男女両部門とも中国勢がタイトルを獲得した
今年の『全日本選手権』。
JPBA勢最高位は、
男子の部3位の羅立文でした
(女子の部は梶谷景美の5位タイ)。
大会を終えて数日経った
羅プロの談話を以下でお届けします。
…………
羅プロは準決勝で
党金虎(中国)に敗れましたが、
そこに至るまでに、
郭柏成、T・ホーマン、A・ヤップ、
張玉龍といったトッププレイヤー達を相手に
ハイレベルなプレーを展開していました。
今回の3位という結果は、
全日本選手権参戦10回目での最高記録。
本人は「もっと上に行けなかったことが
悔しいです」と語りますが、
あの大舞台でいつもと変わらず淡々と
精密なプレーを展開する姿を目の当たりにして、
「さすがは羅立文」と頼もしく
感じていた人も多かったと思います。
…………
Lo Li-wen
1978年7月10日生
台湾出身・神奈川県在住
JPBA43期生
JPBA年間ランキング1位・1回(2010年)
『全日本14-1選手権』優勝4回
『北海道オープン』優勝3回
『関東オープン』優勝3回
『グランプリイースト』(GPE)では通算12勝
2010年『USオープン10ボール』準優勝
2015年~2017年『アジア選手権』3連覇
2016年『ワールド14-1』3位
他、優勝・入賞多数
神奈川県横浜市『POOL LABO』代表
Supported by UK Corporation
使用キューは『ZEN』(ゼン)
…………
――全日本選手権で3位入賞。
ご自身の率直なお気持ちは?
「準決勝が終わった直後は
とても悔しかったです。
あまり顔に出さないようにしてましたけど、
本当に悔しかったですね。
せめて決勝戦に行きたかったな
というのが正直な気持ち。
そしてやっぱり優勝したかったです。
3位ではとても満足出来ませんでした。
準決勝では3回シュートミスをしました。
明らかにそれが敗因で、自分が悪いので
反省するしかありません。
でも、試合会場で応援してくれた方々、
選手仲間、スポンサーさんや家族は、
3位という成績を残したことを
讃えてくれましたし、喜んでくれました。
フミ(羅立文)にとって
この3位という結果は
全日本選手権での最高成績なので、
今は自分を褒めてあげても
良いのかなと思っています。
今年は全日本選手権が最終戦ではなくて、
あと一つ試合があります
(12/8『GPE-8』)。
そこに向けてもう気持ちを切り替えていますし、
精神的にも落ち着きを取り戻しました」
――以前羅プロが語っていたように、
今回の全日本選手権では、
もともとの安定感と精度の高さに加えて、
テンポの良さも感じられました。
「はい。常にずっと速めのテンポで
撞き続けていたということではないですが、
場面に応じてプレーリズムの
バランスを取ることを心掛けていました。
例えば、自分がリードしていて
配置がオープンな時は、
あまり慎重になりすぎずに、
ノリで撞いて良いショットはノリで撞く。
反対に、競った展開や悪い流れの時、
配置が難しい時は、以前からの
フミの特徴である丁寧なプレーで
我慢強く撞く。
今回はその緩急のバランスを
上手く取れたと思いますし、
それが3位になれた理由の一つだと思います」
――新しいスタイルの構築には
以前から取り組んでいましたね。
「そうですね。
1年ぐらい前からやってましたけど、
お店(経営している横浜『POOL LABO』)や
レッスンのことなどで
忙しかったということもありますし、
だいぶ苦労しましたね。
でも、11月初旬の『GPE-7』(優勝)で
良い手応えがあって、そのままの流れで
全日本選手権に入ってこられたと思います。
全日本選手権は皆がよく言うように、
独特な緊張感があって、テーブル
コンディションに合わせられなくなったり、
思うように撞けなくなってしまう舞台ですが、
そういう難しい場所で
新しいスタイルでプレーして、
3位まで勝ち進めたことは嬉しく思います」
――全日本選手権は羅プロにとっても
特別な大会ですか?
「はい、もちろんです。
日本国内で一番大きいですし、
毎年だいたい最後に行われていますから、
当然誰もが一年の締めくくりと考えて、
あの素晴らしい舞台で少しでも
良い球を撞きたいと願っている。
その気持ちはフミも全く同じです」
――今年が全日本選手権参戦10回目でした。
これまで10回全て決勝シングルトーナメントに
残っています。
「それは自分の強みである、
安定感あるプレーが出来ていたからだと思います。
ただ、それだけではさらに上に行くのは
厳しいだろうなと前から思っていました。
特に勝者ブレイクのフォーマットでは。
それでプレースタイルを見直したり、
技術面を強化する必要があると思って、
取り組んできました」
――技術面は、例えばどんなところですか?
「ブレイクとシュートです。
つまり、攻撃力をもっと上げていかないと
世界のトップレベルでは勝てないです。
メンタル面や戦略的な部分は
基本的にはこれまで通りの取り組み方で
良いと思っていますが、
ブレイクとシュートはもっと
強化しないといけないと思っています」
――次の試合は1週間後(12/8)の
グランプリの最終戦です(『GPE-8』)。
「今年最後の国内プロ公式戦なので、
2019年を最高の形で締めくくりたいですね。
大会前のGPEランキングで、フミは2位で、
1位の大井(直幸)プロとは60ポイント差。
自分にもまだ2019GPEランキングMVPの
チャンスがあります(※BD註:
JPBA年間統一ランキングとは異なります)。
出来れば、決勝ラウンドで大井プロとの
直接対決を制した上で自分が優勝して、
MVPも獲得出来たら、
最高のエンディングになりますね(笑)」
――最後に、応援してくれた方々へ一言。
「いつも応援してくださっている
ファンの方や、スポンサーさん、
POOL LABOのお客さんや生徒さん、
家族の皆に感謝しています。
おかげさまで、全日本選手権で
3位に入ることが出来ましたし、
このプレースタイルでさらに
自信を深めることが出来ました。
今からもう来年の試合が楽しみです。
その前にあと一つ、
2019年最後の試合、『GPE-8』があります。
ぜひ多くの方に、
会場(バグース六本木店)に
足を運んでいただければ嬉しく思います。
そして、試合の合間や試合後などに
フミに遠慮なく話し掛けてください。
皆でGPE-8を楽しみましょう」
(了)
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