現在、国内ビリヤード界には様々な
イベント・トーナメントがありますが、
「盛況なのは?」「良い雰囲気なのは?」
「ビギナーにおすすめは?」と問われると、
BDはこの大会を挙げています。
『JPA×BAGUS 企業対抗9ボール』。
その名の通り、
同じ会社に所属する3人一組でチームを組み、
『バグース新宿店』を舞台に、
JPAルール9ボールで競うイベント。
2013年2月の第1回大会以来、
着々と参加企業・チーム数を
増やしながら年3回のペースで行われ、
今年(2019年)7月に
『第20回』が開催されました
(52企業74チーム222名が参加。
結果はこちらを)。
その会場で、バグースのチーフ
インストラクターの西尾祐プロと、
JPA代表の楠城規之氏に、
改めて大会の成り立ちと20回に至る
道程を振り返っていただきました。
両者のコメントから人気の秘密を探ります。
…………
◆ バグースとJPA、通底するテーマ
国内ビリヤード界に前例のない
「企業チーム対抗戦方式の継続開催イベント」は、
バグースによって2012年に
発案されました。根本にあるテーマは
『ビリヤード休眠層のカムバック』です。
バグース西尾プロ:
「以前にもお話しましたが、2012年秋に行ったアンケートで、『昔熱心にビリヤードをやっていたけど、今はやっていない人(休みがちな人)』の実態が見えてきました(※詳しくはこちら)。その際『今ビリヤード以外には?』と聞くと、会社のサークルで何かをやっているという方が多かったんです。ああ、会社中心のコミュニティがあるんだなと。そこで、会社にビリヤードサークルが出来ればカムバックする方や新規の方が増えるのではないかと考えました。以前から職場の人とビリヤードを楽しんでいる方は結構いましたが、目標もなくただ集まっていても長続きはしにくいです。そこで『企業サークルの活動目標になるイベントを』ということで考案しました」
それが企業対抗のコンセプト。
バグースはJPAとコラボレートすることを
念頭に置いていました。
すでに両社はレギュラーのJPAリーグや
JPAイベントの会場提供などを通じて
良好な関係にあったこと、
JPAには社会人も数多く在籍しているので
集客・宣伝もしやすいこと、
そして、JPAにはスキルレベル制の
チーム戦のノウハウがあること
……などの理由がありました。
JPA楠城氏:
「バグースさんから『新しい企業チームイベントを一緒にやりましょう』とお声掛けいただいた時に、すごく発展性のあるものだと感じました。もともと『ビギナーを増やす』というのは両社に共通するテーマ。そのポテンシャルを最も秘めているのが企業だと思います。私個人の話になりますが、以前アメリカでAPAを楽しんでいた頃、私は企業ディビジョンに入っていました。ビリヤードはコミュニケーションツールや社内アクティビティとして非常に優れていると実感しました。JPAとしては『いずれは日本で企業ディビジョンを興したい』と思っていたので、企業対抗はその足掛かりになるだろうという考えもありました(※2018年に企業ディビジョンがスタート)」
…………
◆ 29企業35チームからのスタート
こうして2013年2月に第1回大会が
催され、29企業35チームが参加。
第2回は38企業51チームとなり、
そこからチーム数が減ることは
ありませんでした。
この20回で10回以上出ている企業が
約20社あり、初回から20回連続出場
している企業も2社あります
(株式会社ラクーンホールディングスと
日産自動車株式会社)。
バグース西尾プロ:
「立ち上げからしばらくは『定員:60チーム』で、たびたびフルエントリーになっていたので第10回から『定員:75チーム』に。これは『新宿西口店』も併用することで可能になりました。それでもほぼ毎回キャンセル待ちが10チーム近くある状況が続いています。新しい企業が参加しやすいように新規優先枠を設けたり、1企業あたりの参加チーム数の上限を決めることで(現在は「1企業2チーム」)、リピーターと新規のバランスを取っています」
JPA楠城氏:
「立ち上げ当初のことはもうあまり覚えてないのですが、参加された方がとても楽しんでいた様子は印象に残っています。回を追うごとに運営の実務などもスムーズになり、僕らも周りを見る余裕が出てきて、『ああ、良いイベントだな』と実感することが増えました。今は安定して毎回フルエントリーをいただいている状況が続いています。このイベントを評価してくださっている方が多くいらっしゃるということかなと思っています」
…………
◆ 人気イベントへの道のり
BDもたびたび取材していますが、
企業対抗は、勝ち負けよりもまず
仲間とビリヤードを楽しむことに
重きを置いている参加者が多く、
笑顔の絶えないイベントです。
ビギナー~低スキルプレイヤーの
割合が高く、マイキューを持って
いない人がバグース調べでは
「3割強」いるとのこと。
JPA楠城氏:
「中にはこれまでビリヤードをほとんどやったことがなく、ルールもよくわからないという方もおられますが、そんな方もチームメイトと一緒になって楽しんでいますし、対戦チームも優しく見守っています。穏やかな雰囲気なので、経験の少ない方でも萎縮しないで楽しめるのが人気の理由の一つだと思います」
バグース西尾プロ:
「皆さんとてもマナーが良くて、あたたかい空気が流れているのが特長です。それは企業名を背負って参加しているというのもあると思います。それに、休日に職場の人と一緒に出掛けても良いと思う人がいる会社は、きっと良い会社ですよね。そんな企業が集まることでこの雰囲気が生まれて、それを快く思う人達がリピーターになってくださるという好循環があります。同時に、毎回初参加企業も数多くありますので、どこで企業対抗のことを知ったのかまではわからないのですが、良い話をしていただけているかもしれません」
バグースが目標にしていた
『休眠層の掘り起こし』や
『社内ビリヤードサークル創設』にも、
明らかに良い影響があったと言います。
バグース西尾プロ:
「『企業対抗をきっかけに社内でサークルを作った』『会社から認められて活動補助金が出るようになった』『ビリヤードを休んでいたけど復活した』という声を耳にすることが思っていた以上にありました。社内のビリヤード経験者がサークルを作ってビギナーに教えたり、引率役になって企業対抗デビューをするというケースが多いです。また、バグースでレッスンを受けてくださったり、バグースの別のトーナメントに出たりという方もいます。総じて出来すぎなぐらい良い反応だと思います」
第2回大会から参加者にアンケートを配布し、
感想・要望などを募っていますが、
おおむね『楽しかった。また出たい』
という好意的な声が多いとのこと。
中には厳しい意見もありましたが、
出来る限り改善を重ねてきました。
バグース西尾プロ:
「例を挙げると、立ち上げ当初はJPAメンバーはそのままのSL(スキルレベル)を適用し、そうでない方は自己申告だったので、実態にそぐわないレベルの方も見受けられました。そのためJPAメンバー以外へのスキルチェックを実施をするようになりました。他に、『開催回数を増やしてほしい』『参加チーム数を増やしてほしい』というご要望を今でもいただくのですが、開催回数についてはバグースにしろJPAさんにしろ、年3回(3月7月12月)が今の限界です。また、チーム数を増やせば得点数が短くなるなど、どこかに差し障りが出てしまいますので、現状(75チーム)より増やすことは今は考えていません」
…………
◆ 節目の20回。そして今後は……
節目の20回を迎えた企業対抗。
西尾プロも楠城氏も
「あっという間でしたね」と
微笑んでいましたが、両者とも
「今が最高ではない。さらに磨いていく」
ということを強調していました。
JPA楠城氏:
「毎回定員を上回るエントリーをいただきつつ継続出来ているのは色々な要因があると思いますが、一言で言えば『ビリヤードを楽しめるイベントだから』だと思います。企業対抗がきっかけで普段からビリヤードをするようになった人も増えていますし、一定の成果を出していると思います。ですが、完璧に整っているとはまだ言えません。今後もバグースさんと良いリレーションシップを保ちながら、企業対抗をさらに良いものにしていくこと、そして企業対抗を通じてJPA企業ディビジョンも充実させていくこと。それがJPAとしての目標です」
バグース西尾プロ:
「おかげさまである程度確立されたイベントになりましたが、全く油断は出来ないと我々は考えています。今出てくださっている方々ももちろん大事ですが、そこにばかりフォーカスすれば良いというものではありません。『まだ出たことがない人が出たいと思えるイベント』『今いる人が新しい人を連れて来たくなるイベント』が理想です。常にそのバランスを意識し、参加者の声も聞きながら、閉鎖的にならないように心掛けて継続していきたいです」
根底にあるのは、
『ビリヤードを休んでいた人や、
やりたかったけどきっかけがなかった人に
こそ楽しんでもらいたい』という思い。
これからも企業対抗は、
数多くのカムバック組とビギナーを、
より広く奥深く楽しいビリヤード世界に
いざなう「入り口」であり続けるでしょう。
次回、第21回は12月開催予定(※日程は未定)。
バグース公式サイト
チェックをお忘れなく。
…………
BD Official Partners :
世界に誇るMade in Japanのキューブランド。MEZZ / EXCEED
創造性と匠の技が光る伝統の国産キュー。ADAM JAPAN
ビリヤードアイテムの品揃え、国内最大級。NewArt
末永くビリヤード場とプレイヤーのそばに。ショールームMECCA
カスタムキュー、多数取り扱い中。UK Corporation
13都道府県で開催。アマチュアビリヤードリーグ。JPA
徹底した品質の追求。信頼できる道具をその手に。KAMUI BRAND
赤狩山幸男プロ参加の平日トーナメント開催中。 BAGUS
カーボン繊維構造REVOシャフト発売中。PREDATOR JAPAN
ジャストなビリヤードアイテムが見つかる。キューショップジャパン
2018年4月大阪市淀川区西中島に移転リニューアルオープン。日勝亭
オウルグローブ新モデル「+」(プラス)発売中。SHOP FLANNEL
国内外トッププレイヤー達が信頼する国産積層タップ。斬タップ
…………
Cue Ball Samurai―ビリヤードサムライLINEスタンプ