カスタムキューを多数取り扱っている
その代表、大原秀夫氏が所蔵している
キューを見ていく本企画。
(※過去記事はこちら)
今回は、メーカーの異なる5本の
「ストレートモデル」が集結。
キューの世界で「ストレート」とは
インレイやハギのない
キューデザインのこと(※和製英語)。
銘木そのものの杢目・色味・風合いを
楽しむのに適したスタイルですが、
インレイやハギがないということは、
メーカーやシリーズを
印象付けられようなデザイン要素が
少ないということでもあります
(リングやバットキャップなどが
数少ない個性発揮の場です)。
皆さんはこの5本のキューの
メーカーがわかるでしょうか。
まず、「前編」となる本稿では、
トップ画像の上から3本を
大原氏のコメントとともに紹介します。
…………
◇ 一番上:コグノセンティ
華麗なインレイワークで
多くのファンを獲得した
『Cognoscenti』(コグノセンティ)の、
エボニー(黒檀)ストレート。
大原氏は中古で入手、製作年は不明。
リングはシルバーのバー(タテ棒)の
上下にシルバーラインが入った
『ファンシーリング』です。
…………
大原氏・談:
「2000年前後に、たしかオークションサイトで購入した中古のコグノセンティです。当時は別のコグノセンティをメインで使っていたのですが、『全日本選手権』(尼崎)に持って行く用、つまり出張用としてこのエボニーストレートを買いました。
当時は『全日本選手権』に行くと、夜は尼崎のビリヤード場で球を撞いていたんですが、メインで使っていたコグノセンティを持って行くのは気が進まなかった。もし誰かにこっぴどくやられてキューを持って行かれたり、盗られるようなことがあっても、これならいいかと(笑)。これにメインキューのシャフトを付けて尼崎に行ったことを覚えています。
このキューで、今はない尼崎の『120』(ハンドレッドトゥエンティ)でA・パグラヤンとワンポケットをしたのは良い思い出です。たしかR・ガレゴが『彼(パグラヤン)と撞いてあげてよ』と仲介してくれたのかな。パグラヤンがビッグネームになる直前だった頃だから2000年前後でしょう。パグラヤンにはこてんこてんにやられましたが、キューを持って行かれることはもちろんなかったですし(笑)、その場で彼からいくつかワンポケットの球を教えてもらえたのは大きな収穫でした」
…………
◇ 上から2番目:ニッティ
シンプルな剣ハギを中心に
オーセンティックなデザインの
キューを作っている
『NITTI』(ニッティ)。
これはブビンガストレートの新品で、
製作年は不明。
リングワークはニッティで
よく見られるデザインです。
…………
大原氏・談:
「10数年前の『SBE』(スーパービリヤードエキスポ)で、クリス・ニッティ(ニッティ代表)と夕食の席が一緒になった時に、『ヒデオは俺のキューを買ってくれたこと、まだないよね』と言われて、翌日に買ったキューです(笑)。私はいつも第一印象でビビビッと来るような、強い個性や光るデザインを持ったキューを買うことにしています。それはクリスにも直接伝えました。『正直、私はニッティキューにはあまり惹かれないんだよ』と(笑)。でも、付き合いもありますし、1本も買ってなかったのは悪かったなと思って購入しました。
木が『ブビンガ』だったのは幸いでした。その昔、私はブビンガを使ったSONOR(ソナー)社のドラムセットを仕事の現場で見たのですが、あまりのかっこよさに感銘を受けたんです(※大原氏は長く音楽の仕事に携わっており、自身が弾くベースギターを始めとして楽器に使われる銘木にも造詣が深い)。ブビンガは独特な杢目を持つアフリカ産の木で、キューに使われることはそれほど多くはありません。なので、クリスに言われて『おぉ、ブビンガか』と驚きながら、すぐに買った覚えがあります。今見ても杢目が美しいと思います」
…………
◇ 上から3番目:ランブロス
2000年代、日本国内で人気に火がつき、
一躍有名メーカーとなった
『Lambros』(ランブロス)。
こちらは2005年製の
ステインドメイプルストレート。
大原氏は中古で購入。
リングデザインに
ランブロスらしさが感じられます。
…………
大原氏・談:
「2005年製ということは、日本でランブロスが流行り始めた頃に作られたキューですね。これは中古で買ったもので、オリジナルのグリップはわかりません。この革は継ぎ目がわからないぐらいきれいに巻かれているので、おそらく以前のオーナーが日本国内で巻き替えたんだと思います。日本はものすごく革巻きの仕事のクオリティが高い国なので。
デザインや木(ステインドメイプル)に惹かれて買ったのではなく、オークションサイトか何かを見ていて『そう言えば、ランブロスは今手元にないから1本ぐらい持っておくか。あ、手頃なストレートモデルがあるぞ』という、積極的とは言えない動機で買ったものだと思います。ランブロス独自の『ウルトラジョイント』で撞きたいという気持ちもあったのでしょうね。……他にこれといった逸話もないキューですが、まあそんなキューもあります(笑)」
…………
残る2本については
近日公開の「後編」で紹介します。
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BD Official Partners :
世界に誇るMade in Japanのキューブランド。MEZZ / EXCEED
創造性と匠の技が光る伝統の国産キュー。ADAM JAPAN
ビリヤードアイテムの品揃え、国内最大級。NewArt
2018年4月大阪市淀川区西中島に移転リニューアルオープン。日勝亭
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徹底した品質の追求。信頼できる道具をその手に。KAMUI BRAND
カスタムキュー、多数取り扱い中。UK Corporation
国内外トッププレイヤー達が信頼する国産積層タップ。斬タップ
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13都道府県で開催。アマチュアビリヤードリーグ。JPA
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