〈BD〉新KAMUIタップ『ATHLETE』(アスリート)。菅原利幸プロに使用感を聞いてみた

 

2月に発売された

KAMUI BRAND待望の

プレーキュー用新タップ

『ATHLETE』(アスリート)。

 

※紹介記事はこちら

※KAMUI BRAND公式サイト内ATHLETEページ:

https://www.kamuibrand.com/kamui-athlete

 

KAMUI契約プロとして

ATHLETEのテスト段階から携わり、

「当時からとても好印象で

商品化が待ち遠しかった」

という菅原利幸プロにご登場いただき、

その使用感や特徴を教えていただきました。

 

…………

 

 

取材協力:『ALICE』(東京都大田区)

 

 

――ATHLETEの発売に際して、菅原プロはSNSで性能には言及していませんでしたが、「こんなタップを待ってました!」とコメントしていました。

 

菅原:先に他のKAMUIプレイヤー達がATHLETEを褒め称えていたので、同じ様な内容を繰り返し書くよりも違う表現がしたいなと思ってあんな書き方になりました。困ったことにATHLETEは良いところしかないんです。普段僕はKAMUIのテスト品や商品について、気になる点も含めて正直に細かくKAMUIにレポートを送っているのですが、ATHLETEは注文を付けるところがありませんでした。

 

――ATHLETEはだいぶ前から開発していたタップだとKAMUI側から聞いていますが、菅原プロはテストタップも撞いていましたか?

 

菅原:はい。2年ほど前にすごく感触の良いテストタップを撞いたことがありました。ATHLETEという名前がもしすでに付いていたとしても当時は知らされていませんでした。今回ATHLETEの商品版を撞いたら、そのテストタップに酷似した感触があったので、KAMUIに確認したら、「そうです」とのことでした。テスト時からさらに改良があったかもしれないですが、撞いた感触で「あ、あの時のだ」と思いました。

 

――改めてATHLETEの印象を教えてください。

 

菅原:まずデザインがかっこいい。昨年出たブレイク用タップ(『CONTROL BREAK SAI』)にも通じるブルーを採り入れたデザインがクールでいいですね。このブルーの層状の模様は積層タップをイメージさせます。

 

――打感はいかがでしょう。

 

菅原:しっかりともっちりが混在している印象です。中心付近はもっちりと、端の方はしっかりとした打感です。

 

――性能は?

 

菅原:僕は何年もKAMUI Standard Blackの『S』を使っていましたが、ATHLETEに付け替えてまず思ったのは、「ずいぶん球が動くな」ということ。効率良く力が伝わり、その為なのかかなりスピンをかけやすい感覚があり、手球がよく転がります。この感覚はたぶんKAMUIタップが好きな方、特に僕と同じようにBlackの『S』を使っていた方なら間違いなくわかってもらえると思います。

 

――手球が転がりやすいことの利点は?

 

菅原:力まなくても十分に手球が転がるので、ショットスピードを抑えられる分、ストロークの精度を保ちやすいです。それとスピードを抑えられる事で見越し(ヒネッた時の手球の横ズレ。トビ)が減ります。それによって手球を正確にコントロールしやすくなるのでショットに安定性が出ます。トーナメントプレイヤーとしてはそこに恩恵を感じます。どうやったらそんな性能のタップを作れるんだろうと思っていたんですが、KAMUIが公表した図(↓)を見て「なるほど」と思いました。

 

↑KAMUI Brand公式サイト・ATHLETEページより引用

 

 

――硬度の異なる革を重ねた構造ですね。

 

菅原:そうです。撞いた感触はBlackの『S』に近いものがあるのに、球は『S』に比べてよく走る。土手撞きなどタップの端で捉えるような球の時にはしっかりした感触があって撞きやすく感じられる。ショットの強弱を問わず効率良くスピンがよくかかるからキューが切れるような感覚がある。……こういったことが、後からATHLETEの構造を知って納得出来ました。構造だけでなく、材料そのものや製法にも工夫があるのかもしれません。

 

――ATHLETEの商品版を取り付けて数週間経っていますが、付けたての頃と印象は変わりませんか?

 

菅原:打感も硬さも食い付きも変わらず良いままです。横の膨らみもほぼ出なくて良いですね。メンテナンスは普段通り時々目起こし(タップ天面にヤスリを軽く当て繊維を起立させる)程度はしています。

 

――素人考えですが、この構造の場合、上部の「Soft」層が摩耗して薄くなったり、完全になくなったりしたら性能が変わるのでしょうか。

 

菅原:厳密に言えば変わるかもしれないですね。でも、天面にR(丸み)を付けることを考えると、「Hard」層だけになるほど薄くして使う人はほとんどいないと思います。少なくとも僕はそんなに薄くなるまで使う前に交換時期が来ます。2年前のテストタップは2/3ぐらいの高さになるまで使いましたが、使用感は良いままでした。その報告もKAMUIにしています。当時はこの構造を知らなかったですけど、「Soft」層は残っていたと思います。

 

 

――菅原プロは以前の取材で「トーナメントプレイヤーにとって、新品のタップに交換しても使用感が変わらないことが大事」とおっしゃっていました。ATHLETEはどうでしょうか。

 

菅原:これもテストタップでの話になりますが、交換時に感じるギャップはとても少なかったです。KAMUIのタップはどれもそこが優れていて、交換しても交換前と同じように撞けるのが良いところ。ATHLETEもまたその系譜にあるタップだと感じました。試合が近付いた時に付け替えても問題なくプレー出来ます。

 

――ATHLETEについて「強いて言えば……」というような要望・意見もないですか?

 

菅原:ないので困ってます(笑)。僕はチョークを塗った時の音から始まり、タップのチェック項目はいくつもあるんですが、ATHLETEは全部良いんです。チョーク乗りも良いし、打感が良くて性能も良い。交換しても性能がほぼ一緒。それでいて価格は僕が想像していたより安かった(税込2,420円)。今はもっと高いタップもありますが、これだけの性能を持つタップを2,420円に抑えたというのは、KAMUIだから出来ることだと思います。いずれM以外の硬度も出ると言われていますが、長年Blackの『S』を使ってきた身としては、ATHLETEの『S』がもし出るのなら、今から撞くのが楽しみでなりません。

 

(了)

 

……………………

 

Toshiyuki Sugahara

1972年9月17日

JPBA32期生

『東日本男子プロツアー』優勝1回

『Grand Prix East』優勝4回

キュー:HAKU(プレー、ブレイク、ジャンプ全て)

プレーキュータップ:KAMUI 『ATHLETE』

チョーク:KAMUI 『ROKU』

キューケース:3seconds

所属ビリヤード場:『ALICE』(東京都大田区)

所属『Alice』

 

※菅原利幸プロが語るKAMUIタップ論(2017年)

1回目

2回目

3回目

 

※菅原利幸プロのROKUチョーク使用感(2018年)

 

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