24日(日)の
『全日本女子プロツアー第1戦 in 京都POOL BLOW』で
プロ入り初優勝を遂げた丸岡文子。
大会翌日に優勝談話をいただきました。
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――大会から1日経ちました。優勝の実感は?
丸岡:少しずつ湧いて来ています。昨日は表彰式の後すぐ京都から神奈川に帰ったんですけど、移動中にマル(夫の丸岡良輔プロ)から「子供が怪我をした。病院に連れて行く」と連絡があり、新幹線に乗っている間は気が気じゃなくて優勝気分ゼロでした。幸いなことに大事に至らなくて良かったんですけど、本当に焦りました。その後、お祝いのメッセージやお花などをいただいて少しずつ嬉しさを感じています。
――次々に先輩プロたちを倒しての快進撃でした。2日間を振り返ると?
丸岡:だいたいどの試合も私が3-0とかでスタートダッシュを決められました。出足が良かったのが勝因の一つだと思います。皆強い方なので、そこからサッと追い掛けられたり追い付かれたりしてこちらが怯んでしまう場面もあったんですけど、ちゃんと立て直せました。
――攻守の切り替えもはっきりしていて、10ボールのゲーム性が合っているような印象も受けました。普段よく撞いていますか?
丸岡:いえ、お店(丸岡プロ夫妻で営む神奈川『アロウズ』)では9ボールばっかりですね。この女子ツアーの開催が決まってから1ヶ月ぐらいは10ボールも撞くようにしてました。でも、たしかに10ボールの方がやりやすいなと感じた部分もあります。9ボールに比べるとブレイクが入りづらくて配置も難しくなりやすいから、ターンがよく回って来ますよね。攻めるにしても守るにしても毎回ちゃんとショットや戦術を考えて撞くのが自分に合ってるなと思いました。台上にボールが多いから出しやセーフティもしっかりと動きをイメージしないといけないし、ボールが多いことで目標地点やラインのイメージが描きやすいです。逆に普段、9ボールは結構アバウトにやってたんだなとも思いましたけど(笑)。
――プロ2年目ですが、昨年はコロナでランキング対象試合がなく、実質的に今年がルーキーイヤーのようなもの。ですが、映像では堂々とプレーしているように映りました。
丸岡:アマ時代はプロの試合に出ると「この人はトップランカーだから」「プロ相手なら負けても仕方ない」みたいな気持ちになることもありましたけど、プロになった今はありません。先輩プロ達と実績やランキングは違いますけど、土俵は同じなので「誰が相手でも気にせずにプレーしよう」と思っていました。
――予選ラウンドの勝者最終とベスト8で平口結貴プロと2度戦い、2回ともヒルヒル(ダブルリーチ)になったことも注目を集めました。
丸岡:平口プロとはこの数ヶ月で公式戦とハウストーナメント合わせて5回以上当たってていつもヒルヒルなんです(笑)。プレーを見れば彼女の撞いている内容は私より上ですし、すごい練習量に支えられていることがよくわかります。そんなプロと何度もヒルヒルの戦いが出来て純粋に楽しかったですし、私が勝てるかもしれないという自信を持てました。
↓ 準決勝(vs 梶谷景美)のゲームボールとなった5-10コンビは1h54minあたりから
――準決勝と決勝戦で、日本の女王と呼ばれる2人(梶谷景美・河原千尋)を倒しました。
丸岡:あの2試合も私が先行出来ましたし、最後までほとんど怯むことなくプレー出来たと思います。準決勝は4-0に出来るところで私がやらかしてしまい、一旦4-5と逆転されました。そこから5-5に追い付いて最後は5-10コンビ。本当は取り切りたかったけど、4番→5番→6番と上手くポジション出来ないと判断してコンビに切り替えました。2日間でコンビはいっぱい撞いてたのでイメージは良かったです。
――決勝戦も先行してリードを保ったまま勝ちました。
丸岡:今まで何度も大差で負けてますし、強い相手だということはよくわかっています。勝てる見込みはすごく低いかもしれないけど、回って来たら全力を尽くすだけ。「誰が来ても関係ない」という気持ちでした。3-0と先行出来たし、マスワリで先にリーチをかけることが出来て(5-1)、精神的には落ち着いていられました。
――続く第7ラック、丸岡プロの10番ミスで上がり損ねました。
丸岡:7番からチャンスが回って来て、難しい球を上手く撞いて10番まで行ったんですけど、10番をどそっぽに飛ばして……。でも、あれは全然ヘコみませんでした。「今まで失敗しかしてないし。ヘコむのは後でいいや」って。それよりもそのラックの4番ミスはヘコみましたね。せっかく連マスで上がれそうだったのに……って(苦笑)。
――上がりの第8ラックは?
丸岡:何度かターンが入れ替わって、最後はたしか6番から取り切ったなぐらいしか覚えてないです。
↓ 決勝戦、上がりの3球。8→9で手球を動かしすぎてしまい、9→10はリスクのある出し方になった
――そうです。丸岡プロは6番から5球取り切って上がりました。あの時の心境は?
丸岡:気持ち的には落ち着いてたんですけど、最後の9番から10番へのポジションは緊張しました。その前の8番でついキューが出ちゃって手球が転がりすぎて9番が厚くなったので、少しキューを立てて右下を撞きました。ヒネリが噛んだらサイドスクラッチがあるというリスクは覚悟の上でした。結果は出来すぎなぐらい10番にいいポジションが取れました。迷ったり考えすぎるといいことがないし、流れを止めてしまうと思っていたので、インスピレーション重視でパッと決めてサッと撞こうということはもともと意識していました。それが良い方向に出たのかなと思います。
――ゲームボールを入れた瞬間の気持ちは?
丸岡:「あっ、勝ったんだな」ぐらいです。結構爽やかな気持ちでした。たぶん自分が先行する展開ばかりでメンタル的にそんなにジトジトした試合をしてなかったから、疲れを感じてなかったんだと思います。あのメンタルの持って行き方は今後に活かせるなと思いました。
――実質プロ3戦目でその心境になれたこともすごいですね。
丸岡:球だけを見て自分の思うようにプレー出来た感覚はあります。なんででしょう……昨年はプロ1年目ということで、試合は少なかったですけどプロとして挨拶や運営のお手伝いなど色々と覚えることが多くて気を張ってたと思います。それと、今回は京都開催だったので応援団(夫の丸岡良輔プロやお店のお客さん達)がいなくて一人で気楽に撞けたのもあります(笑)。でも、3戦目で優勝まで行けたのは自分でも早かったなと思います。
――次の目標やこれからの課題とは?
丸岡:9ボールの大会で勝ちたいです。私は9ボールのブレイクが苦手で、自分の形が出来上がってないのが難点です。女子はまだ9ボールの大会が多いので、9ボールブレイクを強化してマスワリ連発で勝ちたいですね。
――最後に応援してくれた方へ一言。
丸岡:お店のお客さん達や普段一緒に撞いてくれている人達に「ありがとうございました」と。きっと皆、ライブ配信で私の球を見てヒヤヒヤしながら応援してくれたと思います。行っちゃダメなバンクコンビとか撞いたなぁっていう自覚もあります(笑)。でも、本当に自分は良い環境にいるなと思います。うちのお店はSAクラスアマや近隣のプロの方々がよく来てくださいますし、常連さんも競技志向の方が多いです。私もそんな人達と撞いたり情報や意見の共有をすることで相乗効果で強くなれていると感じます。強くなりたいという方、ぜひ当店にお越しください!(笑) それと、私が先にプロで優勝したので「マルにはもう何も言わせません」って書いておいてください(笑)。
(了)
Ayako Maruoka
生年月日:1983年10月1日
出身・在住:神奈川県
所属店:『ARROWS』(神奈川県横浜市)
使用プレーキュー:HOW(ハオ)。シャフトは314-2、タップはHOW。ブレイクはBK RUSHの赤、ジャンプキューはブラックキー
アマ時代タイトル:
2018年~2019年第10期~第11期女流球聖位
プロタイトル:
2022年『全日本女子プロツアー第1戦 in 京都POOL BLOW』
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