私の名はDetective K。
ビリヤードキューの調査を引き受ける探偵だ。
ハウストーナメントや、
公式戦が徐々に復活する今日この頃。
シャフトやタップ、キューケースへの
需要もおそらく回復基調だろう。
リンリンリン♪
BDからネット通話だ。
ヤツからの仕事もぼちぼち増えてきそうだな。
「K、キューメーカーから、
これまでどのような
オマケをもらいましたか?」
なに? 唐突な質問だな。
「世間では、高価なものを買うと
何かしら付いてくるもの。
キューも一緒で、
Kはもらっているものがあるはずです。」
それなら、
ジョイントプロテクタぐらいだな。
「それはオマケじゃなくて、付属品ですよね。
聞きたいのは、キューを買った人、
これから買おうとする人に対し配る
販促品のことです。」
つまり、キューメーカーの販促品だな。
「そうです。キューメーカーの営業ツール、
様々な販促品を調査してください。」
これまでまとめて紹介されることがなかった、
キューメーカー配布品の世界か。
わかった、俺はキュー探偵K。
その依頼、引き受けた!
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「職人」というイメージで
一括りにされがちなキューメーカー。
しかし、実際は自ら製作した
キューを販売するための活動、
いわゆる「営業」の努力も欠かせない。
カタログ製作は基本中の基本だが、
顧客に名前を覚えてもらい、
広めるための効果的な手段として
様々な頒布品を用意している
メーカーは多い。
その実例を、
オレ自身のエピソードも交えて紹介しよう。
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【Tシャツ・ポロシャツ】
アメリカのキューメーカー販促品で、
一番多いのがTシャツ。
そもそも、アメリカ人は
旅行の記念品として、Tシャツが大好き。
ジェリーとジャンのマクウォーター夫妻が
数年前来日した際、
「中野ブロードウェイを探したが、
Tシャツ屋が見つからない!」
と相談されたぐらいだ。
キューを何本も買っていると、
ポロシャツやスウェットシャツに
アップグレードする。
これをもらったらワンランク上の
「上客」としてキューメーカーから
認知されたと思っても間違いではない。
メーカーとしても、キューオーナーが
着て回ってくれたらよい宣伝になるし、
少人数のスタッフを抱えている場合は、
仕事着として多めに発注したものなら
余計な費用が掛からずに済む。
実用的な販促品とも言えるのだが、
アメリカンサイズは馬鹿デカく、
もらっても着づらいのが悩みのタネだ。
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【キャップ】
これもまたアメリカ的な頒布品。
あちらでは、年配のオヤジが
スポーツチームのロゴや、
アメリカ軍の部隊章、
何かのイベント記念のしるしが入った
キャップをかぶっているのに良く出くわす。
キューメーカー名が刺繍されたキャップは、
Tシャツより少量製作に向いているため、
数が少ない。
よって、オレがもらった数も
ごく限られている。
キューを買ったその場でキャップを被せられ、
「これでオマエもオレの仲間だな」と
作者自身から言われると、
うれしくなるもの。
少年に戻ったような気持ちに
させられるからだな。
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【ステッカー・ワッペン】
ごく一般的かつ安価な販促品だが、
キューメーカーの場合は、
刺繍されたワッペンや
布製のステッカーが多い。
プレイヤーのスポンサーとして、
胸や肩、背中などに貼って
ブランドを宣伝するためだ。
アマチュアは、服よりも、黒や茶色など
あまり色気のないキューケースを
ドレスアップするため貼ることが多い。
エキスポやトレードショーといった、
多くメーカーが出展するイベントに
行くと手に入るが、一枚しかもらえないと、
もったいなくて使いづらい。
そうかといって多めにもらうと、
たくさん手元に残ることになる。
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【絵ハガキ】
キュー画像が印刷された絵葉書は
名刺のようなもので、
安く大量に製作できるのだが、
実はあまりお目にかかったことがない。
オレの手元に唯一あるのは、
バリー・ザンボッティが1990年代に
制作したもの。
父親のガスも含め、営業活動が必要ない程の
需要があるザンボッティにとって、
おそらく唯一のカタログ代わりの印刷物だ。
よってある種のコレクターズ
アイテムとして、貴重品扱いされている。
もし、バリーから直接この絵葉書を
郵送されたものを持っていたら、
結構な値段で取引されることだろう。
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【カジノチップ】
ギャンブル好きにはたまらない、
カジノチップの感触。
その手触りや重み、重ねた時の音は、
ギャンブラーにとっては忘れられないもの。
そこでキューメーカー、クリス・ニッティは
自らの名前を入れたカジノチップを
販促品として配っていた。
特に何かに使えるわけではないのだが、
捨てるに捨てられず、会う度にもらうので
どんどんたまる(笑)。
よって名前は忘れようがないので、
販促品としての役割は十分に果たしているな。
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【バイプロダクト(副産物)】
いわゆるキュー製作時に出てくる
銘木の端材などを使い、副産物として
販促品を製作するメーカーも存在する。
メーカーオリジナルのグッズでもあり、
もらえると満足度が高いアイテムだ。
アダムジャパンは、
銘木でチョークケースを作り(画像上)、
ハギに使われる染色された
ベニヤ(種板)を添えた、
マニアの心をくすぐる販促品を配布していた。
多彩な銘木を独特の製法で組み合わせる
サムサラは、切り落とした部材を使って
ドアノブ状のブツを製作した(画像下)。
「住宅やホテルのドアなどに
使えるよう作った」と現物を見せられたが、
その後音沙汰はない。
サムサラの名前を広められても、
製作コストはかかるし、
第一こんなドアノブがあったら、
いつか盗まれるだろう(苦笑)。
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【ストラップ・キーホルダー、バッジ】
イベント会場やエキスポで、
参加者が身に着けることで
ブランド名を広める販促品の定番。
バーチャルイベントや
リモートイベントなどでは
手に入らないものばかりだ。
入場パスをぶら下げるストラップは、
イベントが終われば不要なのだが
なぜか捨てにくい。
キューメーカー、ジョスのバッジは
ボタン電池駆動でLEDが点滅する逸品。
ロンゴーニやジャコビーの
キーホルダーは、観光地の土産物屋で
売っているようなベタなものだが、
もらえれば悪い気がしないもの。
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【謎の物体】
怪人キューメーカー、
デニス・ディックマンが2018年4月、
SBE(スーパービリヤードエキスポ)
会場内で配り歩いていた謎の物体。
長さ約15cm、約幅3cmのカマボコ型で、
それなりの重さがある。
一説にはチョコレートらしいのだが、
開けそびれているうちに
本人が同年7月に亡くなってしまった。
もはや本人に中身について
尋ねることや礼を言うこともできず、
包みを開けるにも気が引ける。
結果的に彼の形見として、いまだに
手元に置いて眺めるハメになった。
販促にならないし、捨てられない
「反則」な販促品と言えるだろう。
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キューメーカーの頒布品は、
紹介した通り多岐にわたる。
キューを買った(あるいは買えなかった)
思い出の品として、集めるのも楽しいもの。
それらが将来コレクターズアイテムとして
価値を持つかは、
キューメーカーの評判次第だ。
さて、BDではオリジナルグッズの
販売ショップを展開している。
探偵Kの自己満足グッズも少しずつ
追加しているので、一度のぞいてみてくれ。
次の依頼を待っているぜ!
よろしくな、BD!
(to be continued…)
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Detective Kについて詳しくはこちら
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BD Official Partners :
世界に誇るMade in Japanのキューブランド。MEZZ / EXCEED
創造性と匠の技が光る伝統の国産キュー。ADAM JAPAN
ビリヤードアイテムの品揃え、国内最大級。NewArt
2018年4月大阪市淀川区西中島に移転リニューアルオープン。日勝亭
カーボン繊維構造REVOシャフト発売中。PREDATOR JAPAN
徹底した品質の追求。信頼できる道具をその手に。KAMUI BRAND
カスタムキュー、多数取り扱い中。UK Corporation
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ジャストなビリヤードアイテムが見つかる。キューショップジャパン
13都道府県で開催。アマチュアビリヤードリーグ。JPA
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