〈BD〉極上の撞き味を今ここに。牛革積層の『BIZEN TIP』(ビゼンタップ)、8月20日一般発売開始!

 

すでにこのタップの名を、

土方隼斗プロと平口結貴プロ(JPBA)の

YouTubeやSNSなどで

目にしていた人も多いと思います。

 

あるいは、すでにもう

使い始めている方もいるでしょう。

 

かつての極上の牛革一枚革タップを

思わせる打感と音を兼ね備えた

メイドインジャパンの牛革積層タップ、

『BIZEN TIP』(ビゼン)が、

 

8月20日(木)に

公式サイト上で一般販売開始。

https://bizen.store/ ←8/20にサイトオープン

 

開発者である苫野裕氏からお聞きした

製作ヒストリーやタップの特性を中心に、

ビゼンの概要をお届けします

(次回はプロたちのコメントを紹介予定)。

 

※取材協力:イナホビリヤード(東京・早稲田)

 

…………

 

天面印刷有り=ウッドシャフト用(6枚積層)
天面印刷有り=ウッドシャフト用(6枚積層)
天面印刷無し=カーボンシャフト用(8枚積層)
天面印刷無し=カーボンシャフト用(8枚積層)

 

まず、ビゼンの仕様は以下の通りです。

 

名称:BIZEN TIP(ビゼンタップ)

タップ種別:牛革積層

積層枚数:ウッドシャフト用6枚/カーボンシャフト用8枚

寸法:横15mm/高さ7.5~8mm

硬度バリエーション:1種類(バリエーションなし)※後発でキャロム用タップを準備中

価格:2,500円(税別)

購入:公式サイトおよび販売協力ビリヤード場にて https://bizen.store/ ←※サイトオープンは8/20より

契約プロ:土方隼斗、東條紘典、平口結貴(以上JPBA)、鈴木剛(JPBF)

 

 

現代のタップは「豚革」の「積層」が主流。

日本には多くの豚革積層タップメーカーがあり、

海外でも人気を博しています。

 

一方、ビゼンは近年では少なくなっている

「牛革」を材料に用いたタップ。

なぜ牛革なのか。それはビゼンの成り立ちを

語る上で欠かせないポイントです。

 

ビゼンの開発者は、創業65年の

老舗ビリヤード場『イナホ』の店長であり、

東京のハイアマプレイヤーとしても

活躍している苫野裕さん。

 

 

以前からタップを触るのが好きで、

自分が使うものをいじったり、

周囲の人向けにタップをカスタマイズしていた

という苫野さんは、約4年前、

あるタップと衝撃的な出会いをします。

 

「イナホには蔵があるんですが、4年前に建て替えることになり、オーナーが片付けをしていたら『シャンピオン』(Champion)というフランスの牛革一枚革のタップがたくさん出てきて、僕に譲ってくれたんです。40~50年ぐらい前、日本のトップキャロムプロ用にストックしていたもので、中には締めたものもありました。試しに取り付けて撞いてみたら、一発で『これはすごい!』と」

 

往年の牛の一枚革タップの撞き味に

衝撃を受けた苫野さん。

「この打感と音を現代に蘇らせたい」

という好奇心が抑えきれず、

研究に没頭するようになりました。

これがビゼン開発の原点です。

 

とはいえ、厚くて良質な牛革は

今では非常に入手しづらくなっています

(※このことが豚革積層タップが生まれ、

普及した背景になっています)。

 

苫野さんは一枚革にはこだわらず、

はじめから「積層で」と考えていました。

積層にすることで個体差(バラツキ)も

生じにくくなります。

 

良縁に恵まれて、親身に相談に乗ってくれる

タンナー(皮革製造業者)が見付かり、

タップに適した牛革の目処が立った

苫野さんは、そこから約3年、

一人で試作と検証を繰り返しました。

 

「良い革をただ重ねるだけではタップとしては機能しません。革をタップにする、その製法を確立する必要がありました。ほぼそこに時間を費やしていたと言えます」

 

そうして編み出された工法が、

減圧釜で接着剤を革の細部まで浸透させ、

上下の革の繊維を結合させる「真空結合」です。

 

「この牛革の繊維は長いのですが、表面だけくっつけても繊維同士が喧嘩してしまうので、繊維同士を絡ませ合いながら減圧し、接着剤を浸透させながら結合させるようなイメージです」

 

岐阜県にある苫野さんの知人の工房で

この工法で試作したところ、

インスピレーションを与えてくれた

あのシャンピオンの発展型とも言える

タップが生まれました。

 

苫野さんはこのタップを、

自身の出身地から

「ビゼン(備前。岡山)」と名付けました。

 

しかし、この時はまだ苫野さんの頭には

商品化の構想は全くなかったとのこと。

 

「自分と周りの人達が使う分が作れたらいいやと思ってました。ところが、最近土方隼斗プロがイナホによく来てくださるようになり、試しにビゼンを使っていただいたところ、『これ、すごく良いですね。使いたいです』という反応をいただきました。そこから一気に商品化に向けて動き始めたような感じです。日本トップの隼斗プロに使ってもらうイコール、もう趣味のタップじゃないと言うか、商品にする責任がいきなり出てきたというか。駆け足で一般販売できる体制を整えました」

 

…………

 

 

こうして世に出ることになったビゼン。

 

その打感や性能について苫野さんははっきりと、

「少なくとも製作者としては、

万人向け・万能だとは思っていません。

尖った性能の、若干扱いにくい部類の

タップだと思います」と語ります。

 

ビゼンが目指したのは、

牛革一枚革タップの撞き味を軸に

さらに進化させたもの。

パラメータのバランスの取れた

現代の豚革積層タップとは別物です。

 

「ビゼンの打感は硬く、ダイレクトに手に伝わって来ます。ただ、単に跳ね返しているのではなく、少し捕まえてから離すというか。手に伝わる打感以上に噛んでくれているので、使い始めは視覚的なギャップがあるかもしれないです。スイートスポットは狭いですが、きっちり手球を捉えると抜群に切れますし、いい音が出ます。あと、ハウスチョークでもとてもよく乗ります」

 

ビゼンは車やバイクにたとえるなら

「アメ車のような尖った性格のタップ」。

得意じゃない球もあるけれど、

ハマればとてつもない力を発揮する。

そんなポテンシャルを有したタップです。

 

「今、豚革積層タップはほぼ極みの段階に入っていると思います。総合的に性能が高く、誰でも使えます。ビゼンはそこと競合するつもりはありません。むしろ『もう1本シャフトを持っていただいて、昔の一枚革タップのような極上の撞き味を楽しんでみませんか?』というご提案をしたいですね」

 

苫野さんはこう語りますが、

すでに使い始めているユーザーからは、

製作側が思った以上に

「使いやすい」「バランスがいい」

という声が寄せられていて、

「驚いています」とのこと。

 

また、タップメーカーとしては、

出来る限り個体差を抑え、同じ撞き味・

同じ性能をユーザーに届ける責務もあります。

 

「販売協力店舗様と絶えず連絡を取り、店舗様からのフィードバックを参考に一般販売前最後の調整をしたところ、カーボンシャフトと一部の硬い部類のシャフトに合う、積層枚数を増やし振動幅を抑えたタップを製作することができました。こうして生まれたのが『カーボンシャフト用8枚積層タイプ』です。このタップがそのままウッドシャフトにも合ってくれれば良かったのですが、やはりウッドシャフトにはオリジナル品である『6枚積層タイプ』が合うと我々は感じています。こんな経緯があり、2種類の積層枚数のタップを出すことになりました。ただこれはあくまで【BIZEN側からの推奨】程度に捉えていただければと思います。人によってはカーボン用8層がウッドシャフトに合うとおっしゃる方もいます」

 

果たして一般販売が開始されてから、

ビゼンはどのような評価を集めるでしょうか。

発売日は8月20日です。

 

BDでは近日、ビゼンプロスタッフである、

土方隼斗プロと東條紘典プロの

談話をお届けします。

 

 

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