〈BD〉シンガポール人初の世界ランキング1位。アロイシウス・ヤップインタビュー

Aloysius Yapp Photo Courtesy of Karl Kantrowitz 2021
Aloysius Yapp Photo Courtesy of Karl Kantrowitz 2021

 

この秋、10週間に及ぶアメリカ遠征で

 

10ボール世界選手権』3位、

USオープン』準優勝、

ミシガンオープン』優勝という

秀でた戦績を積み重ねて、

 

10月のWPA世界ランキング

シンガポール人初の

1位になったアロイシウス・ヤップ

(※現在は2位)。

 

一躍ワールドクラスプレイヤーの

仲間入りを果たしたヤップに、

 

10年間に渡って彼をサポートしてきた

日本のキューブランド

MEZZ』(MIKI)の協力のもと、

メールインタビューを行いました。

 

アメリカ遠征のこと、

普段のビリヤード環境、

MEZZキューのこと、

大好きな日本について、など

様々なトピックにお答えいただきました。

ぜひご覧ください。

 

…………

 

アロイシウス・ヤップ(Aloysius Yapp)

生年月日:1996年5月2日(取材時25歳)

国籍:シンガポール

2014年『世界ジュニア選手権』優勝

2017年『ゴールデンブレイク9ボールオープン』優勝

2021年『10ボール世界選手権』3位

2021年『USオープン』準優勝

2021年『ミシガンオープン』優勝

2021年10月WPAワールドランキング暫定1位(※本稿の時点では2位)

使用キュー:全てMEZZ

 プレーキュー:ACE-806

 プレーシャフト:WX700

 ブレイクキュー:PBGW-H

 ジャンプキュー:AD2-K

 キューケース:MZ-35K

使用タップ:斬(ZAN)

 

…………

 

――こんにちはアロイシウス。実り多きアメリカ遠征になりましたね。

 

A.Y.:とても素晴らしい遠征でした。たくさんの友達に会えましたし、新しい友達もたくさんできました。数多くの大会に出場しただけでなく、楽しい思い出もいっぱいできました。 

 

――コロナ禍で昨年~今年前半はなかなか海外に行けなかったと思います。今回のアメリカはいつ以来の海外遠征でしたか?

 

A.Y.:今年6月にイギリスで開催された『9ボール世界選手権』以来です。アメリカとなると、昨年(2020年)3月の『ラスベガスオープン』以来です。『ラスベガスオープン』の後、ストローク、メンタル、アプローチなど多くの問題に取り組んでいたので、練習した事を早く試したいと思っていました。去年は海外の試合に出場したくてずっとうずうずしていましたね。

 

――そして今回、『10ボール世界選手権』3位、『USオープン』準優勝、『ミシガンオープン』優勝と素晴らしい戦績を挙げました。力を発揮できた理由とは?

 

A.Y.:話は6月の『9ボール世界選手権』にさかのぼりますが、あの時は1年以上国際大会に出場していなかったこともあり、あまり良い成績を残せませんでした(※ベスト32敗退)。大会の間、ずっとネガティブな考えが頭から離れなかったんです。なので、シンガポールに戻った後、スポーツ心理士に相談したり、コーチのトー・リャンハンとその理由についてよく話し合ったりしました。そして、私が直面していた多くの問題の解決に取り組みました。その結果、多くの自信と信念を得ることが出来ました。だからこそ、今回アメリカでとてもいいプレーができたのだと思います。

 

USオープンにて(本人提供画像)
USオープンにて(本人提供画像)

 

――残念ながら『USオープン』は優勝にあと一歩届きませんでしたが、納得いくプレーは出来たでしょうか? 後悔していることはありますか?

 

A.Y.:大会全体を通して言えることは、自分のプレーに自信を持つことができ、すごく良い感じでプレーできていたという事です。決勝戦では自分の力を全て出し切れたと思いますが、それでも優勝には一歩届きませんでした。ですが、全てのショットに100%の力を注ぐことができたと思っているので後悔はありません。カルロ(・ビアド)はこちらの些細なミスを致命傷にするくらいの素晴らしいプレーをしていたので、彼の優勝は当然の事だと思います。

 

――『ミシガンオープン』はアメリカでの初めてのタイトルですよね。

 

A.Y.:はい、初めてアメリカでタイトルを獲りました。あのツアー(『USプロビリヤードシリーズ』)は毎回ショートゲームのタフなフォーマットでとても厳しい戦いになります。ワールドトップ達も多数出場する中で優勝できたことは非常にラッキーだったと思います。

 

――今はシンガポールに戻っていますが、普段はどこでどんな練習をしていますか?

 

A.Y.:普段は私の所属する『キュースポーツ シンガポール』が運営している『キュースポーツ アカデミー』で撞いています。一日の練習量は大体7~8時間ぐらい。個人練習をする事もあれば、チームメイト達とスパーリングする事も良くあります。 

 

――あなたの原点について聞かせてください。いつどこでプールに出会いましたか?

 

A.Y.:8歳の頃、学校からの帰り道で偶然テレビにプールが映ってるのを見た事がきっかけです。自分でもなぜこのゲームが気に入ったのか具体的な理由は覚えていませんが、ボールが動き回ってポケットに落ちる様子が好きだったことは覚えています(笑)。

 

――真剣に競技の世界に目を向けたのはいつですか?

 

A.Y.:2008年に初めて『世界ジュニア選手権』(9ボール)に出たのですが、当時12歳だった私はそこで柯秉逸(カー・ピンイー)が優勝するのを見ました。その時の光景が印象的で強いインスピレーションを受けました。シンガポールに戻ってからは「この競技に真剣に取り組み、プロのプレイヤーになりたい」と思うようになりました。

 

USオープンにてコーチのトー・リャンハンと(本人提供画像)
USオープンにてコーチのトー・リャンハンと(本人提供画像)

 

――コーチはいますか?

 

A.Y.:トー・リャンハン(※来日経験も豊富なシンガポールのベテラントッププレイヤー)が私たちシンガポールの代表監督であり、コーチです。

 

――あなたにとってのヒーローは?

 

A.Y.:尊敬しているのは、呉珈慶(ウー・ジャーチン)と張榮麟(ザン・ロンリン)です。彼らをお手本にする事が多いですね(笑)。 

 

――プレイヤーとしての夢は?

 

A.Y.:いつの日か世界チャンピオンになることを夢見ています。自分が出場する全てのトーナメントで優勝したいですね(笑)。

 

――いつからMEZZキューを使っていますか?

 

A.Y.:13歳の時からMEZZキューを使っていて15歳でスポンサー契約を結びました。

 

――MEZZキューのどんなところが気に入っていますか?

 

A.Y.:力強くてソリッドな打感です。プレッシャーのかかる場面や厳しい状況下でも、常にこのキューを信頼し、頼りにすることができる。今まで使ってきたキューの中で間違いなく最高のキューです。

 

――そもそもどんなキューが好みですか?

 

A.Y.:前バランスでしっかりとヒット感の感じられるキューが好きです。 

 

2011年『全日本選手権』初参戦時。M・イモネン(左)、MEZZ三木一則社長(左2)とともに食事に出掛けた時の1枚。当時ヤップは15歳(MIKI提供画像)
2011年『全日本選手権』初参戦時。M・イモネン(左)、MEZZ三木一則社長(左2)とともに食事に出掛けた時の1枚。当時ヤップは15歳(MIKI提供画像)

 

――『全日本選手権』に出るため毎年のように日本に来ていますね。日本の印象は? 

 

A.Y.:初めて日本を訪れたのは2011年の『全日本選手権』の時でした。それ以来9回くらい日本に行っています。とにかく日本の全てが大好きなんです。食べ物も人々も素晴らしくて、来日するたびにいつも楽しい時間を過ごしています。日本は私の大好きな国の一つです。

 

――そう言ってもらえて嬉しいです。最後に、日本のプールファンとあなたのファンにメッセージをいただけますか? 

 

A.Y.:皆さん、こんにちは、この2年間はコロナウィルスの影響で大変な思いをしましたね。日本の皆さんが安全で常に健康であることを願っています。これまで私をサポートしてくださった皆さんに感謝しています。近いうちにまた日本で皆さんにお会いできることを願っています。これからのイベントに向けて『グッドラック & ガンバッテ!』。ハッピーホリデー!

 

――ありがとうございました。

 

(了)

 

………… 

 

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