2017年4月から
ドイツはフランクフルト在住。
現地ビリヤード事情をBDに
寄稿してくださっている深尾典子さん。
今回は、深尾さんが現地で
知り合った2人のハイアマチュア選手に
インタビューをしてくれました。
…………
深尾典子・記:
Guten Tag!
ドイツ在住4年目にして
突如ドイツ語の勉強を始めた深尾です。
今回は私の周囲にいる
2人のトップアマチュアプレイヤー
(スリークッション〈3C〉と
ポケット各1名ずつ)に、
インタビューをしてみました。
彼らのビリヤードライフが
日本の皆さんの参考になれば幸いです。
まずは、3C歴30年、
ヘッセン州にて3Cのレッスンコーチをしつつ、
自身もブンデスリーガ2軍にて活躍している
ハイコー・ロートのインタビューです
(※もう一人はPart.2で)。
…………
【プロフィール】
名前:Heiko Roth(ハイコー・ロート)
生年月日:1973年10月29日(現在46歳)
出身地:Frankfurt, Germany
職業: 銀行員
ビリヤード歴:約30年
2019年ブンデスリーガ1軍(40点ゲーム)での年間アベレージ:Av. 0.975。
【在籍クラブ】
1991~2004:BC Nied
2004~2006:BC Bensheim
2006~2016:BC Frankfurt
2017~現在:BC Nied
【主な個人戦績】
・ヘッセンマイスター20回以上
・ドイツマイスター準優勝2回、3位2回
・ヨーロッパ大会10位
【主なチーム戦績】
・ヘッセン州1位30回以上
・ドイツ大会準優勝&3位
・ブンデスリーガ2軍 1998年~
・ブンデスリーガ1軍 2シーズン参戦
【プレーキュー】
『Inviktcues』というスペインのカスタムキュー(Esteve Mata作)。サブキューはADAM JAPANの『Mugen』と『Daniel Sanchez Masterpiece Model』と『Theory Torpedo S Shaft』
…………
――ハイコー、あなたはいつビリヤードに出会いましたか?
H:16歳の時にバーでプール(ポケットビリヤード)に出会ってプレーし始めて、18歳の時にクラブに所属しました。その時にスリークッション(3C)に出会い、「これは非常に長い間成長し続けられるスポーツだ」と感じ、3Cに転向しました。それ以来常にビリヤードを趣味として続けてきました。30年プレーし続けて、マスターするにはもう少し時間がかかると感じています。成長速度は遅くなっているものの、現在も常に前年より上手くなり続けている自負があります。
――普段どのぐらい、どんな練習をしていますか?
H:週4~6日くらい、合計20時間以上の練習を長年続けています。色々なシステムを学び分析し、ストロークや特殊なショットの撞き方などをトレーニングしてきました。最近はポジションプレーや集中の高め方、ゲームでのメンタル管理を大きなテーマとして掲げています。練習時間の多くは一人練習にあてています。もちろん、他の人と相撞きもしますが、それもあくまでも練習の一環として行っています。普段からトーナメントやリーグでの試合の勝ちにこだわり、集中してプレーしています。本当はもっと決まった配置の練習をしなければならないと思っていますが、ついつい怠けがちになってしまいます……。
――ドイツの「クラブチームリーグ戦」の雰囲気について教えてください。
H:トーナメントやリーグ戦は非常によく体系化され管理されています。現在のチームは皆家族のような感じで非常に仲が良く、一丸となってリーグでの勝利を目指して取り組んでいます。メンバーが試合で勝つのを見ると嬉しく感じますし、よそのクラブに試合に行くのは長年の友人たちに会いに行くような側面があります。
――新型コロナウイルス感染症はあなたのビリヤードライフにどんな影響を与えましたか?
H:コロナは地球上の全ての競技のシーズンを中断しました。その結果、我々は下半期のリーグスケジュールが完遂できず、好成績を挙げていた下半期のリーグのポイントを、最終的に「無効にする」という裁定が行われ、我々のチームはブンデスリーガ1軍から2軍に落とされることになりました。そのためモチベーションが低下し、この夏はこの30年の中で一番長い夏休みを取りました。しかし、新シーズンの開始まで1ヶ月を切り、トップリーグ(1軍)に戻るために戦うことを決意し、今は練習を再開しました。
――尊敬するプレイヤーは?
H:20年以上にわたってダニエル・サンチェス(スペイン)を一番尊敬しています。それに趙明優(韓国。チョミュンウ)や、もちろんディック・ヤスパース(オランダ)も好き。最近はフレデリック・コードロン(ベルギー)や趙在浩(韓国。チョゼホ)の難球もよく見て勉強しています。それ以外にも世界中に非常に素晴らしいプレイヤー達が溢れていますね。
――日本のプレイヤーはどうですか?
H:現役プレイヤーでは、肥田緒里恵プロを知っています。もちろん小林伸明プロ(故人)も! 初めて買ったキューは小林モデルでした。
――今後の目標を教えてください。
H:短期的な目標はブンデスリーガ1軍に戻り、1軍で結果を残すことです。長期的なゴールは何かの大会での優勝ではなく、自身のスキル、ひいてはアベレージの向上です。試合においては勝つも負けるも外的要因が影響するものですが、年間アベレージは自分自身の向上により確実に達成できるものなので、その方が目標として明確だと思っています。また、チームでの体験はどんなトロフィーよりも価値のあるものだと思っています。さらに、私はヘッセン州のビリヤード協会主催の中級者向けのビリヤード教室で教師もしており、生徒の成長を見るのも楽しみの一つです。ビリヤードのゲームは終わりなき旅のようで、仲間と一緒に行うことでより簡単に、そしてとても楽しくなるスポーツだと思っています。
――ありがとうございました。
…………
↑ハイコーのレッスンで
ハイコーは私だけでなく、おそらく
ヘッセン州の3Cプレーヤーのほとんどが
一番お世話になっているプレイヤーです。
3~4ヶ月に1回、
定期的にレッスンを開催して
(土曜&日曜10~17時とガッツリ!)、
ヘッセン州の3Cプレイヤーの
レベルの底上げに努めています。
レッスンが終わると、
ハイコーは次のレッスンまでに
YouTubeや様々なWebサイトを見て、
新しいシステムを100個ほどピックアップ。
そして、実戦で使いやすいものを
50個ほど教えてくれます(レッスンが終わると
大量のシステム画像を送ってくれます)。
3Cを始めて約30年経った今でも、
新しいシステムを覚えるために
携帯の待ち受け画面をシステム図にするなど、
全く情熱は衰えません。
仕事とビリヤードのバランスを保ちながら
トッププレイヤーとして活躍している
尊敬できる人物です。
次回は、ポケットアマの
David Vu (デイビッド・ブー)をご紹介します。
Tschüss !
(以上、文・写真:深尾典子)
…………
典子さん、今回もありがとうございました。
デイビッド・ブーさんのインタビューも
楽しみにしています!
→デイビッドさん編はこちら
…………
※寄稿その7 :withコロナ時代のドイツのビリヤードクラブレポート
※寄稿その6:コロナで閉鎖されたドイツビリヤード場レポート
※寄稿その5:スヌーカー『2019 イングリッシュオープン』観戦記
※寄稿その4:世界女子3C選手権 in バレンシア観戦記
※寄稿その3:ドイツの競技ビリヤード事情
※寄稿その2:ベルギーの『ミスター100』訪問記
※寄稿その1:ドイツのビリヤードクラブ事情
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