〈BD〉「韓国の大器」と「復活のトルコの魔術師」が3Cメジャーイベント制覇。『LGU+ Cup』&『サバイバル3Cマスターズ』

Photo : © 2019 Kozoom Studio
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少し前の話ですが、

9月に韓国で行われた2つの

スリークッションビッグイベントについて。

 

「趙明優、メジャーイベント初V」と

「サエギナール、ベテラン復活V」という、

ドラマティックな結末になりましたので

記しておきます。

 

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趙明優 ※Photo : © 2019 Kozoom Studio
趙明優 ※Photo : © 2019 Kozoom Studio

 

まず、9/8(日)に終了した、

トップ選手16名参加の

『LGU+ Cup 3Cマスターズ』。

 

韓国屈指の逸材、

趙明優(チョ・ミュンウ)が、

 

グループラウンド(4名1組)と

決勝ラウンド(ベスト8~)で、

 

T・ブロムダール、E・メルクス、

M・ザネッティ、キム・ヘンジ、

T・タスデミルといった

チャンピオンプレイヤー達を

次々と撃破して決勝戦へ。

 

最後は、S・サエギナールと対戦し、

ほぼ一方的な展開で破って

40-16(17 inn)初優勝。

65,000ユーロ(約770万円)を獲得しました。

 

趙の全6試合でのトータルアベレージは

「2.330」だったとのこと。

 

趙にとってはこれが

3Cメジャーイベントでの初優勝となります。

 

2019 LGU+ Cup 3C Masters Result

優勝:趙明優(韓国)

2位:S・サエギナール(トルコ)

3位:T・タスデミル(トルコ)、趙在浩(韓国)

 

趙は現在21歳。『3C世界ジュニア』では

2度金メダル獲得(2016年・2018年)。

 

日本の『ヤマニカップ』でも

2016年に優勝しています。

 

年6戦前後開催されるトップトーナメント

『ワールドカップ』では3位が4回あり、

 

先輩のキム・ヘンジ(現在27歳)と

同じように「コリアンワンダーキッド」と

称されていました。

 

趙のメンターであり、

スポンサーでもある、

D・サンチェス(スペイン)は、

 

「何年も前から特別な才能を持つ少年だと思っていた。

彼のことをとても誇りに思うよ」

とコメントしています。

 

※趙明優の32点ハイラン動画はこちらから。

 

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セミ・サエギナール ※Photo : © 2019 Kozoom Studio
セミ・サエギナール ※Photo : © 2019 Kozoom Studio

 

そして2週間後、

 

LGU+ Cupでは準優勝だったサエギナールが、

『サバイバル3Cマスターズ』で優勝しました。

 

これはトッププレイヤー32名による

「4人撞き」の大会(今年で5回目の開催)。

 

サエギナールは最終日の決勝戦で、

趙在浩、E・メルクス、キム・ヘンジという

強力メンバーとプレー。

 

前半は下位にいましたが、

後半ランを重ねてトップに浮上し、

最終盤の趙在浩の追い上げをしのいで

1位でフィニッシュ。

5万ドル(約540万円)を獲得しました。

 

2019 Survival 3C Masters Result

優勝:S・サエギナール(トルコ)

2位:趙在浩(韓国)

3位:E・メルクス(ベルギー)

4位:キム・ヘンジ

 

「優勝できて本当に嬉しい。

練習もたくさんしてきたし、

復帰優勝に向けてかなり自分を追い込んできた。

自分のプレーをアップデートする必要もあった。

なにより、このフォーマットに

適応しなければならなかった。

結果、自分はよくやったと思うし、

とても幸せな気分だよ」

(サエギナール)

 

サエギナールは現在54歳。

 

2003年『世界選手権』優勝、

2003年~2004年『世界タッグ』優勝など

輝かしいキャリアを築き、

トルコNo.1プレイヤーとして君臨。

 

「トリックショットショー」での

エンターテイナーぶりも有名でした。

 

しかし、当時のキャロム界は

賞金額も小さかったので食っていけず、

2000年代後半に競技活動の

第一線から身を引き、

 

ショービジネス(歌手・俳優など)に

本腰を入れていました

(ちなみにサエギナールの奥さんは

トルコで有名な女優・ナレーター)。

 

そして、キャロム界に韓国マネーが

入って来て世界的に賞金額が増え始めた

2015年に競技活動に復帰。

 

精力的にツアーイングを行い、

上位入賞はするもののあと一歩が遠いという

状況が続いていました。

 

今回の優勝はサエギナールにとって、

2004年以来のメジャータイトルとなりました。

 

サエギナールと言えば、

今もBDではこちらの記事が非常に人気。

多芸多才ぶりがよくわかる動画が

たくさんあります。

 

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今年(2019年)、韓国では、

新プロツアー『PBA / LPBA』が始まり、

 

世界No.1プレイヤー、F・コードロン(第4戦優勝)や

左腕にキューを持ち替えて復活した

F・カシドコスタス(第1戦優勝)などが、

事実上「UMBからの転籍」をして参加しました。

 

一方のUMB側も、

「大器」と言われていた趙明優が

遂に初タイトルを獲得し、

サエギナールが復活Vを遂げたことで、

競争力や訴求力の面で見ても、

コードロンらの不在をそれほど感じさせることが

なくなってきているように思えます。

 

もちろんプレイヤーが

UMB軸/PBA側、両方の大会に

出られる状態がベストですが……

果たしてこの先どうなって行くでしょうか。

 

 

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