〈BD〉「『良いプレーをされたら良いプレーで返そう』がテーマ」――東海グランプリ2度目の優勝・栗林達の談話

 

先週の『東海グランプリ』で

大会2度目の優勝を果たした

栗林達プロの談話をお届けします。

 

大会翌日に話を聞きました。

 

オーストリアで行われた

世界チーム戦』(日本5位)の

感想も聞いています。

 

※女子優勝の青木知枝プロの談話はこちら

 

…………

 

――『東海グランプリ』2度目の優勝から一晩経ちました。

 

栗林:嬉しいですけど、『疲れたぁ~』って感じですかね(苦笑)。

 

――大会の2日間が?

 

栗林:いえ、今回はヨーロッパ遠征から戻ってそのまま東海グランプリに出たので、さすがに疲れました(※栗林プロは吉岡正登プロ・平口結貴プロとともにオーストリアで『世界チーム戦』に出場。その後クロアチアに立ち寄った)。あんまり寝られなかったし、全然身体を休められなかったです。

 

――2日間で8試合撞きました。トータルの手応えは?

 

栗林:良かった方じゃないですかね。技術的な部分についてはまだまだなところもありましたけど、テーブルに助けられた感じはあります。海外の方がコンディションがタイトなので、その洗礼を受けてきたおかげというか。プレッシャーに耐えられない場面もありましたけど、向こうで撞いてきたのは大きかったです。

 

――今大会で心掛けていたことは?

 

栗林:今回の遠征で学んだというか、思い出したことなんですが、『良いプレーをされたら良いプレーで返そう』というのは自分の中でテーマとして思い描いていて、それは最後まで貫けたかなと思います。誰とやっている時でも相手の良いプレーは良いプレーとしてそのまま受け入れて、こちらも良いプレーを出し返すつもりで撞く。そういう意識でやっていたら、決勝戦も含めて全部あっという間に終わりました。

 

――「相手の良いプレー」とは取り切りやショットを含めた全体的なものですか?

 

栗林:そうですね。自分がナイスプレーだと判断したワンプレーもそうですし、こちらの悪い展開とか流れ、ブレイクの不運も、相手プレイヤーによって作られたものもありますよね。それもナイスプレーだと思ってました。その感覚の積み重ねで、気付けば試合が終わって勝ち進んでいたという感じですね。

 

――決勝戦(vs 塙圭介)は8-2とスコア差は付きましたが、プレッシャーや緊張感は?

 

栗林:ありました。決勝戦まで勝ち上がってあそこに立ってる人たちは誰でも一瞬で5、6点取って来るので、常に恐怖心はありました。たまたま巡り合わせが良くてこっちに展開が向いたというだけです。

 

――ゲームボールを入れた時の気持ちは?

 

栗林:試合中ずっと今後の自分のプレーをどう伸ばしていくかということも考えながらやっていたので、勝った瞬間もその感覚のままでしたね。喜ぶ余裕はなかったです。終わってからもすぐ試合を振り返って、変えなきゃいけないところや、取り組んでいかなきゃといけないところを考えていました。

 

――『世界チーム戦』(日本は5位)についてもお聞きします。今回栗林プロは全試合ダブルスだけでの出場でした。自らその役に徹したということだったんでしょうか?

 

栗林:なんて言えばいいですかね……吉岡(正登)プロと渡航前から一緒に過ごして彼の表情を見ていましたし、最近の彼の海外経験値も頭にありました。僕は久しぶりの海外遠征で精神がまだ追い付いてない部分もあったので、チームのムードメーカーというかシュートアウト役みたいな役割で行って、男子シングルスは吉岡プロで行った方が勝てるんじゃないかなと思ってました。仮に僕が出るダブルスがダメでも、吉岡プロと平口(結貴)プロがシングルスで1勝ずつするだろうっていう感覚でした。ポーランド戦はシングルスで2つ落としたので、僕もダブルスで頑張りましたけど、みんな役割をきちっと果たせていたんじゃないですか。

 

――栗林プロはチームの年長者でもありました。お兄さん役・まとめ役を進んで引き受けたのかなと。

 

栗林:今の世界のビリヤードを知っている吉岡プロにシングルスに出てもらったのにはいろんな意味があります。彼の経験や力の部分とか、色々な人達に対する配慮も素晴らしかったし、それを頼もしく感じていましたから。で、どこがチームの強みになるかって言ったら、やっぱり平口プロのシングルスと吉岡プロのシングルスが大事だと思ったんで、そこは僕が支える役に回りました。イギリスもJ・ショウに勝負を託してる感じがありましたし、フィリピンもJ・チュアがそういう役目だったと思います。他国もメンバーを決める時の考えが似てましたね。

 

――今回日本チームは5位タイでした。この結果については?

 

栗林:もうちょっと行ける感覚はあります。チャンスもいっぱいあったし、周りのチームがすごく良いプレーをしていたかと言ったらそうでもないですし、客観的に見れば「日本も侮れないな」って感覚はありました。個人的にも、海外戦の感覚を取り戻して精神が追い付けばもっと上に行けるのではないかと。

 

――来年このチーム戦があったら?

 

栗林:出たいのはやまやまですけど、その時の日本の選手、特に若手がどうなっているかによっては譲ることも考えています。僕らが前に立っている限り、下が出てこないですから。下が育っていってる世界の強豪国と下がいない日本との差は僕も吉岡プロも感じています。

 

――簡単に決められるものではなさそうですね。

 

栗林:メンバー構成はすごく大事だと思います。メンバー間の相性も多少はありますし。早くメンバーを決めて、ダブルスもシングルスもちゃんと練習しておかないと優勝は無理ですね。戦えないと思います。

 

――わかりました。今年栗林プロはこれで優勝2回(『GPE-1』と『東海グランプリ』)です。残り試合も少ないですが、今年をどう締めくくりたいですか?

 

栗林:今回の『世界チーム戦』を通じて、僕の中ではいろんな苦い経験や辛かった部分もあるので、その経験を活かせるように向上心を持って自分のプレーに磨きをかけていきたいと思います。

 

(了)

 

栗林達 Toru Kuribayashi

JPBA39期生

1982年6月26日生

福井県出身・東京都在住

2004年アマ『球聖』『名人』

2010年『ワールドプールマスターズ』準優勝

2011年&2018年『関西オープン』優勝

2011年『関東オープン』優勝

2014年『兵庫オープン』優勝

2015年『ワールドカップオブプール』3位

2016年『ジャパンオープン』準優勝

2017年&2022年『東海グランプリ』優勝

2018年『ハウステンボス九州オープン』優勝

2018年『北陸オープン』優勝

他、上位入賞多数

GPWでは通算4勝

GPEでは通算16勝

所属:『KULICKS』(東京・墨田区)

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