先週末の『関西オープン』で
大会2度目の優勝を飾った、
羅立文プロの談話をお届けします。
前回羅プロが優勝したのは2010年。
その時の決勝ラウンド会場は
『マグスミノエ』でした。
2013年から決勝ラウンド会場が
『玉出ビリヤードACE』に
移っていますが、それ以降羅プロは
3位ばかりだった(5回)ということで、
玉出ビリヤードACEでの初めての優勝を
とても喜んでいました。
…………
Lo Li-wen
1978年7月10日生
台湾出身・神奈川県在住
JPBA43期生
JPBA年間ランキング1位・1回(2010年)
『全日本14-1選手権』優勝4回
『北海道オープン』優勝3回
『関東オープン』優勝3回
『関西オープン』優勝2回
『グランプリイースト』(GPE)では通算13勝
2010年『USオープン10ボール』準優勝
2015年~2017年『アジア選手権』3連覇
2016年『ワールド14-1』3位
他、優勝・入賞多数
神奈川県横浜市『POOL LABO』代表
Supported by UK Corporation
使用キューは『ZEN』(ゼン)
…………
――優勝のお気持ちを。
「10年ぶり! すごく嬉しいです。
10年前に優勝した時は、
決勝トーナメントの会場が
『マグスミノエ』さんでした。
会場がここ(『玉出ビリヤードACE』)に
移ったのが2013年。
それから去年(2019年)までの7年間で、
3位タイが5回もあります(笑)。
早くこの会場で優勝したいと思ってました」
――勝因は?
「昨年からずっと、
球のコンディションを高いレベルで
維持できていることだと思います。
うちのお店(横浜『POOL LABO』)で、
昨年から杉山功起アマ
(2019年『アマローテ』優勝)に
レッスンをしていて、それが自分にとっても
良い刺激になっています。
言葉にして伝えることで、自分も復習出来ますし、
もう一度よく考えることになります。
杉山選手が規則正しい生活を送れるように、
プレー以外のことについても
アドバイスをしています。
もう父親代わりになってますね(笑)。
彼は球質が良いし、まだまだ伸びますよ。
人に厳しくする以上、自分がゆるかったらダメ。
自分にも厳しくなることで、
生活にメリハリが出て、
質の高い練習が出来ていると思います。
もちろん、他の生徒さんにレッスンを
する時間、お店を見る時間、
家族で過ごす時間などもあるので、
毎日忙しいですけど、そういう状況で
優勝出来たことが本当に嬉しいですし、
自分にとってこの優勝は
とても価値のあるものだと思います」
――ベスト16からの4試合を振り返ると?
「ベスト16(vs 北谷好宏)は厳しい試合でした。
ブレイクがなかなか決まらず、
すごく苦しい展開になりましたけど、
諦めずに撞き続けていました。
終盤には少しラッキーもありました。
ベスト8(vs 早瀬優治)と
準決勝(vs 川端聡)も相手に先行される
苦しい試合でしたけど、逆転出来て良かったです。
決勝戦は自分が先に7-1まで走る展開になって、
少しだけ『もう大丈夫かな』と
思ってしまいました。
ああいう展開になると、どうしても
ちょっとだけ欲が出てきてしまうんですよね。
でも、余計なことを考えたら
やっぱりダメになりますね(苦笑)。
赤狩山プロに1点差まで(7-6)まで
追い上げられましたけど、
最後はまた気持ちを整えて、
2ラックを取り切ることができました」
――第14ラック、赤狩山プロは1番で
プッシュアウト。羅プロが遠い1番を入れて
順下2クッションで3番へきれいに出しました。
あのショットは見事でした。
「難しい球だったけど、時間をかけて
完全に心を決めてから撞くことができました。
すごくよく撞けたと思います。
今日はショットクロック(タイムルール)が
なかったですし、正直に言えば、
2019年の後半にお見せしたような、
『新しい羅立文スタイル』より
全体的にスローなリズムだったと思います。
でも、今日のこのルールとこの環境、
そして決勝戦終盤のあの場面で、
自分が一番力を出せるリズムがあれでした。
妥協せずに考えて、しっかり間を取って
撞くことが出来た。そこは自分を褒めたいですね」
――ラストラックは1番のセーフティ合戦からの
取り切りでした。緊張感は?
「だいぶありました。
赤狩山プロとは昨年(2019年)何度も
当たっていて、3回フミが勝った後に、
3回赤狩山プロが勝っています。
その3試合の負け方が毎回同じで、
こちらが5、6点ぐらいリードしていたのに、
ヒルヒルで逆転されてしまうというのを
繰り返してました。
なので、それはちょっと意識していたし、
自分が先行している時に、
『またあの流れになるかもしれない』と、
少しだけ怖さも感じていました。
でも、以前と比べると、
ネガティブ思考になりそうな時に
意識を切り替えたり、
リセットしたりすることが上手く
出来るようになってきたかなと思ってます」
――たしかに試合中や試合の合間の
表情が年々穏やかになってきていますね。
「今は苦しい時は意識的に笑顔を
作るようにしています。そうすることで
感情のリセット効果があると思います。
ビリヤードは運に左右されやすい競技。
自分の運勢が良い時もあるし、
相手がツイてる時もある。
明らかに相手に流れが向いている時に
どうやって気持ちを落ち着けるか、
ネガティブにならないようにするか。
それが良いパフォーマンスを
発揮するために大事なことだと思います。
POOL LABOの生徒さんに
そんなレッスンをすることもありますけど、
自分が出来るようにしないと
説得力がないですからね(笑)」
――わかりました。
最後に2019年の感想と、
2020年の目標をお聞かせください。
「2019年は色々な壁を乗り越えた1年でした。
自分のお店が1周年を迎えて(2019年7月)、
だんだん落ち着いてきました。
9月頃からまた少しずつ競技活動に
集中できるようになって、
球のコンディションも上がっていき、
2019年の秋から成績もまた良くなりました。
でも、どれも自分一人では出来なかったことです。
みんなで力を合わせて
大きな壁を乗り越えた感覚があります。
スタッフ、家族、お客さん、生徒さんなど
支えてくれた皆さんに感謝しています」
――今年の目標は?
「1年のスタートを関西オープン優勝という
最高の形で切ることが出来ました。
昨年からずっと良い流れの中にいると思いますので、
このまま羅立文らしいプレー全開で
もっともっと良い成績を出したいです。
積極的に海外遠征にも挑戦します。
レッスンにもさらに力を入れていきますので、
ぜひPOOL LABOで日台ハイブリッドの
ビリヤードメソッドを体験してください。
ワンポイントアドバイスはいつでもOKなので、
まずは気軽に遊びに来てください。
一緒にビリヤードについてたくさん喋りましょう」
(了)
※関西レディースオープン優勝の
河原千尋プロの談話はこちら。
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