝トーナメントに上がれました。決勝トーナメントですぐ負けちゃったんですけど、その時に『もっと上に行きたい!』という気持ちが湧いてきて。そこからしっかり練習するようになりました」
――自分自身をどんなプレイヤーだと思いますか?
「全く才能があると思いませんし、むしろビリヤードに向いてないんじゃないかぐらい思ってます。私に残されたのは努力しかないというか(笑)。一直線に練習に打ち込んできただけです」
――ビリヤードのどんなところが好きですか?
「練習すればするだけ上手くなれるというところと、女性でも男性に混じって活躍しやすい競技だというところ。そして、世代を越えて色々な人と一緒にプレーしたり、交流出来るところです」
――4月に就職。社会人になってもビリヤードは続けていきますか?
「まず仕事をちゃんとやらないといけないので、しばらくは遊び程度になってしまうと思いますけど、ちょっとずつ続けていきたいですね。仕事に慣れてきて時間が取れるようになったら、『九州レディースオープン』とか『女流球聖戦』とか、そういう試合にも出てみたいなと思っています」
――公式戦にまた出られる環境になったとしたら、どんなプレイヤーになっていきたいと思いますか?
「不器用で一つのことしか出来ないと思うので(笑)、入れが強い選手になりたいです。試合に出るからには勝ちたいし、上に行きたいという気持ちはあるので、そう出来るようにまた練習に打ち込みたいです」
――ありがとうございました。
(了)
↑卒業式の日に『Pool』にて
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