今年(2019年)4月から
ニュージーランド(NZ)に滞在している、
ビリヤード好きの京大生・岡﨑智也さん
(※現在は休学中)。
今回は、日本のビリヤードファンが
NZに行った時に役に立つ、
NZ流ビリヤードの楽しみ方を
まとめていただきました。
…………
岡﨑智也・記
皆さん、こんにちは! 岡﨑です。
この寄稿もなんと6回目になります。
毎回読んでくださっている方、
ありがとうございます。
さて今回は、ニュージーランド(NZ)の
ビリヤード文化のお話です。
所変われば品変わる。
日本に様々な文化があるように、
ここNZにも様々な文化があります。
もし皆さんがNZに来て、
さあビリヤードをするぞとなった時、
この記事を読んでいれば慌てずに済むでしょう(笑)。
ぜひご一読の上、NZへお越しください!
…………
【ビリヤード場までの交通手段】
さあ、ビリヤード場に行きましょう。
街中ならバスや徒歩で構いませんが、
郊外にあることの多いビリヤード場へは車が便利。
特にNZは、車がないと不便な生活を強いられます。
日本の都心部ほどには、
公共交通機関が発達していないためです。
僕の通っている『Pool & Blues』には、
Matt(マット・エドワーズ)と
MK(モルルディ―・カセンチャヤナン)という
ワールドクラスプレイヤーが2人もいるので、
1〜2時間かけて通ってくる人も。
…………
【入店】
車でビリヤード場に到着、早速中へ。
日本のいわゆる「玉屋」だと
お店に預けているキューを取って……
となるところですが、ちょっと待ってください。
日本でよく見る
「壁にずらっとキューがかけられている光景」は、
NZではお目にかかれません。
そう、NZには預けキューのシステムはありません。
自分の相棒は肌身離さず持ち歩く。
それがNZ流です。
…………
【テーブル】
日本ではラシャの色は緑が多いですが、
こちらは水色に近い青が多いです。
「Pool(プール)」と言うくらいですからね。
泳ぐプールに似ていると思いませんか?
(※Poolの語源は諸説あります)。
…………
【練習】
店員さんからボールをもらって、
言われた番号の台に行きます。
一人で来た時は何を練習しましょう?
センターショット? ボウラード?
どちらもNZでは一般的ではありません。
こちらでは、決まった配置のドリルや
8ボールの一人撞きを
やっている人が多い印象です。
特に8ボールは
シュート力、ポジション力はもちろん、
トラブル解消やセーフティの戦術も多いので、
満遍なく力を伸ばすことができます。
…………
【ラック】
「台貸し」(1台1時間いくら)の料金体系なので、
もし2人以上だったら相撞きがおトクです。
相撞きの種目はもちろん8ボール。
ラックを組もうとラックシートを探します。
が、どこにも見当たりません。
そう、ラックシートは備え付けではありません。
使いたい人は店員さんに言って貸してもらうか、
自分で買って持ち歩きましょう。
ただ、こちらの人は
練習ではラックシートはあまり使わず、
木ラックを使うことが多いです。
一方で公式戦ではラックシートを使うことが多いです。
ちなみに、ラックシートは英語で
「Magic Rack(マジック・ラック)」だそうです。
「ラックシート」と言っても通じませんでした。
…………
【スコア】
相手が8番を入れて、1点取りました。
あなたはスコアを入れようとします。
が、スコアボードが見当たりません。
スコアが書けるような場所がありません。
そんな時は、コインを使います。
短クッションの中央のポイントに
両プレイヤーのコインを置いておき(計2枚)、
どちらかが1点入れるごとに、
コインをクッションに沿って
短クッション→長クッションと
ポイントごとに1個ずつ動かします。
時計回りか反時計回りか。
自分のコインがどちらかを覚えておけば、
ポイント数を数えることで
スコアがわかるという仕組みです。
…………
【タバコ】
喫煙者の皆さんは、ビリヤードをしていると
一服したくなるかもしれません。
ですが、お店の中は法律により完全禁煙。
タバコを吸われる方は屋外の喫煙所へ。
あくまでも個人的な印象になりますが、
日本と同じくNZのビリヤードプレイヤーの
喫煙割合は、一般人と比べて高いと思います。
にもかかわらず、
NZのビリヤード場が「大人の遊び場」として
クリーンなイメージがあるのは、
屋内完全禁煙が大きな要因の一つに
なっているからではないでしょうか。
そのおかげで、日本でビリヤードにつきものの
マイナスイメージは一切ありません。
女性や子供連れの方でも気軽に入店できます。
…………
【飲酒】
タバコはダメですが、お酒はOKです。
特に金曜日や土曜日の夜ともなると、
1台に4人や5人が集まってピッチャーでビール、
という光景も珍しくはありません。
僕がこちらに来て驚いたのは皆が飲む量。
1人でジョッキの3杯や4杯は当たり前で、
中には10杯以上飲む人も。
もはや飲みかビリヤード、
どちらがメインなのかわかりません。
ちなみに、試合でも飲酒はOKです
(禁止の試合もあります)。
この寄稿シリーズでも何度かご紹介している
マイク・ボーウェンとの初対面、
初めて『NZ10ボール選手権』で当たった時に
ビール瓶を持って現れた彼の第一声は、
「おう、遅れてすまねえ。きみも飲むか?」
だったのは衝撃的でした(笑)。
…………
【試合】
試合つながりで、試合における
日本とNZの様々な違いもご紹介します。
まずはバンキング。
日本だとフット側からですが、
こちらではヘッド側からやります。
そもそもWPAルールでは、
「バンキングはヘッド側のキッチン内から」
ということになっているので、
これは日本が独自と言えるかもしれません。
面倒くさがりの人だとバンキングをせず、
コインを投げてその表裏で決めることもあります。
そして試合の始めと終わりには必ず握手をします。
女性同士だと抱擁をすることもあります。
日本だと「お願いします」
「ありがとうございました」の一言だけで
済ます人も多いのではないでしょうか。
こちらでもそういった挨拶はあって、
始めは「Good game」や「Nice one」
(どちらも「良い試合をしよう」の意味)、
終わりには「Thank you(ありがとう)」や、
負けた相手が勝った相手に向けて
「Good luck for your rest(残りの試合も頑張ってね)」と
言葉をかけたりします。
そして負けた人は、そのテーブルで行われる
次の試合用にラックを組みます。
最初に見た時は「練習でもするのかな?」と
思ってしまいました(笑)。
そしてNZの良いところは、ほぼ全ての公式戦で
負けた人用の「裏トーナメント」があること。
決勝トーナメントに上がれなかった人が参加でき、
1位にはエントリーフィーが
返ってくるくらいの賞金が出ることも。
「せっかく安くないエントリーフィーを
払ってもらったし、1日楽しんでもらいたい」
というNZPA(NZ Pool Association)の
意向があるのかもしれませんね。
…………
さて、帰国の日が近付いてきたため、
この寄稿も次で最終回となります。
次回はBCAリーグ
(日本でのJPAのようなもの)のNZ最終予選、
ラスベガス行きをかけた試合の様子をリポートします。
次回もお楽しみに!
(了)
…………
岡﨑さん、今回もありがとうございました。
※岡﨑智也さん寄稿その1:
※寄稿その2:
※寄稿その3:
※寄稿その4:
※寄稿その5:
※寄稿その6:
※寄稿その7:
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