“ショット力向上”を主目的とし、
フォーム・ストローク・フィジカルの
改善をはかるパーソナルトレーニング、
(プールワークアウト。以下PWO)。
そして、国産ハイクオリティ積層タップ、
『斬』(ZAN)。
両事業の代表であり、
マスタートレーナー、
タップ開発者、
ショーパフォーマー
といった顔も持っている湯山功プロ
(JPBA。(株)ZAN PLUS 代表取締役)。
2023年の展望をお聞きしたところ、
進行中・計画中のプロジェクトについて
ざっくばらんに語ってくださいました。
「2023年は試合出場はせず、コーチ・サポート・異業種に注力していきます。いつもやりたいことがありすぎて、形になるのに時間がかかるものもありますが、2023年もPWO・ZAN以外にも色々と進めていきます」(湯山)
……………………
◇ About:コーチング
――まず、湯山プロの活動の柱の一つである「コーチング、レッスン」について。昨秋トップ女子ジュニアの谷みいな選手のコーチになりました(※当時の記事はこちら)
湯山:今も順調にコーチングを続けています。関東で教えたり、倉敷のスタジオ(POOL WORKOUT Z)で教えたり、リモートコーチングもしています。谷さんの海外遠征には僕は同行していませんが、渡航前・帰国後はもちろん、現地からも報告や相談の連絡をいただいています。先日の取材でもお話ししましたが、谷さんはとても意欲的で大きなポテンシャルを秘めていますし、ご両親の理解とサポートも大きい。素晴らしいプレイヤーになると信じています。僕のコーチングスキルの全てを注いでいます。
――以前湯山プロは「谷さんが出力アップが出来るようなフォームやストロークを構築して行くことが第一。そのためには身体面だけでなく精神面の意識改革も必要」と語っていました。
湯山:まさに今もそこに取り組んでいます。もともとあれだけのストロークとフォームを持っているのにそれに見合った成績が出ていないことが不思議だったんですが、レッスンの時だけでなく、谷さんが相撞きをしている様子も見させていただいて、課題がより明確になってきました。
――具体的には?
湯山:すごくわかりやすく言えば、『強そうに見せる』ことです。全ての要素が連動していて部分的に抜き出してお話するのは難しいですが、「ポジショニングプラン」「撞くテンポ」「テーブルでの立ち居振る舞い」を強化するところが、メンタル、つまり『戦う心構え』を整えることに直結します。例えば、ポジショニングプランが確立されていないと、判断が遅くなりプレーテンポも悪くなります。その姿は相手からは自信がなく、落ち着きを失っているように見えるので、相手は伸び伸びとプレーするようになります。緊張と恐怖に打ち克つのは根性論ではなくメソッドです。そしてそれは教えられるものです。
――PWOで湯山プロは「ショット力向上」を前面に出していましたが、個人コーチングではプレイヤーをトータルで見るのですね。
湯山:そうです。コーチと選手は一体化しないといけないと思っていますし、当然メンタル面や戦略面を抜きにしてコーチングは出来ません。今まではメンタルや戦略は他のインストラクターの方々などに遠慮していた部分もあって、あまり表に出していませんでした。でも、メンタルや戦略にも僕のメソッドがありますし、僕自身昔から色々なスポーツに真剣に取り組んできて、他競技の方々と仕事をしたり意見交換をさせていただく中で、自分が培ってきた『自己分析術とパフォーマンスの解放の仕方』は間違っていなかったと確認できたので、個人コーチングではそこも教えています。
……………………
9ボールブレイクの練習は
— 湯山功/isao_yuyama (@ky3kUGrExictka7) January 24, 2023
殆どして来なかったですが
今後、女性プレーヤーや
アマチュアプレーヤーの方の
専属コーチをする事が多くなるのでたくさん練習して
パターンを増やす🔥 pic.twitter.com/tbOrpV53cy
◇ About:PWO(プールワークアウト)
――PWOは?
湯山:こちらも変わらず順調です。岡田將輝プロ、工藤孝代プロ、浜田翔介プロという各トレーナー達は皆良い生徒さんに恵まれています。コーチングの話と重なりますが、現在『マルチフィジカル&メンタルメソッド』というものを構築している最中です。ショット力向上だけでなく、そこに繋がるフィジカルとメンタルのトレーニング法を、トレーナー達も僕と同じように指導できるようにメソッドとして整理しているところです。
――PWOの理念の中には「プロ達がトレーナーとして生活の糧を得る一助となるように」というものもあります。
湯山:今も全く変わりません。むしろコロナ禍があったことで、プロプレイヤーやアスリートの存在意義や、簡単に言うと「食えるか食えないか」というところから目をそむけるのはより一層難しくなったと思います。僕は以前から一貫して、日本のビリヤード界が良くなってほしいし、携わる人が成功してほしいと願っています。僕の知識・経験・技術はPWOメソッドという形で還元していますので、トレーナーとしてやってみたいという人がもしいましたら連絡してください。
――「プロとしてどう生きて行くか」も含めた話ですね。
湯山:はい。ほとんどのビリヤードプロは「競技」を活動の軸にしています。ビリヤードの練習時間はもちろん、フィジカルやメンタルを鍛える時間も確保しないといけない。そのためには安定した生活と環境が求められますが、業界外の仕事に就いていたりして、お金と時間に余裕のない人もいます。皆がPWOトレーナーのようなビリヤードを教える仕事に就くべきだと言いたい訳ではありません。例えば、革の勉強をしてビリヤード用品の製作販売を手掛けてみたり、動画やSNSを学んで発信力を高めたり。「ビリヤード界に軸足を置いて」「新しい価値を生み出す」ことが出来るならなんでも良いと思います。球を入れる以外で「ビリヤードで食べる」ことへのアンテナは皆が持つべきではないかと僕は思っています。結果としてそれがビリヤード界を大きくすることにも繋がります。実はそういう相談も結構ありまして、コンサルティングのような仕事もしています。
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バンクと思いきや・・・
— 湯山功/isao_yuyama (@ky3kUGrExictka7) January 16, 2023
相手の意表を突いた
攻めのパターンを練習してみた(笑) pic.twitter.com/Hy6vsgw2xL
◇ About:新イベント・新企画
――今企画中のイベントや事業がありましたら教えてください。
湯山:今年中にぜひ実現したいと思っているのは、ZAN & PWO主催のビリヤードイベントですね。僕が面白いと思うルール・レギュレーションで行うエキシビションマッチみたいなものです。
――例えばどんな方向性でしょうか。
湯山:仮テーマを言うなら「パワー&スピード」でしょうか(笑)。招待あるいは公募選手8人ぐらいで9ボールや10ボールをやるんですけど、ショットクロック有りのスピーディーな展開の試合にしたいです。そして、ブレイクスピードが時速37km以上だったら『好きなボールを一つ台上から減らせる』、30km未満だったら『ファウル扱いで相手フリーボール』というようなルールでやってみたい(笑)。あとはキュー切れショーや、キュー切れ挑戦コーナー、食事付き歓談タイムなんかも設けたいです。要は躍動感あるプレーを見られるイベントですね。今はハードブレイクとかキュー切れとかは試合で必要なくなってるじゃないですか。でも、そこにロマンを感じている僕のような人はいつの時代にもいると思いますし、ブレイク自慢とかキュー切れ自慢が集まったら単純に面白そうじゃないですか(笑)。
――派手な球が見られそうですね。
湯山:せっかく僕がやるなら、エンターテイメントに振ったエキシビションを開催したいです。
――他には?
湯山:もうしばらくしたら公開出来ると思いますが、オンライン通販サービスの準備をしています。ビリヤードも含めた色々なスポーツのプレイヤー達やインフルエンサー達の個人ブランドが出店しているオンラインモールのようなサービスです。ここのところこの準備で忙しくしています。ビリヤード、ダーツ、格闘技、ポーカー、芸能人・モデルなど、様々な業界の人達が参加してくれる予定になっています。これも企画の発端は「各業界で活躍しているスペシャリスト達が個人の名前で活動資金や糧を得られるようにする」ということです。また正式にサービスが始まる頃に詳しくお知らせします。
(了)
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