ラスベガスで8月上旬に行われた
世界最大のアマチュアビリヤードトーナメント、
『2022 APA World Pool Championships』
(以下「WPC」)。
今年日本(JPA)からは、
8ボールに1チーム、
9ボールに3チームの計4チームが参戦。
既報のように、
残念ながらトロフィー(3位以上)には
届きませんでしたが、
各々が「本場」の熱気に触れながら
懸命にキューを振りました。
そんな2022 WPCの模様を、
各チーム代表者のコメントも
交えつつ振り返ります。
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8月3日、『8ボール』に出場するMARCY8(愛知・MARCY)とJPAスタッフが先に渡米。
「コロナの影響か、例年この時期の空港は混雑しますが、今年は比較的静かでした」(JPAスタッフYさん。以下同)。
『9ボール』に出る3チームは5日遅れて渡米しました。
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会場は例年通り、ラスベガスの『ウエストゲート』(The Westgate Hotel & Casino)。
2015年大会からWPCの会場になり、日本のチームが訪れるのは今回で6回目。
8月4日~13日の10日間、アメリカ(APA)、カナダ(CPA)、日本(JPA)の3ヶ国から2,558チーム・13,542名がここに集まります。
…………
『8ボール』の開会式の様子。3ヶ国の国歌が流れ気持ちが高ぶります。
「8ボールの部が一番大きく、718ものチームが参加していますので、遅れて開会式会場に来ると中に入れません(笑)。シンガポールでもAPAリーグが始まることになりましたので、来年はここで4ヶ国の旗が揚がるでしょう」
…………
開会式会場で国旗をバックに健闘を誓うMARCY8。
…………
今年のWPCに出た人だけが入手できる2022版ワッペン。そして、8ボールと9ボール用のトロフィー。
「2018年にアニゴンズが9ボールで優勝した時は、あまりに立派で大きくて重いため、持ち帰るのを諦めて別送してもらいました」
…………
会場はとにかく広大。
1枚目:本会場(構内図の右端のエリア)
2枚目:本会場で見付けたJPAフラッグ
3枚目:中央部の会場×2枚(『マスターズ』や『ジャックアンドジル』などを開催)
4枚目:ミニマニア用会場(個人で出られるミニトーナメント多数開催)
5枚目:構内図
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トリックショットアーティスト、フロリアン・コーラー(中央やや右)は毎年WPC会場でトリックショットを披露したり、チャレンジマッチをやったりと大忙し。
フロリアンはAPAラスベガスのリーグオペレータでもあります。
…………
WPAにはトータル6つの部門があります。日本勢が出たのは8ボールと9ボールの2部門。その優勝チームがこちら。
8ボール:『TRIPLE THREAT』、
9ボール:『Lep Life』。
ともにペンシルベニアのチームです
…………
ここからは日本の4チームそれぞれの画像と代表者コメントをお届けします。
まずは『8ボール』のMARCY8から。
◇ 8ボール(全718チーム)
MARCY8(愛知・MARCY):513位タイ
1枚目から:
田端太郎さん
/曽我宏樹さん
/JUST FOR FUNとともに
/DO SHOTS...MISS SHOTS!とともに
○1回戦BYE
●2回戦 vs JUST FOR FUN
●敗者1回戦 vs DO SHOTS...MISS SHOTS!
青山俊也さん・記:
「8ボールのチームをラスベガスに連れて行きたいという思いで始めて、3回目の『KTC』で目標が達成(権利獲得)出来たことには個人的には満足しています。ただ、ラスベガスでもう少し良い成績を残せるかなと思っていたのでこの結果は残念です。
会場の雰囲気や渡米に関しては、私のこれまでの経験を事前にチームの皆には伝えてあったので、雰囲気に飲まれることは無かったと思います。ですが、試合は全体的に展開が少しツイてなく、なかなかポイントを取れなかったのが残念であり、悔やまれます。
今回はADAM JAPAN様と、メンバーが在籍している企業様数社から協賛や応援、ご協力をいただき、とても感謝しております。また、3年ぶりの日本チームの参戦ということもあり、あちこちで他のチームから声を掛けてもらえたり、写真を一緒に撮ったりできたのは嬉しかったですね。チームのメンバーは『ミニマニア』で優勝したり、カジノ、観光を楽しんだりと各々とても満喫していました。来年もまた日本代表になり、もっと上を目指していけるように頑張ります!」
…………
続いて『9ボール』に出た3チーム。BLACK HOLEから。
◇ 9ボール(全560チーム)
BLACK HOLE(愛知・PERRO CALLEJERO BILLIARD):385位タイ
1枚目から:
丹羽貴久さん(背中の『タイガー』は『迷った時には何かが起こる可能性にかけて強く撞こう』の意。いわゆる関西ビリヤード用語の『ボンバー』のこと)
/CHAMPIONS + 2とともに
/John Thomasとともに
○1回戦BYE
●2回戦 vs CHAMPIONS + 2
○敗者1回戦BYE
●敗者2回戦 vs John Thomas
黒宮智幸さん・記:
「2019年にWPC初挑戦だった私にとっては2回目のラスベガス。前回とは違ってコロナ渦での開催となり、感染対策をしながらの試合は大変でした。
来年以降WPCにチャレンジするチームにアドバイスをするならば、チームのエントリーを終えた後の第1試合でもSLがアップしてることがあるので要注意! 理由は不明ですが……。私は2試合目に気が付きましたがパニックになります。
帰りの空港では発砲事件があったというデマがあり、結局飛行機に乗れず、バスでロサンゼルスへ移動して1日余分に滞在することになりました。そんなこともあり、2019年の感想が『挑戦と緊張』ならば、2022年は『忍耐と体力勝負』みたいなイメージでした。1日も早くコロナから解放された大会になることを願います」
…………
VALICE(東京・ビリヤードALICE):129位タイ
1枚目から:
中島祐一郎さん&廣瀬圭太さん
/井上貴寛さん
/Cut Throat 9とともに
/TERRY BRIDENBAKERとともに
○1回戦BYE
●2回戦 vs Cut Throat 9
○敗者1回戦BYE
○敗者2回戦 vs Wilson’s Warriors
●4回戦 vs TERRY BRIDENBAKER
中島祐一郎さん・記:
「私のチームは合計SLに余裕がありましたので、SL的には上位を窺えると思ってはいましたが……。その反面、コロナ禍もあり、低SLのメンバーの経験不足が露呈した感じでした。
個人的にも負けてしまいましたが、30年以上ビリヤードをやってきて、一番諦めずにベストを尽くせたゲームだったと思います。団体戦だからこそ力を出せたと思います。
今後もこういった規模・環境の大会をメンバーの皆さんに体験してもらいたいと常々思っています。コロナ禍での開催でいろいろと大変な事もありましたが、JPAスタッフの皆さんや同行した皆さんにもお世話になりました。ラスベガスは何度行っても良いですね」
…………
AIMS FULL BETS(東京・AIMS):129位タイ
1枚目から:
濵田早耶さん
/奥田篤弘さん&堀井一穗さん
/DUNDER MIFFLINとともに
/ON THE SNAPとともに
○1回戦BYE
●2回戦 vs DUNDER MIFFLIN
○敗者1回戦BYE
○敗者2回戦 vs THE MISFITS - NY
●4回戦 vs ON THE SNAP - FL
奥田篤弘さん・記:
「129位タイまで行けましたが、とても難しい試合でした。ラックシート不採用で相手ラックというJPAとは違うルールだったので、未経験のメンバー達は大苦戦を強いられました。それでも気持ちを切らさず、対策を話し合い、工夫して、声を掛け合い、最後まで戦えたと思います。
ホテルの大ホールをいくつも使った会場は、映像で観るよりも話で聞くよりも盛大で壮観で圧倒されてしまいました。常にプレイヤーや業界関係者が何百人も行き交い、1日中ビリヤードが楽しめる『ビリヤード祭り』。まるで夢のような世界でした。言葉もままならない私達でしたが、対戦相手や係る人達が友好的に接してくれたお陰で、ビリヤード一つでコミュニケーションが取れて、とても楽しむ事ができました。『ビリヤードって凄いな!』って改めて感じました。
この様なイベントを開催してくれたAPAや、参加させてくれたJPAスタッフの皆さまに感謝しています。また、今回の遠征で一緒になりお世話になった日本のチームの方々、同行したJPAメンバーの皆さんにも感謝しております。そして、私達と一緒に遊んでくれた027divメンバーの皆さん、記事に取り上げてくれたメディアの方々、支えてくれたお店の皆さん、声を掛けてくれた皆さんにも感謝しております。ありがとうございました。最後に、JPAに興味がある方や興味を持った方は声を掛けてください。私達はいつでも大歓迎です! 一緒にビリヤードを楽しみましょう」
…………
ラスベガスの夜景と、APAがメンバーへ向けたWPC終了のご挨拶――「私たちは思い出を作っていることに気付かず、ただ楽しいというだけでした」
コロナ禍が収束したとは言えない2022年夏。今回ラスベガスに遠征したチームは、渡航前~現地で様々な出来事に直面し、帰国するまで気が抜けなかったと思います。しかし、WPCに参加したことは貴重な経験となったはずです。ぜひ「本場」の熱気を周囲に広め、またラスベガスへチャレンジを!
最後にJPAスタッフYさんに2022年WPCを総括していただきました。
JPAスタッフYさん・記:
「JPAとして今回のラスベガス大会参加は2019年以来3年ぶりでした。まだコロナ禍が完全に終わっておらず、渡航に際して準備に気を使うことも多かったですし、行ってみないことには分からない部分も多く、不安が常につきまとっていました。直前で参加できなくなる人が出るなど、どのチームも準備万端では臨めていなかったと思います。そんな中、日本チームの結果は既報の通り苦戦の年となったのですが、試合内外で各々様々な経験をされたことでしょう。
大会自体は例年以上に活気を感じました。さすがは自由の国アメリカ、コロナは過去の出来事になっていましたね。プレーヤー数もワールドプールチャンピオンシップの名にふさわしく、9ボールと8ボール合わせて1,200チーム以上が出場していて(日本の『KTC』の約10倍)、改めてとんでもないスケールの大会だなと実感しました。来年以降もできるだけ多くの方に体験していただきたいですね」
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■JPA公式ブログ
■JPA公式FBページ
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■APAのWPC公式サイト(英文)
■WPCトーナメント表と結果
(英語でチーム名を入れてください)
◇ JPA関連BD記事はこちら
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