〈BD〉【寄稿】NZ在住日本人ビリヤードファンの仕事・暮らし・球ライフ by 岡﨑智也

 

今年(2019年)4月から

ニュージーランド(NZ)に滞在している、

ビリヤード好きの京大生・岡﨑智也さん

(※現在は休学中)。

 

今回は岡﨑さんがNZで知り合った、

現地在住のビリヤード人を

ご紹介いただきました。

 

オークランドの日本食レストランで働く

宮腰哲(みやこし・さとし)さんです。

 

…………

 

岡﨑智也・記:

 

皆さん、こんにちは! 岡﨑です。

 

ニュージーランド(NZ)から

寄稿させていただくのもこれで4回目。

NZの様子、楽しんでいただけていますか?

 

南半球のこちらは今春にさしかかり、

桜も咲き始めました。

 

観光シーズンに向けてジョジョに

暖かくなってきています。

 

今年の冬休みは夏のNZで過ごす、

なんていかがでしょう。

 

さて、今回はこちらの

ビリヤードプレイヤーの生活をご紹介します。

 

その方とは、以前『Pool & Blues』紹介

記事にて名前を挙げた

宮腰哲さん、通称「テツさん」です。

 

15歳の時にご両親と一緒にNZに来られて、

在NZ歴は32年。

 

現在はご両親と奥様、お子さんと生活されています。

 

日本よりもNZにいる時期の方が長く、

もはや半分キウィ(※)と言っても

過言ではない哲さん。

 

それでも、心の中には

いつも大和魂を持っています。

 

そんな哲さんは

日頃どのような生活を送っているのか。

 

お仕事、休日、そしてビリヤードという

3つのテーマでお届けします。

 

(※)キウィ(kiwi)には

主な意味が3つあります。

1つは「果物のキウィフルーツ」。

もう1つが、「NZの飛べない鳥、キウィ」。

そして、「ニュージーランド人」です。

 

…………

 

【お仕事】

 

 

哲さんは、オークランドで数店舗を

展開する日本食レストラン『大黒』で、

「鉄板焼きシェフ」として働いています。

 

お客さんの目の前の鉄板でシェフが焼く

鉄板焼料理が有名なこのお店。

 

そのシェフには単なる調理技術だけではなく、

「いかに魅せるか」や

「いかにお客さんに楽しんでもらえるか」が

必要とされています。

 

キウィのお客さんも多いので、

もちろん接客は英語で。

 

熟練の手さばきと、巧みな話術で

お客さんを盛り上げていく哲さん。

まさにプロの技と言ってもいいでしょう。

 

様々なパフォーマンスもあります。↓

 

 

炎を上げたり……

 

 

焼き終わった後、塩で鉄板に絵を描いたり。

 

シンプルに見える絵柄ですが、

哲さんはお客さんに向けて

天地逆にこれを描いています。

 

基本的に週5日はお仕事。

ランチもディナーも営業しているので、

NZオークランドにお越しの際は

ぜひお立ち寄りください。

 

Daikoku Restaurant

URL: https://www.daikoku.co.nz/

 

…………

 

【休日】

 

 

そんな哲さんのお休みの日。

 

哲さんが飼っているチワワのワンちゃん、

「リンゴ」の散歩をしてリラックス。

 

もう14歳のおばあちゃんで、

寝ていることが多い「リンゴ」ですが、

 

哲さんに散歩に連れ出されると

嬉しそうに歩いています。

撮影の日も寝起きでしたが、

元気に歩いていました。

 

 

「おばあちゃんになって徐々に白髪が

増えてきたんだよね~」とは哲さんの弁。

 

飼い始めた時は真っ黒だったそうですが、

今は少し色素が抜けた感じに。

 

「お父さんが真っ黒で、

お母さんが真っ白なんだよね。

で、そこから生まれた子は全員真っ白で、

『リンゴ』だけ真っ黒。

最初黒で徐々に白くなっていくって

タイプもいるみたいだし、

『リンゴ』も真っ白になっちゃうかもね」

 

撮影で訪れた公園には遊具の他に、

小さな小屋や電気式BBQグリルが

点々とありました。

 

「夏になるとね、公園が小屋を貸してくれて

ここでキャンプができるんだよ。

今はあいにく曇り空で寒くて、

まだ夏は遠く感じるけどね」

 

「一日の中に四季がある」

とも言われるニュージーランド。

 

特に春は、天気と気温が

1日の間にコロコロ変わります。

 

雨はゲリラ豪雨のように短時間集中型。

風も強く、傘は役に立ちません。

 

そのため、防水ジャケットを着たり、

傘を差さずに濡れながら歩いている人が多いです。

 

…………

 

【ビリヤード】

 

 

そして、仕事の休みの日には

もちろんビリヤードも。

 

この日は自宅近くのビリヤード場

(『Masse New Lynn店』)で

練習をしました。

 

練習頻度は多くて週1回。

「なかなか忙しくて」と話す哲さん。

 

「練習はしてないけどなぜか試合だと

勝てちゃうんだよね~」

 

そんな哲さんのエピソードを一つ。

先日試合に出た時のこと。

 

エイトボールの2ラック先取の試合で、

哲さんは相手のブレイクから

裏マス、マスワリを出しました。

しかも最後の8番はジャンプでイン。

 

それを見ていたマット

(NZのNo.1プレイヤーのマット・エドワーズ

哲さんとは旧知の仲)が相手に向かって、

 

「テツが最後に撞いたのいつだと思う? 

1ヶ月前だぞ!」と伝え、

 

負けた相手はさらにガックリ……。

 

その試合のプロモーションビデオ。

0:51と1:47に哲さん登場。↓

 

 

…………

 

ちなみに哲さんがビリヤードを始めたのは

「2005年くらい」

 

NZで高校と大学(当時は専門学校)に

通っていた時、親元を離れて一人で

ホームステイをしていたそうです。

 

その時哲さんが過ごしていた町は

タウランガという場所で、NZ最大の都市、

オークランドから離れた、少し小さな町です。

 

そのためか大きな家が多く、

「屋外に車を置くスペースが十分あるから

ガレージがプレイルームになっていて、

ビリヤード台とスヌーカー台が両方あった」

 

ただ、その時はあまりビリヤードに

魅かれなかったようで、

「ダーツばっかりやってた(笑)」とのこと。

 

卒業後、哲さんはオークランドに戻って、

一人の日本人と出会います。

 

ワーキングホリデーで来て、

ビリヤードキューも持っていたその人の名前は

「クスノキさん」。

 

とても上手で、

参加したハウストーナメントは連戦連勝。

そんな人と出会った哲さん。

 

当時オークランドにはダーツのできる場所が少なく、

一方でビリヤード場はたくさんあったため

ビリヤードを始めたそうです。

 

 

現在は、オークランドでも

ビリヤード場は少なくなってしまいました。

 

「昔に比べるとだいぶ減っちゃったね。

特にアジア系の人が経営するビリヤード場が

ことごとく閉まって、残っているのは

マットみたいなNZ人の経営するところが多いかな」

 

「外国の人がこっちでビジネスをしていても、

ビザが下りなければ母国に帰らないといけない。

そういう意味ではNZ人の経営するところの方が

安定しているよね」

 

………

 

いかがでしたか?

週5全力で働き、休日は全力で遊ぶ。

メリハリをつけたニュージーランド流の生活でした。

 

快く取材を引き受けてくださった哲さん、

ありがとうございました!

 

次回は、10月末に南島ダニーデンにて行われる

『NZ8ボール選手権』の様子をお届けします。

 

…………

 

※岡﨑智也さん寄稿その1:

『NZオープン』参戦記

 

※寄稿その2:

NZ最大級ビリヤード場、

Pool & Bluesに行ってみた【前編】

 

※寄稿その3:

NZ最大級ビリヤード場、

Pool & Blues、に行ってみた【後編】

 

※寄稿その4:

NZトップ選手、マットとモルルディーに聞いてみた【前編】

 

※寄稿その5:

NZトップ選手、マットとモルルディーに聞いてみた【後編】

 

 

 

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