2023/02/10

〈BD〉24時間・会員制ビリヤード場の良いところとは？　大阪『フルークス』所属プレイヤー4名にアンケート

BDが1年前に訪れた

大阪市東住吉区の『フルークス』。

ここは

「会員制・24時間営業・常駐スタッフなし」

というスタイルで運営されている

ビリヤード場です。

→ ※探訪記事はこちら

オープンして2年足らずですが、

ここのところ所属プレイヤー達が

各大会で優秀な戦績を収めています。

果たして、この珍しい運営形態と

選手の成績向上には

関連性があるのかないのか……!?

そのヒントを探るべく、

4名の所属プレイヤーに、

「フルークスの利用法」

「この運営形態のメリット」

などなど、利用者視点で

アンケートにお答えいただきました。

その前にまず、フルークス代表の

森健太さんにお店の現況について

教えていただきました。

森さん・談：

「最初は自分の行きつけだったビリヤード場がなくなり、なんとなく始めたお店でしたが、こんなにもたくさんの方々に来て楽しんでいただける場所になり、オーナーとして非常にやりがいを感じておりますし、私個人もビリヤードの楽しさを改めて教えてもらう日々です。

現在は、休日の前夜は満台になる事もありますが、他の時間帯や平日は基本的に満台になる事はないですね。せっかく来たのにいっぱいで撞けないということはほとんどないと思います。会員の皆さんは日頃から声を掛け合って相撞きしてくれたり、仲良く撞いてくれていますので、満台になりにくいという面もあると思います。また、飲食物の持ち込みOKですので、お菓子を食べたり、お酒を飲んだりしながら楽しく和気あいあいと撞いておられます。

プレー環境はオープン時から自信を持っています。山岡修二プロ（JPBA）のレッスンも随時行っていますし、上級者の方が周りの方に快く教えてくださるので皆さん目に見えて上手になっています。お店としても、特設会場のテーブルを想定してラシャを替えたり、色々なコンディションにしたり、ボールも3種類（デュラミス、ダイナスフィア、アラミスブラック）用意して、出来る限りの協力はさせていただいております。これからも皆さんに楽しんでいただけるビリヤード環境をご提供させていただきたいと思っております。

個人的には私をジャパンで100叩きしようとしている不届き者がいるという噂を耳にしていますので（笑）、返り討ちにしようと日々練習をしております」

…………

今回アンケートにご協力いただいたのは、

こちらの方々です。

画像右側から：

◇ 冨繁学（とみしげまなぶ）

51歳／Aクラス／歴約22年／会社員

フルークス会員歴：約1年5ヶ月
プレーキュー：CUE LEE'S B05 狂战（シャフトはイグナイト、タップはZANハイブリッドマックス）
2022『オールジャパンサマーカップ』優勝

…………

◇ 鈴木一生（すずきかずお）

56歳／Bクラス／歴約20年

フルークス会員歴：2ヶ月
プレーキュー：EXCEED「EXC2-161CKSP」（シャフトはEX Pro、タップはKAMUIブラックS）

2022『アマローテ B級』6位

…………

◇ 森田拓士（もりたたくし）

44歳／Bクラス／歴約20年（途中10年間中断）／弁護士

フルークス会員歴：約1年7ヶ月
プレーキュー：TAD（シャフトはオリジナル、タップはKAMUIブラックSS）

2022『アマローテ B級』3位

…………

◇ 神田佳明（かんだよしあき）

46歳／Aクラス（今年から）／歴約20年（真剣にビリヤードと向き合い試合に出始めたのは2011年頃）／塾講師

フルークス会員歴：1年弱
プレーキュー：ADAM MUSASHI 倭 2009全日本選手権モデル（シャフトはシナジーとVI、タップはKAMUIブラックSSと鬼）

SNSアカウント：YouTube「あおい塾長チャンネル」 https://www.youtube.com/@aoijuku

2022『アマローテ B級』準優勝

…………

Q1：フルークスの会員になろうと思ったきっかけは？

冨繁：ちょうど子供達の教育費がかさみ出した頃に、「どこかに安いビリヤード場はないかな」と探していたところ、妹尾恵子さん（2016年『女流球聖』西日本代表）にフルークスを教えてもらったことがきっかけです。

鈴木：料金が安く、好きな時間に行って撞ける事と、少し上のレベルの人がいて相撞きが出来る事が理由です。

森田：オーナーの森君が友人だったため。大学卒業後、私はアルバイトをしながら司法試験の勉強を続けていました。ある日、バイト仲間とラウンドワンに遊びに行ったところ、「来店スタンプ3個集めてマイキューゲット」という看板が目に入りました。「マイキューとか持ってたらかっこいいんじゃね？」と思った私は3日後にキューをゲットしていました。これをきっかけに当時大阪府池田市にあった『憧球館』というビリヤード場に通い始めたのですが（司法試験の勉強は中断（笑））、私より1ヶ月早く、同じくラウンドワンでキューをゲットして『憧球館』に通い始めた大学生がいました。それがフルークスオーナーの森君。2003年頃の話です。その後、私は司法試験の勉強に専念するためビリヤードから離れましたが、森君から「ビリヤード場を作る」という連絡が来て、私も会員になり、ビリヤードを再開しました。

神田：もともと別のビリヤード場に通っていたんですが、職場が変わり、ビリヤードをする時間がなかなか取れなくなって。同時にずっと同じ「深夜帯」で撞いていた仲間が先にフルークスに移籍したのもあって。それがきっかけですね。深夜帯の合撞き仲間って少ないので貴重じゃないですか。最初の頃はビジターで撞いていたのですが、どうせなら会員になった方がお得だなと。

…………

Q2：フルークスの利用料金はお得だと思いますか？

冨繁：かなりお得!!　そもそも月額料金が安い上に、オーナーの森さんが日本酒、ビール、ワイン、コーヒー、紅茶を差し入れしてくれるし、会員同士でお菓子を持ち寄ったりするのでお得感満載です。

鈴木：お得です！

森田：料金がお得というのはもう一目瞭然でしょう。加えて、24時間年中無休でいつでも玉を撞けるというのは料金面とは別の価値があると思います。

神田：非常にお得だと思います。おそらく他では真似できない価格だと思います。フルークスの特筆すべき点というのが、オーナーがあまり商売として店をしていないという点。これが非常にありがたくて。どうしても他の会員制のところだと、会員数の増加に伴い、色々な弊害も出てくるじゃないですか。でもフルークスはあんまり必死になって会員を増やそうとしてないんですよね（いいのか悪いのかはおいといて）。

…………

Q3：普段のフルークスの利用の仕方は？

冨繁：歳のせいか平日の夜に撞くと翌日に体がしんどくなってきたので、平日はほぼ撞きません。なので、週末に固めて撞きます。だいたい以下のようなスケジュールですね。
金曜日＝20時～26時（6時間）。初めの3時間はジャパンもしくはペアマッチ。後半はセットマッチ
土曜日＝合計10時間くらい。まず12時～16時にジャパン、ペアマッチ、14－1などなど。その後いったん帰宅して家族と夕食を共にし、また20時頃に店に来て26時までジャパン、ペアマッチ、セットマッチ
日曜日＝12時～16時（4時間）。ジャパン、ペアマッチ

鈴木：土日がメイン。ジャパンやセットマッチ、ペアマッチなど。

森田：週1～2のペースで平日21時くらいから23時くらいまで撞いています。最初の1時間は一人撞き、残りの時間は相撞き。負けてまた一人で練習……。

神田：最近は週1～3回、平日深夜の23時や0時から3時ぐらいまで。たまに休日にも撞きます。基本的に相撞きがほとんどですね。会員専用のカメラが付いているので、映像を確認して「あ、誰かいるな」と。あとは遠方からビリヤード仲間が大阪に来た時などに利用しています。ビジターは何時間撞いても定額金額ですから、ある程度ビリヤードをするのが決まっている時などは一緒にフルークスで撞くのがお得です。1時間で終わりとかだと割高ですが、まあそんなことはめったにないので。

…………

Q4：フルークスで撞くようになって上達したと思いますか？

冨繁：上達したと思いますね。理由は3つあって、「純粋に撞く時間が増えたこと」、「じっくり球と向き合って一人練習する時間が増えたこと」、「ペアマッチで上級者からアドバイスを貰えること」です。

鈴木：思います。すでにA級に上がられましたが、冨繁さんや神田さんの存在が良い刺激となってましたので。セットマッチやジャパンもよくしております。

森田：思います。山岡修二プロのレッスンをはじめ、会員の雰囲気が良く、有意義な感想戦ができることが大きいです（終電を逃すこともしばしばですが、その時は車で来ている会員が送ってくれます。感謝！）。

神田：正直、それはわからないですね（笑）。フルークスだから上達したのかどうか。どうなんやろ？

…………

Q5：フルークスと他のビリヤード場の併用（使い分け）はしていますか？

冨繁：していません。95％はフルークスで撞いています。

鈴木：今はフルークス1本です。

森田：していません。フルークスで練習し、試合に出る。これだけです。

神田：「フルークス3：他店舗1」ぐらいの割合ですかね。色々な人と撞くのも楽しいので、気分と時間次第であちこちに撞きに行っています。

…………

Q6：「24時間営業・会員制・スタッフなし」という形態のメリットとデメリットは？

冨繁：メリットは「いつでも練習できる」「とにかく安い」「時間課金制ではなく月額制なので、時間を気にすることがない」。なので、一人の時は練習に飽きたらごはん食べながら映画見て、また練習して、飽きたらコーヒー飲みながら一人でカラオケして……家より快適w。デメリットは特にありません。

鈴木：Q1でも書きましたが、いつでも（朝からでも）撞けるのがいいですね。食べ物や飲み物が持ち込みOKなのも素晴らしい！

森田：いつでも好きな時間にビリヤードができる点は大きいと思います。スタッフがいないことについて不便と感じたことはありません。みんなフルークスという場所が大好きなんでしょうね。各自で率先して掃除をしていますし、好きなお菓子や飲み物を各々随時補充しているので、逆に過ごしやすいとさえ感じます。学生時代の部室のような感じ、というイメージです。会員制ということもあり、チーム力といいますか、みんなで上達しようという空気感があるように感じます。真剣勝負も、楽しく撞こうというビリヤードも、どちらもできます。朝練習して試合に挑めるのもメリットですね。練習しすぎて昼には力尽きることも……。

神田：メリットはやはり「いつでも自分のタイミングでビリヤードができる」点。それから定額制という点。損益分岐点を超えた時点でお得ですよね。ちょうど今は会員の「玉撞く時間帯」がうまいこと分散されていて、基本稼働が1台、たまに満台、待ちは基本的になし、という会員にとってほぼ理想的な状態です。あとは「ビリヤード台のある友達の家に遊びに来ている with 気兼ねなく」感覚。これが一番のメリットじゃないですかね。学生時代のクラブ活動的なノリもよいですね。それから、「フラッと一見さんがやってくることは（基本的に）ない」「会員の知り合いであれば、ビジターとして一緒に撞ける」というところも特徴だと思います。結果、ウェイ勢が入って来ないのは最高です。隣で奇声を発せられたり、スマホの音楽流されたりすることがないのは本当にありがたいです。デメリットは……なんやろ?　あえて言うなら、禁煙ということと駐車場がないことぐらいかな。それと、定額制なので撞いても撞かなくても費用が発生する点？　あとは他店舗で撞く機会が気持ち減るとかですかね。やっぱり「フルークスで撞いたら余分な出費はないし」ってどうしても頭をよぎっちゃう。まぁコンディションとかは試合会場によってバラバラなので、いろんなとこで撞くのは大事ですからね。台掃除なども自分たちでしますが、「負けた方が掃除！」とか罰ゲーム的にも楽しんでやってます。

…………

Q7：プレイヤーとしての今後の目標は？

冨繁：A級でアマナイン大阪代表となることです。

鈴木：歳なので、B級から落ちない様にレベル維持でしょうか。

森田：【表目標】＝フルークスでビリヤードを再開し、試合に出る機会が増えました。勝った負けたもビリヤードの面白さの一つですので、試合で一つでも多く勝ちたいです。
【裏目標】＝オーナーの森君をジャパンで100叩きの刑に処したい（今のところ生涯戦績マイナス1万点以上（泣））。
【裏裏目標】＝いちアマチュアプレーヤーとしてはおこがましい目標ですが、ビリヤード業界をもっと元気にしたいと思っています。ビリヤードの面白さ、素晴らしさを多くの人に知ってもらいたいと本気で思っています。人々の日常生活にビリヤードがある。そんな世界線を夢見ています。

神田：去年（2022年）の『アマローテ B級』の準優勝をもってB級を卒業して、今年からA級で這い上がっていこうと思っています。B級はある意味、頂点が見えていますけど、A級は頂点ないですよね。プロとも遜色ないプレイヤーがゴロゴロいますし。これまで以上に険しい道のりだとは思いますが、地道に気楽に少しずつ頑張っていこうと思っています。とりあえず今までハンデをもらっていたA級の方々とタイで頑張って喰らいついていって、「目指せプラス！」です（笑）。

…………