7月に台湾で行われた
『9ボールアジア選手権』(男子&ジュニア)。
女子ジュニアダブルスの部で、
日本の奥田玲生&谷みいなペアが初優勝。
現在、高3の奥田選手と中3の谷選手。
年齢は違いますが、ともに神奈川在住で、
一緒に練習することもよくあるとのこと。
そんな2人に、アジア選手権のこと、
普段の練習環境、今後の目標などを聞きました。
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奥田玲生(おくだ たまみ)
生年月日:2002年3月18日(高校3年生)
出身:神奈川県
ビリヤード歴:約9年
2015年&2016年『日本学生ナインボール選手権大会』(小中学生の部)優勝
2016年『全関東選手権』(女子級)優勝
2017年『全日本ジュニア9ボール』優勝(他、準優勝2回)
2019年『9ボールアジア選手権』ジュニア女子ダブルス優勝
2019年『9ボールアジア選手権』ジュニア女子シングルス3位(2018年も3位)
『世界ジュニア』日本代表3回(最高9位タイ)
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谷みいな
生年月日:2005年1月13日(中学3年生)
出身:神奈川県
ビリヤード歴:約4年
2018年『日本学生ナインボール選手権大会』(小中学生の部)3位
2019年『9ボールアジア選手権』ジュニア女子ダブルス優勝
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取材場所:『ミッドナイト』(神奈川県厚木市)
――女子ジュニアダブルス優勝。『アジア選手権』で見事な成績を残しました。
奥田玲生:私はアジア選手権にたしか12歳の時からずっと出ているので、今回が5、6回目でした。なので大会そのものには慣れているんですけど、ダブルスでは過去1試合も勝ったことがなかったんです。私がいつも足を引っ張ってしまって……。今回も初戦で負けてしまったんですけど、2試合目、敗者側で勝てました。まずそれがすごく嬉しかったですね。結果的に優勝出来たことはもちろん良かったです。でも、2人で最後まで協力して頑張れたということが一番嬉しいです。
谷みいな:私はたまみちゃんに感謝しています。ダブルスのはじめの方は「ほんとに大丈夫かな」と不安に思う時もあったんですけど、たまみちゃんにずっと支えてもらえて、どんどん良いペアになっていった感じがあります。そして、海外で決勝戦を撞くという経験が出来たのが良かったです。
――優勝の瞬間は?
谷:「やったー! 優勝出来たー!」みたいな(笑)。
奥田:私は「やっと終わった……」っていう感じ(笑)。あと、「ラッキーだったなぁ」とも思いました。決勝戦は5-1で先にリーチをかけたんです。そこまではよく撞けていたんですけど、そこから流れが悪くなっちゃって……。
――5-5まで追い付かれました。最後の方はドキドキしてました?
奥田:私はすごくしてました。
谷:私はしてなかったです。ただ最後のゲームボールの時は『やばい、9番だ。絶対入れなきゃ』って意識してました。
奥田:隣のテーブルで男子の決勝戦をやっていて(一般男子の部。柯乗中が優勝)、それが先に終わって私達の試合が最後になったんです。相手は台湾ペアで、ショットごとに「わ~」ってすごい盛り上がってたんで、すごく緊張感がありました。ああいう場で決勝戦を撞けたのは本当に良い経験になったなと思います。
――2人で事前に練習していましたか? 2人のチームワークは?
2人:はい、してました。
奥田:私がここ(『ミッドナイト』)に来て一緒に練習してました。本番の会場で使われているのと同じラシャ(「YTTラシャ」)が8番テーブルに張られているんです。
谷:お父さん(ミッドナイト代表の谷王氏)がラシャを買ってくれました。
奥田:2人の付き合いはもう結構長いですね。私はみいなちゃんを小学生の頃から知っていて、試合にも一緒に出たりしてました。お互いのことがよくわかっているんで、ペアでもプレーしやすいです。今回出ていたチーム(全6チーム)の中で私達が一番息が合っていたと思います。
谷:ペアで撞く時はまず「自分がやりたいようにやる」というのがあって、空クッションとかどう撞いてわからない球の時は聞いてました。
奥田:選ぶショットは互いにそんなに変わらないし、ずっと相談しながらやると、かえって上手く行かなくなるだろうなと思ったので。ほんとに難しい球だけ相談するという感じでした。
――シングルスはどうでしたか? 奥田選手は3位タイ(2年連続)。谷選手はダブルイリミネーションラウンドで敗退でした。
奥田:もうちょっと頑張りたかったですね。2017年まで全然ダメで、昨年3位になって。今年と来年はさらに上を狙って行きたかったので。でも、今年も『世界ジュニア』(※例年通りであれば11月開催)に出られることになったのは良かったです。
谷:私はアジア選手権は2度目でしたけど、シングルスでアジアのトップジュニアたちと当たったり彼女たちのプレーを見たりしていると、「まだまだ自分とレベルが違うな」と思ってしまいました。もっと練習して、来年はアジア選手権で決勝トーナメント(ベスト4)に行きたいです。
――普段の練習環境について教えてください。どこでどのぐらい撞いてますか?
奥田:私は『Link相模原店』で練習することが多いです。あとはたまに『ポイントサンビリ荻窪西口店』やここ(ミッドナイト)に来ます。だいたい毎日撞いていて、練習時間は日によってばらつきがありますけど、平均すると平日は4~5時間。たくさん撞ける日は8~9時間とか。基本的には一人練習が多いです。
谷:私はここ(ミッドナイト)ばっかりです。平日は学校から帰って来て3~4時間ぐらい。休日は丸一日撞くこともあります。いつもは一人で練習することが多くて、たまにお店のお客さんに撞いてもらっています。たまみちゃんが来てくれたら一緒に撞いたり教わったりしています。
――尊敬するプレイヤーや憧れのプレイヤーは?
奥田:私は高橋邦彦プロ。ここ何年か高橋プロに教えていただいていますし、高橋プロのプレースタイルも好き。とても尊敬しています。海外だと特に今は憧れの対象とかはいないです。試合で当たることもあるので、そういう気持ちで見てません。
谷:私は栗林美幸プロが好きですね。海外だったらフィリピンのプレイヤーが全体的に好きです。あの撞き方とかプレーの仕方とかが好きです。
――いずれプロ入りは考えていますか?
奥田:はい。私はそのつもりでやっていて、今はプロになる前の準備期間みたいな感じで捉えています。まだいつなるかというのは決めてないですけど、今年の『世界ジュニア』の結果次第で見えてくると思います。一応来年まで「ジュニア」なので来年もジュニアで戦っている可能性もあります。
谷:私は来年高校に進学する予定です。いずれはプロになりたいと思ってますけど、まず高校3年間を大事に過ごしながら考えたいです。
――2人ともプレーキューがKeithAndy(キースアンディ)で同じなんですよね。
奥田:すごい偶然ですよね。私のキューはもともと別の方が持っていたもので、触らせていただいた時にすごく振りやすかったので『手放すことがあれば教えてください』って言ってました。2年ぐらい前から(笑)。今年に入って話が進んで実際に使うことになりました。パープルハートのハギのデザインも綺麗だし、バランスが自分に合っててすごく振りやすいところが気に入ってます。
谷:私のはお店でキースアンディの展示会があった時に並んでいたキューで、パープルハートの色合いとハギの5色のカラーが『かわいいな』と思いました。お父さんが買ってくれて、小学5、6年の頃から使ってます。これを手に入れたから、『私、頑張る』って感じでビリヤードに真剣になりました。
――わかりました。最後に今後の目標を。
奥田:世界ジュニアで優勝を目指しています。それはもう何年も前から変わらない目標です。
谷:技術的にも知識的にも、出来てないことや知らないことがすごくいっぱいあるので、一つ一つ潰していって上達していきたいです。
(了)
↓奥田玲生選手のキュー:
プレーキューは2010年製『KeithAndy』。カーリーメイプルベースにパープルハートの子持ち6剣。ベニアは白紫黒。キースアンディの「スタンダードハイテクシャフト」を装備。ブレイクキューはMEZZ『POWER BREAK』、ジャンプキューはADAM JAPAN『TENGU』
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↓谷みいな選手のキュー:
プレーキューは2014年製『KeithAndy』。パープルハートベースにエボニー5剣ハギ。ベニアは1つの剣ごとに色が異なる。シャフトは「ハイブリッドプロ2」(MEZZ)を使用。ブレイクキューは『Black Jack』、ジャンプキューその1(シャフトが黒い方)は『BAN JUMP』、ジャンプキューその2(奥側)は『Gino Ferrari』
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