〈BD〉「苦しい1年の最後に優勝とMVPを同時に飾ることができて嬉しい」――『GPE-5』優勝、羅立文の談話

撮影:On the hill !
撮影:On the hill !

 

先週末のプロトーナメント、

グランプリイースト第5戦

(GPE-5)で優勝した

羅立文(ロー・リーウェン)。

 

大会翌日に試合を振り返っていただきました。

 

…………

 

――優勝の感想からお願いします。

 

羅:最高に嬉しいです! コロナ禍の2021年、大会が少ない中で優勝出来て良かったです。

 

――決勝戦は見応えあるナイスゲームでした。

 

羅:そうですね。たぶん栗林プロもそうだったと思いますが、最後まで集中してハイレベルなプレーができたと思います。テーブルコンディションに対応できていましたし、大事な球はちゃんと取れました。交互ブレイクで、互いにブレイクノーインや少しミスもあったので、流れは行ったり来たりしてましたけど、チャンスが来た時にはしっかりプレー出来たと思います。

 

――決勝戦の中で印象に残っている場面とは?

 

羅:(羅6-栗林5で迎えた)第12ラックの4番です。栗林プロが3番セーフティに行ったらサイドポケットに入ってしまった(ノーコールイン)。それで僕が4番を撞くことになったんですけど、手球と4番の間に10番があって、4番を入れる厚みがほんとにギリギリしかなかったです。10番に当たりそうだなと思いました。

 

――そうだったんですね。

 

羅:だからパスしても良かったんですけど、腹を決めて……もう10ボールに当てる覚悟で(笑)、攻めることにしました。いつも通りのルーティンを守っていいショットが出来ました。ああいう場面で逃げずに撞けたことはかなり自信になりましたし、あのラックを取って先にリーチをかけられたので、気持ちも少し落ち着きました。

 

――最後の第14ラックは栗林プロのブレイクスクラッチから取り切りました。

 

羅:さすがにラストラックはちょっと緊張感がありました。でも、配置にトラブルはないし、フリーボールスタートだったので、一つひとつ確実に、ちゃんとフリを付けてポジションして行けば取り切れる自信がありました。8番は真っ直ぐの球にしてしまったので、次の9番がだいぶ薄い球になりましたけど、それもわかっていたことですし、入れるだけで10番に縦バタで出る形だったので最後まで落ち着いて撞けました。

 

――GPE年間ランキングのMVPにも輝きました。

 

羅:はい、2度目のMVPです。1回目は2012年で、その後2位が2、3回ありました。ポイントでは1位タイだったけど優勝回数の差で2位になった年もあります。今年は最終戦で優勝とMVPを同時に飾ることができてすごく嬉しいです。

 

――コロナ禍で大会開催が減った中で、昨年(1月『関西オープン』)と今年(『GPE-5』)ときっちり優勝しています。

 

羅:自分の強みとして、BDさんには10年以上前から『安定感』『丁寧』という言葉は言ってきましたね。コロナ禍で色々なことがあって絶好調ではないですけど、自分のお店(『POOL LABO』)でレッスンをしたり、相撞きをしたり、ずっとビリヤードはやっていますし、常に高いモチベーションを持っています。その時出来る限りの準備はしているので、今でもちゃんと自分の強みは発揮できるんだと思います。

 

――コロナに感染し、闘病期間もありました。今はもう体調は100%に戻っているのでしょうか?

 

羅:今は体調が悪い訳でもないですし、日常生活に影響があるレベルの後遺症はほぼないです。でも100%かと聞かれたらそうではないですね。回復してからGPE-3、GPE-4、GPE-5と3大会出てみて、試合中に急に呼吸が荒くなって息苦しく感じる時がありました。緊張した時や疲れた時にそうなりやすいですね。直接の原因はわからないですけど、コロナ前には全くなかったことなので、コロナの影響だと思います。

 

――そうでしたか。

 

羅:病院で診てもらったら「肺の機能は問題はないが、一回傷付いたから多少は呼吸に影響が出るだろう」と言われました。僕のプレー時のルーティンには「呼吸のコントロール」も含まれているんですけど、それがやりづらい時があります。でもそれも受け入れてやっていくしかないですね。

 

――色々なことがあった2021年ですね。

 

羅:そうですね、フミにとっては苦しい1年でした。お店の営業もコロナ禍で大変になり、自分もコロナに感染してしまって海外遠征が出来なくなりました。「ビリヤード、成長出来た?」と聞かれたら、正直言って出来たとは言えないけど、劣化もしてないのはまだ良かったと思います。お店のお客さんやスポンサーさんや家族の支えもあって、おかげさまで今もお店を出来ていますし、規則正しい生活を送れています。家族も皆健康なのは幸せです。

 

――来年は?

 

羅:良い年にしたいですね(笑)。プレイヤーとしてはぜひまた海外にチャレンジしたいです。お店のことを心配せずに海外でプレー出来るように今少しずつ準備を始めています。今年は大井直幸プロが素晴らしい活躍をしていましたよね。あの姿を見て刺激をもらっています。

 

――わかりました。最後にビリヤードファンに一言お願いします。

 

羅:いつも応援してくださってありがとうございます。コロナ禍でたくさんの方が大変な思いをしたと思います。今もまだ終息はしていませんが、感染防止対策をしながらビリヤードを楽しんでください。ビリヤードファンの皆さんにとって2022年が良い年になりますように。また試合会場でお会いしましょう!

 

(了)

 

Lo Li-wen

1978年7月10日生

台湾出身・神奈川県在住

JPBA43期生

JPBA年間ランキング1位・1回(2010年)

『全日本14-1選手権』優勝4回

『北海道オープン』優勝3回

『関東オープン』優勝3回

『関西オープン』優勝2回

『グランプリイースト』(GPE)では通算14勝

2010年『USオープン10ボール』準優勝

2015年~2017年『アジア選手権』3連覇

2016年『ワールド14-1』3位

他、優勝・入賞多数

神奈川県横浜市『POOL LABO』代表

Supported by UK Corporationキューショップジャパン、ココカラダ

使用キューは『ZEN』(ゼン) 

 

 

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