〈BD〉現女子9ボール世界チャンピオン、ケリー・フィッシャー、『ビリヤード栄誉殿堂』(BCA Hall of Fame)入り決定

 

本日(7/14)、

BCA(The Billiard Congress of America)が、

今年(2020年)の『Hall of Fame』

(ビリヤード栄誉殿堂)入りの

人物を発表しました。

 

Hall of Fameには、

目覚ましい戦績を残してきたプレイヤーや、

ビリヤードの発展・普及に貢献した

業界関係者が選ばれます。

 

(※プレイヤーの場合、40歳以上で

プロキャリア10年以上が条件です)。

 

毎年一度、BCAメンバーの投票により

殿堂入りの人物が決まります。

今年は1名だけとなりました。

 

2019年までに77名が殿堂入りし、

その約7割がプレイヤーです。

BCAが選ぶものなので、

アメリカンプール寄りな人選です。

 

BD読者お馴染みの、

ポケットビリヤードの世界王者たち――

E・レイズ、E・ストリックランド、

F・ブスタマンテ、D・アプルトン、

J・アーチャー――なども選ばれていて、

 

昨年(2019年)は

A・パグラヤンが選出されました

(※歴代のホール・オブ・フェイマーはこちらから)。

 

…………

 

そして今年(2020年)は、

 

昨年(2019年)12月に

女子9ボール世界選手権』で

2度目の優勝を飾った、

ケリー・フィッシャー

(Kelly Fisher。41歳。イギリス)が選出。

 

ケリー・フィッシャーは、

1997年から2003年にかけて、

女子トップスヌーカープレイヤーとして

イギリスを中心に活躍。

 

その後、同じくスヌーカー出身で

プール(ポケットビリヤード)に

移った先輩プレイヤー、

アリソン・フィッシャーと

カレン・コー

(※この両選手も殿堂入りしています)の

経歴をなぞるようにして、

 

2004年(25歳時)にプールに転向し、

アメリカ(女子プロツアー『WPBA』)を

主戦場にします。

 

ケリー・フィッシャーは

WPBAでもすぐに頭角を現し、

2008年にはWPBAランク1位に。

 

2011年に『女子10ボール世界選手権』優勝、

2012年に1度目の

『女子9ボール世界選手権』優勝と、

輝かしいキャリアを築きます。

 

しかし、2014年に心臓病の手術をし、

1年後には乳房切除をするなど、

競技活動の一時休止を余儀なくされました。

 

2015年頃から競技に復帰し、

以前のように様々な大会で上位争いを続け、

遂に昨年(2019年)

『女子9ボール世界選手権』で2度目の優勝。

 

……というのが彼女の競技半生です。

 

Billiards Digest誌のFBページでは

彼女の喜びの声が報じられています。

 

 

ケリー・フィッシャーのコメントを

拾い読みすると……、

 

ケリー・フィッシャー談:

 

「この気持ちを言葉にするのは難しい。これは一つのトーナメントではなく、これまでに築いてきた全ての業績へのご褒美です。“プレイヤーオブザイヤー”を獲得することは素晴らしく、“プレイヤーオブザディケイド”(10年)に輝くのはさらに素晴らしい。しかし、この殿堂入りは全く別次元のものです」

 

「2004年にアメリカに来てから、他のプレイヤーたちが殿堂入りするのを見てきました。彼らは長く活躍し、たくさんのタイトルを獲っていました。そのレベルに到達できるかどうか当時の私は疑問に思っていたんです。でも、年を重ねるにつれて、殿堂入りは現実的な目標になりました」

 

「昨年(2019年)の『9ボール世界選手権』の優勝は自分にとって大きな意味を持っています。40歳を超えたけれど、プレーの質は高く、自分はまだ戦えると思っていました。でも、決勝戦の前はかなり緊張していて自分でも驚きました。何度も決勝戦を経験していますが、世界選手権という舞台では、この先あと何回こんなチャンスがあるのかわからないですから」

 

…………

 

ケリー・フィッシャーの

殿堂入りセレモニーは、

今年10月30日にアメリカ・バージニア州

ノーフォークで行われます。

 

例年通り、『インターナショナルオープン』

(旧USオープン)の会期中に、

会場のあるホテルで行われる予定ですが、

今年は難しいかもしれません

(まだインターナショナルオープン側は

大会開催の可否について発信していません)。

 

ちなみに、今年ケリー・フィッシャーは、

他を圧倒する得票率(70%)で

選ばれたそうです。

 

他の有力候補は、D・オルコロ、

T・ホーマン、C・デュエル、N・フェイエン

という面々だったとのことです。

 

 

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