41の県から48のチームが集い、
今年も盛大に開催された
（正式名称：『2019 チャリティ 第55回 全日本都道府県対抗ポケットビリヤード選手権大会』）。
各県メンバーがお揃いのベスト、
タイ、ワッペン、シャツなどを
まとってプレーする姿が、
この大会を一層特別なものにしています。
どの県にも「伝統のベスト」などがあり、
脈々と受け継がれているので、
基本的には毎年、
お馴染みの色が会場に揃うのですが、
その中にあって、
愛媛県ビリヤード連盟（EBA）が
今年新しく仕立てた、
通称「みかんベスト」は
みかんを大胆かつポップにあしらった、
どこからどう見ても愛媛そのものの
優れたデザインであり、
他県との差別化（識別のしやすさ）という
意味でも非常に効いていました。
このみかんベストの誕生秘話を、
愛媛県ビリヤード連盟会長の
三ツ木隆行さん（トップ画像の右端）に
お聞きしました。
…………
三ツ木隆行さん・記：
◆ ごあいさつ
みなさま、こんにちは！
愛媛県ビリヤード連盟の
三ツ木隆行と申します。
本年度より当連盟の会長を
仰せつかっております。
都道府県対抗戦ではたくさんの方に
お会いする事ができ、嬉しい限りでした。
今回はその都道府県対抗戦にて、
多くの方に愛媛県のベストが
リニューアルされたことに
興味を持っていただきましたので、
その作成経緯や、どのようにして
今回のお披露目まで至ったかを、
BDさんを通じて
お話しさせていただければと思います。
…………
◆ 新しいベスト作成に至った経緯
愛媛県は昨年まで、
ファイアー柄のベストでした（↑画像上）。
こちらも派手で、
印象に残るベストだったので、
覚えている方も多いかもしれません。
このベストは約20年前に
導入したのですが、既製品でした。
当時は全国で販売していましたので、
喫茶店やバーに行くと、
そこのマスターが着用していた、
なんてこともありました。
ところが、10数年前に製造中止になり、
手に入らなくなりました。
連盟員として新しい方も加入していく中で、
そのベストが手に入らない。
都道府県対抗戦やその他全国大会にも、
他人のベストを借りて出場する、
なんてこともありました。
それではいけないということで、
実は数年前から新しいベストを
作成する話は連盟の中で出ていたんです。
しかし、しばらくは
『愛媛国体記念大会』などイベントが
続いたこともあり、実際の作成までは
なかなか話が進みませんでした。
そのような中、2019年より私が
当連盟の会長に就任する事が決まり、
新体制となるその年に合わせて
ベストをリニューアルしようと、
本格的に動き出したのが
2018年に入ってからでした。
…………
◆ デザイン
作成にあたっては、複数回連盟の
役員会を行い、決めていったのですが、
一目で愛媛とわかるもの、
かつインパクトのあるものを前提として、
既製品ではなく、一からデザインして
作成することで話が進みました。
まずは基礎となる色です。
愛媛県なので、満場一致で
「オレンジ」となりました。
あとは、様々な方向から
情報収集をした上で
デザインを決めていきました。
役員の意見を取り入れながら、
プロのデザイナーさんと打ち合わせを重ね、
案をいくつか作成し、
それを役員会で諮り、
意見をいただき、
といった行程を何度か繰り返し、
かくして、
一目で愛媛とわかる、インパクトのある
「みかんベスト」が作られました。
…………
◆ 作成期間
2018年当初から打ち合わせを重ね、
デザインが決定したのが12月だったので、
約1年かかりました。
なんとか今回の都道府県対抗戦に
間に合わせるため、今年の1月には
発注を出したのですが、
実際に完成品が手元に届いたのが、
ゴールデンウィーク明けでした。
ホントにギリギリでした。
選手達も今回の大会で初めて
このベストを着用しました。
…………
◆ 作成しての感想、苦労した点
やはりデザインです。
基礎はオレンジ色で即決だったんですが、
「単色では味気ない」、
「愛媛らしさがあるデザインがいい」など、
たくさんの意見をまとめるのが大変でした。
愛媛らしさということで、
みかんの柄を入れることは
頭の中には最初からありました。
後はそのパターンをデザイナーさんと
話し合いで決めていった、という感じですね。
デザインには非常に満足しています。
また、製作費にはだいぶ苦労しました。
当初の見積もりでは、
1着4～5万円程度と言われました。
また、デザイン費も別途必要でした。
それではとても個人では購入が難しいので、
なんとか一人当たりの金額を抑えて
もらうよう交渉も続けました。
結果、当初よりだいぶ安い金額で作成でき、
仕上がりを見ても、
十分満足のいくものとなりました。
金額など具体的に聞きたい方は、
私に個別に聞いてください（笑）。
…………
◆ 当連盟員の声
正直『初めて見た時は派手だと思った』
というのが大半でした。
でも、都道府県対抗戦が終わった今では、
『愛媛らしさが出て非常に良かった』
『今後の全国大会もこのベストを着て出場したい』
など、連盟内でも嬉しい声が集まりました。
今後、このみかんベストが
定着するよう願っていますし、
そうなることを確信しています。
…………
◆ 最後に
当連盟が新体制になって、
ベストをリニューアルすることが決まった時、
どのタイミングでお披露目するかを
考えましたが、
「やはり都道府県対抗戦しかない！」
と思い、そこに向けて計画していきました。
全国大会に行く時はいつも、
愛媛の代表という意識を持つのと同時に、
どうやって愛媛をPRできるかを
考えていますが、
今回の「ベスト作戦！」は成功でした。
大会が始まるまでは皆さんにどういう
反応をされるか不安だったのですが、
本当にたくさんの方に
お声掛けいただきましたし、
「自分の連盟もベストをリニューアルしたい！」
などの声もありました。
富山の方にも『完敗でした』と
言われました（笑）
（試合はこちらが完敗でしたが）。
デザインの関係か、
女性に人気があったように感じます。
「着てみたい！」と思われるような
ベスト（チームウェア）があることも、
ビリヤード普及の
大事な部分かもしれませんし、
私自身、今後の活動に
大きなヒントをいただきました。
各県の方々にも色々聞かれた中で
お伝えできる部分はお話ししましたが、
今回の記事がその一助になれば幸いです。
これをキッカケに、全国から新しいベストが
出てきたりすると嬉しいですね。
（愛媛県ビリヤード連盟 会長 三ツ木隆行）
…………
三ツ木さん、ありがとうございました！
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