昨年(2019年)、
ニュージーランド(NZ)に滞在していた、
ビリヤード好きの京大生・岡﨑智也さん。
今年(2020年)1月に
岡﨑さんは日本に帰って来ました。
それに伴いNZからの寄稿シリーズは
2月に終了……したのですが、
その後、岡﨑さんも親交のある
NZトッププレイヤー、マット・エドワーズが
コロナウイルスに感染したり、
ビリヤード場で遊べないプレイヤー同士が、
自宅のビリヤードテーブルを活用して
オンライン対戦を始めるようになったりと、
NZプール界にも様々な動きがありました。
そういったNZ事情を、
岡﨑さんにまとめていただきました。
…………
岡﨑智也・記
皆さん、こんにちは! 岡﨑です。
新型コロナウイルスが猛威を振るう中で、
ビリヤードイベントも中止や延期になるなど、
気落ちさせられることが続いていますね。
早く元通りの生活を送ることができるよう
祈るばかりです。
さて、私が滞在していた
ニュージーランド(NZ)にも
新型コロナウイルスの波は押し寄せており、
4月13日の時点でのNZの感染者数は1349人、
死者数は5人となっています
(NZの人口は500万人)。
また、3月24日には緊急事態宣言が発令され、
翌3月25日から4週間の
ロックダウン(都市封鎖)を実施。
外出は必要最低限に制限されることとなりました。
↑写真提供:宮腰哲さん
スーパーマーケットでは入場制限を実施。
入場のために並ぶ人たちも
お互いに2mの間隔を空け、
「social distancing」を徹底しています。
…………
そのような情勢の中で、
3月23日に、NZトップ選手である
マット・エドワーズ(Matt Edwards)が、
新型コロナウイルス陽性であると
自身のFacebookで発表しました。
私が知りうる限りでは、
ワールドクラスのプールプレイヤーの中で
初の感染ケースではないかと思います。
3月中旬にラスベガスで開催された
『ラスベガスオープン』(10ボール)に
参戦していたマット。おそらくその会場か
空港で感染してしまったのでしょう。
陽性と診断された日の動画では、
「帰国後から14日間の自己隔離を実施している」
と語り、
「その中で症状が出たため検査を行ったところ
陽性反応が出た」と説明しています。
また、
「お金をたくさん費やして練習もたくさんして、
唯一得たのはコロナウイルスだ」
と自虐的に語る場面も。
その後は新型コロナウイルスへの
危機意識を高めるため、
快復までの9日間、毎日動画を通じて
メッセージを発信し続けていました。
そして3月31日には
「完全快復した」と発表しています。
…………
さて、緊急事態宣言の発令により、
現地のビリヤード場も休業しています。
そういった状況の中、
マットが経営するビリヤード用品会社
『Excellence Billiards NZL』が
新たな取り組みを始めました。
その名も『NZ Lockdown Challenge』
(ロックダウンチャレンジ)。
自宅に9フィート台を持つプレイヤーを対象に、
オンライン対戦を行おうという企画です
(※試合はExcellence Billiards NZLの
FBページで視聴できます)。
フォーマットは1球1点の9ボール。
9番のみ2点とし、100点先取で実施しています。
ブレイク後、手球フリーから番号順に
取り切り開始。そこからミスするまで
入れたボールの点数を加算していきます
(9番まで取り切れば10点、
8番まで取り切れば8点、といった具合)。
お互いが1ラックずつ行い、先に100点に
到達したプレイヤーの勝ちとなります。
記念すべき初回は、
北島オークランド在住の
中堅プレイヤー「マハール(Maher)」と、
南島クイーンズタウン在住の
トッププレイヤー「サイモン(Simon)」が対戦
(※試合映像はこちら)。
2019年の『World Cup Of Pool』に
出場経験があり、数多くの
国内タイトル獲得歴があるサイモンが、
14ラック目に
100-75のスコアで勝利しています。
実況および解説はマットが担当。
手球のポジションなどについて解説しています。
試合後のインタビュー(↑)では、
「こういった形式の試合は将来性を大きく秘めている」
「オンライン対戦のトーナメントも考えている」
と語ったマットに対し、
サイモンが「自宅にビリヤード台がありながら
トーナメントに出場する勇気が出ない人にも
練習の場として有効だ」と口にする場面も。
現時点でこの
『NZ Lockdown Challenge』は毎日実施。
4戦目にはオーストラリアのトッププロ、
ジェームズ・ジオジャディス
(James Georgiadis)も参戦していて、
国境を越えてビリヤードの対戦が
できることも証明しています。
↓4戦目の動画
…………
また、この取り組みに
影響を受けてかはわかりませんが、
ヨーロッパのトップ選手である
デニス・グレイブ(Denis Grabe。エストニア)と、
フランシスコ・サンチェス・ルイス
(Francisco Sanchez Ruiz。スペイン)が
似たようなフォーマットで
オンライン対戦をしていました。↓
欧米やオセアニアでは
ビリヤード台を置いている家は
それほど珍しくはありませんが、
この環境は日本ではなかなか
作り出せないと思います。
しかし、お互いが遠く離れていたとしても
対戦することを可能にするこのシステム。
例えば、ビリヤード場にカメラを設置し、
インターネット環境に繋ぐだけで、
日本全国や海外のプレイヤーと対戦できる。
そんな可能性が広がるのではないでしょうか。
個人戦はもちろん、
店舗対抗戦のような形式も良いでしょう。
新型コロナウイルスの収束後、
ビリヤード業界がこういった新たな波に乗って、
活気を取り戻すことを願っています。
(了)
…………
岡﨑さん、今回もありがとうございました。
『NZ Lockdown Challenge』は、
アナログ競技をテクノロジーで拡張する、
とても発展的な試みだと感じました。
withコロナ、afterコロナの世界での
ビリヤード場の営業形態や、
ハウストーナメントなどの開催の仕方が
どう変わっていくのか、
その予測は現時点では難しいですが、
他人との接触を最小限に留めながら
遠隔地の相手とも試合が出来るこのやり方は、
大きなヒントになるような気がします。
…………
※岡﨑智也さん 寄稿その1:
※寄稿その2:
※寄稿その3:
※寄稿その4:
※寄稿その5:
※寄稿その6:
※寄稿その7:
※寄稿その8:
※寄稿その9:
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