玄関を入ってわずか数歩。
眼前の光景を形容する語彙力が失われ、
「あー」以外の言葉がありませんでした。
場所は埼玉県所沢市。
小西邦生さん・美穂さん夫妻が暮らす
一戸建てにお邪魔しました。
小西夫妻とはBDは以前から面識があります。
特に美穂さんは女子アマ公式戦で
上位入賞を重ねている競技プレイヤーであり
（※試合には旧姓の倉田美穂で出場）、
TPA（東京ポケットビリヤード連盟）
所属プレイヤーでもあるので、
大会会場でお会いすることもしばしば。
そんな小西宅の
「ビリヤードルームがかなりすごい」
という話を複数の方から聞いていたので、
11月に取材をさせていただきました。
そして……言葉を失いました。
というのも、2階建て一戸建ての1Fが
ほぼ全域ビリヤードエリア
（プレースペース&リラックススペース）
になっているのです。その広さ、27畳。
居住空間は2Fに集約されています。
広大な土地がある邸宅の「離れ」や
「ガレージ」、「事務所」ならいざしらず、
都心に通勤出来る住宅地の一戸建てで
こんなにビリヤードに振った物件は
BDもほとんど見たことがありません。
まさに夢のビリヤードルーム。
前後編2回にわたって紹介します。
まずは写真でざざざっと見ていきます。
…………
● 小西邦生さん・美穂さん夫妻宅
着工：2021年10月
完成：2022年2月
建物：木造注文住宅 2階建て
所在地：埼玉県所沢市
ビリヤードスペースの広さ：
プレースペース19畳＋リラックススペース8畳（計27畳）
テーブル：ブランズウィック『ゴールドクラウン 6 Tournament Edition』
ラシャ：シモニス『760 トーナメントブルー』
ボール：アラミス『デュラミス』、アラミス『BLACK』、ダイナスフィア
…………
玄関を入って数歩進み、
段差を2段上がると
リビングルームのような
「リラックススペース」（8畳）が。
ソファとリビングテーブル、
そしてベンチシートが
「ここしかない」という
絶妙なレイアウトで置かれています。
優に5人はここでくつろげます。
柱などの遮蔽物がなく、
奥のビリヤードテーブルまで見渡せる
この眺望が素晴らしい。
段差があるのでややテーブルを
見下ろすような角度が付いていて、
球の配置も見やすいです。
壁際には大型モニター（TV）があり、
ビリヤードの試合のライブ映像や
アーカイブを流しながら
球を撞いたり談笑しているのだとか。
床材とリビングテーブルは
ブラックウォールナット。
ソファやベンチシートも
アースカラーでまとめられ、
まるでホテルラウンジや
カフェのような落ち着いた雰囲気です。
1Fのビリヤードスペースのテーマは
「球仲間と皆で楽しみ、くつろげる場にしたい」。
プレースペースもリラックススペースも
どちらも等しく大切で
切り離せないものなので、
内装・デザイン・色の「統一感」を
念頭に置いて設計されています。
…………
さあ、プレースペース（19畳）を
様々な角度からたっぷりどうぞ。
テーブルは
ブランズウィック『ゴールドクラウン 6』。
ウォールナットカラー仕立ての
このテーブルが、
ブラックウォールナットの床に
すんなりと調和しています。
それは、サイドテーブルとイス、
そして他のインテリアも同じ。
少し座面が高くてテーブル上のボールが
見やすいイスは、夫妻のお気に入りで
スペイン製のもの。
取材はお昼だったので、窓から
柔らかい陽射しが差し込んでいましたが、
天井を照らすコーブ照明と
テーブル上を照らすダウンライトの
ミックスで、テーブル・室内ともに
常にムラなくきれいにライトアップできます。
調光機能も完備していて、明／暗、
暖色／寒色の切り替えも簡単。
大会前の時期は
「本番の会場の照明環境を想定して」
ライティングを調節して練習しているとのこと。
また、夫妻はクツを履いてプレー。
スリッパや裸足ではフォームの高さが変わり、
プレーの感覚も変わるためです。
来客用の室内用シューズもあります。
テーブル周りのスペースも余裕を持って
取られていて、どこで構えても
キューが引けない場所はありません。
「たまたま担当の一級建築士の方が
ビリヤード経験者だったので、
テーブルを置く際の床の強度や
テーブル周りのスペースについて
スムーズに話ができました」
（邦生さん）
…………
2Fの居住スペースも見せていただきました。
正確には小西宅は2.5階建てになっていて、
ダイニングの上部には吹き抜けがあり、
開放感があります。
2Fの床はチェリー材がメインで、
吹抜け天井にはレッドシダーの
美しい板張りが施されています。
1Fと同じく無垢材をふんだんに
取り入れた室内は居心地が良く、
穏やかな空気が流れています。
居住空間にも細部まで
こだわっていることが伝わってきました。
撮影後には2Fのダイニングで
ご主人の邦生さんが作ってくれた
和定食を美味しくいただきました。
「ビリヤード仲間が来ると
いつもこんな感じで、
ビリヤードが一段落したら
2Fに上がって来て、
皆で主人が作った料理を食べています。
ビーフシチューが人気です」
（美穂さん）
プレーアビリティもホスピタリティも抜群。
そんな小西宅ができるまでを、
夫妻に振り返っていただきました。
近日公開の「後編」でお届けします。
…………
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