〈BD〉6畳間に改造テーブルがやってきた。田辺トシノさんの例

 

ビリヤードファンも

「なんだ!?」と驚くテーブルの登場です。

 

こちらは個人宅の6畳間に設置された、

「9フィートテーブルをベースにした改造台」。

 

特異なポイントがたくさんあり、

頭が混乱しつつもワクワクします。

 

5月のある日、施工現場に少しだけお邪魔し、

後日電話でお話をうかがいました。

 

…………

 

テーブルオーナーは田辺トシノさん。

 

神奈川県川崎市の静かな住宅街にある

一戸建てにお住まいです。

 

『パラダイス たまプラーザ店』をはじめ、

近隣のいくつかのビリヤード場で

プレーを楽しんでいましたが、

 

4月に入り、コロナウイルス感染症拡大に伴い、

営業を自粛するお店が増えてきたので、

田辺さんは撞く場所を作ろうと考えました。

 

日本のビリヤード場でよく見る

一般的なサイズのテーブル、

「9フィート台」を置くには、

17畳ほどの広さが必要と言われています。

 

「自宅にそんなスペースはないので、

はじめはテーブルをレンタルして、

別の物件を借りてそこに置こうかと考えました。

でも、それはさすがに不経済なので、

自宅に置くことを前提に考えようと。

 

この部屋は6畳ですが、

『練習用と割り切って片側から撞ければ十分』

ぐらいの気持ちで、

どんなテーブルなら置けそうなのか

NEW ARTさんに相談してみました」

(田辺さん)

 

田辺さんが求めていたのは、

『ボールをはじめ公式競技用の環境

(クッション・スレート・ラシャ)に

触れている感覚』が味わえて、

『最低限手球を真っ直ぐ転がす練習』が

出来るテーブル。

 

コンパクト・軽量な

ファミリーテーブル(5フィート)も

一瞬考えたそうですが、

ボールサイズが公式球より小さい

ということで候補から外れました。

 

NEW ARTとの相談の中で、

「9フィートテーブルをカットする」

というアイディアが出てからは、

急ピッチで話が進んだそうです。

 

もともと9フィートテーブルは

3枚のスレート(石板)を繋いで

プレー面を形成していますが、

そのスレートを「2枚にしてみよう」

というのが改造のコンセプト。

 

短クッションの長さはそのままで

長クッションの長さが2/3になります。

 

「NEW ARTのご担当の方も面白がって

すぐ改造に取り掛かってくれて、

画像で様子を知らせてくださいました。

『サイドポケットを活かしておいた方が

練習の幅が広がるかと思います』

というご提案もいただいて、

使うスレートは端のスレート1枚と

中央のスレートになりました」

 

このテーブルは正方形では

ありません(1970×1610mm)。

また、中央のスレートの角を2箇所カットし、

コーナーポケットを新設しています。

 

この特殊な寸法とポケット位置に合わせて、

クッションレールとスカートも改造しています。

 

……というところを踏まえて、

以下、設置風景の画像をお楽しみください。

 

※NEW ARTでは訪問に際して

以下の事項に注意して施工を行っています。

検温(平熱確認)

・マスク着用

・アルコール消毒(持参)

・換気

・お客様との接触をなるべく控える

・状況に応じて手袋を着用

 

 

テーブルメンテナンススタッフさんも、

BDも「6畳間にビリヤードテーブル」は

初めてのケース。

 

着々と組み上がっていく様に、田辺さんも

「ホントにここに置けるものなんですね。

なんだか楽しくなってきました」

と笑顔を見せていました。

 

組み終えてからテーブルを部屋の

隅の方へ移動し、再度水平を調整して完成。

 

コーナーポケットの穴幅は

「ボール約1.8個分」と

かなりタイトにセッティングしています。

 

14-1が好きだという田辺さん。

14-1で多用するショート~ミドルレンジの

球の多くは、このテーブルで

十分に練習できるでしょう。

 

 

後日しばらくして、

田辺さんに連絡を取ってみました。

 

「あれから毎日撞いています。

 

長時間まとめて撞くというよりは、

朝起きてまず撞いて、

何かが一区切りついたらまた撞いて……

というように、ちょこちょこ撞いています。

それもまた、生活の中にビリヤードが

組み込まれている感じがして良いですね。

 

人前でずっと単純な反復練習をやったり、

キューバランスやタップをいじりながら転がしたり、

動画を見て気付いたことをパッと試したりするのは

気恥ずかしいこともありますけど、

テーブルが家にあると気兼ねなくできます。

まだ1週間ぐらいしか経ってないですが、

テーブルを置いて良かったなと思います。

 

うちの子供達も喜んで遊んでくれてます。

ここでフォームとか撞き方を覚えてくれたら、

いつか一緒にビリヤード場に行った時にも

すぐにゲームが楽しめるんじゃないかと思います。

 

もちろん私も人と撞くのは楽しいので、

ここで球の感覚を維持しておいて、

自粛期間が空けたらビリヤード場で

相撞きを楽しみたいです」

 

田辺さん、これからもマイテーブルライフを

存分に楽しんでください。

 

…………

 

写真提供:NEW ART
写真提供:NEW ART

 

さらにこの取材の後、

田辺さんはNEW ARTスタッフにお願いして

テーブルの向きを90度変更したとのこと。

 

「こちら向きの方が、現実のゲームで

出てくる配置をより多く練習できそうです」

 

前例のないテーブルと設置環境ですので、

オーナー視点で実践的な知識を

深めていただければと思います。

 

…………

 

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