私の名はDetective K。
ビリヤードキューの調査を引き受ける探偵だ。
新型コロナウィルスの影響で
事務所に引きこもっていると、
つい過去のビリヤード映像ばかり
視聴してしまう。
リンリンリン♪
うん? BDからネット通話だ。
この状況、ヤツから
仕事が来るとは思えんが……。
「K、久しぶりですね。
早速ですが来てもらえますか。」
ん? 仕事か?
「いえ、“酔爺”との対談です。
もし今年(2020年)『SBE』
(スーパービリヤードエキスポ。アメリカ)
があったらどうなっていたかを
語り合ってください。」
それは、単なる飲み会とも言えるな。
「そう言ってはミもフタもありません。
『SBE』への参加は、
お2人の経験と知識で、
今年はキャンセルとなった
『SBE 2020』を想像し、
語って欲しいのです。」
そうか、分かった。
酒とツマミはたっぷり頼むぜ。
「問題ありません。ワリカンですから。」
……分かった(苦笑)。
シーズン6の開始にふさわしいイベントだぜ。
その依頼、引き受けた!
******
SBE(スーパービリヤードエキスポ)の
概要や見どころについては、
本連載の、Season 3の
およびSeason5の
「わすれじのSBE Days」を参照されたい。
(※BD註:酔爺の2018年
レポートもあります。こちら)
今年(2020年)4月、
SBEは27回目を迎えるはずだったが、
6月、10月と二度の延期を経て、
2021年4月開催予定となった。
早いハナシ、今年は中止というわけだ。
都内某所。
BDに呼び出されたオレと酔爺は、
ソーシャルディスタンスを意識しつつ、
テーブルをはさんで向かい合った。
ビリヤード台ではない。
酒とツマミを置くためのテーブルだ。
テーマは「今年のSBEを妄想する」だが、
SBEでやることは毎年変わらない。
基本「くうねるビリヤード」しながら、
意中のキューを入手する。それだけだ。
とはいえ、今年から来年を展望しつつ、
一応マジメに対談した。
酔っているのでグダグダな部分は、
ご容赦願いたい。
******
【Day0:前日まで】
K:新型コロナがまず日本を含めアジアで広がり、その後すぐにアメリカで感染が爆発してしまった。アンタとオレで、久々に今年(2020年)は同時活動できるかと思ったが、かなわぬ夢となったな。
酔:然り。至極残念。
K:昔の我々なら、もし6月あるいは10月にSBEが開催されていたら、検疫が行き帰り2週間ずつあろうとも、行っていたかもしれない(笑)。かつては、それだけバイタリティがあった。
酔:キュー好きの我々のDNAには「そこにキューがある限り、行かねばなるまい」って刻まれている。
K:そうだ。空港からレンタカーを運転して、SBEの会場が見えた瞬間、まだ見ぬキューがそこにあるって想像してテンションMAXになる。
酔:Day0、つまり開催前日は、下見とか前夜祭がとにかく楽しみだった。キューメーカーたちと喋って、事前に情報を仕入れて、良いものは抑えておきたいという気持ち。全く旅の疲れも感じなかった。そして、まずは地元の酒屋でビールを仕入れるのが最重要任務(笑)。去年は、最寄りの酒屋の場所がわからず難儀した。
K:いわゆる「燃料」だからな。
******
【Day1:初日】
酔:Day0とDay1はとにかくテンションが高い。
K:そう、「狩人」の気持ちだ。Day1はとにかく会場内を動き回り、挨拶回りしつつ、どこに何があって、誰がいるのかを把握して脳内マップを作る。聞きなれない名前のブースには、何が埋まっているかわからないので要注意だ。
酔:地雷も多い(笑)。
K:確かに。キューメーカーであれ業者であれ、初見のブースに飛び込んで、「虹色商品」をつかまされたことは何度もあったな。
酔:ビール片手にDay 1は偵察、ひと通り会場内を回る。買い物は控える。
K:ビールは355ml缶で何本行く?
酔:7~8本は呑む(笑)。
K:飲みながら、定点観測をするためにリファレンスをしておく。
酔:そう。Day1から心惹かれるものがあった時にどうするか、葛藤は常にある。最後までこのキューは残っているだろうか。メーカーはDay4、つまり最終日に何か別のキューを出してくるんじゃないか、とかだ。
K:そう、我々はキューメーカーやディーラーに対して、「持ってるんなら、最初から出せや」といつも思う(笑)。
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【Day 2・3:二・三日目】
酔:Day 2とDay 3はトーナメントを見たり、ブースを冷やかしたり、知り合いと喋ったりとまったり過ごす。
K:会場内をふらふらしながら結局何もしない。
酔:そう、時差ボケ対策と体力回復が第一。去年はずっとキャロム台で撞いて、そこでアメリカのキャロムファンやプレイヤーと交流していた。
K:ホテルに戻って寝たら立ち直れなくなるから、オレはプロの試合を観戦しつつ、寝落ちが多い。(苦笑)。
酔:そこで、気分転換にフィラデルフィアのショッピングモールにも行く。
K:毎回土曜日と決まっているDay 3の夜は、アメリカン・キューメーカーズ・アソシエーション(ACA)のセレモニーに紛れ込んで、酒代飯代を浮かせつつ関係者と喋るというのも楽しみの一つだ。
酔:各メーカーの人気投票作品もまとめて拝めるし。知り合いばかりだから気楽な宴会だ。
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【Day4:最終日】
酔:結局のところ、財布の紐を解くのはDay 1とDay 4。Day 2とDay 3ではあまり買い物はしない。初日はいいものがあったらすぐ抑えたいし、Day 4は投げ売りがあったりするから、予算は最後まで残す。
K:そう、キューメーカーもディーラーも、持って帰るのが面倒だから残っていれば安くなる。1990年代末には、「サウスウェスト3本に3×6のウィットンケース付き」で買わないかと言われたこともあったな。
酔:「何だ、いいサウスが1本しかない抱き合わせ販売かゴルァ」と言って断ったが、今のサウス1本分の値段にもならない(笑)。
K:Day4は、午後5時にブースが店じまいする上に、最後まで迷っていたキューを買うかどうか、残金はいくらあるかを必死に考えているから、時間が経つのが早い。
酔:そして、打ち上げは会場近所の『レッド・ロブスター』でキマリ。
K:うむ。関係者がたくさんたむろしていて、「また来年」とあいさつするのに都合が良い。アメリカン・フードの味も含めて、SBEのイメージが出来上がっているな。
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……酔爺と語り合っていたら
妄想が止まらなくなってしまった。
この話、まだまだ続くぜ!
【後編】はこちら
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Detective Kについて詳しくはこちら
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