〈BD〉「初優勝の時より冷静に撞けました」――『GPW-1 in 佐賀セッション』優勝・浅野正人の談話

 

26日(日)の

GPW-1 in 佐賀セッション』で優勝。

プロ2勝目を挙げた浅野正人。

 

優勝談話をお届けします。

取材は大会2日後に行いました。

 

…………

 

――2回目の優勝、おめでとうございます。

 

浅野:「2度目はないかな」と思ってました。もうオッサンなもんで(笑)。今回の優勝はほんまに嬉しかったですね。1回目の時よりも意外と冷静に撞けました。

 

――合計5試合しました。自己評価は?

 

浅野:今回は予選最終(ベスト32)から撞いたんですけど、その試合が一番球を入れてなかったです。ベスト16(vs 原口俊行)とベスト8(vs 川端聡)は、自分の中では100点くらいの出来で撞けましたね。準決勝(vs 木原弘貴)では上がり際に自分の悪い面が出て、上がれるプレッシャーに潰されかけたのはありましたけど、それもなんとか乗り越えて。決勝戦(vs 北谷英貴)はすごく冷静に撞けたと思いますね。

 

――決勝戦のプレーを振り返ると。

 

浅野:まず、台のコンディションが難しかったです。竹中(寛)プロと斎藤(慎太郎)プロがベスト16でその台でめちゃくちゃ難しそうに撞いてはって。その時に比べたら台の清掃をしていただいたからというのもあると思うんですけど、クッションの跳ねはおさまってましたけどね。そして、相手が入れるのはわかってるし、油断したら3点4点あっという間に来られるのもわかっていたので、プレッシャーはありましたけど、意外と冷静に考えられてたと思います。帰ってから試合の映像を見返したんですけど、今回は「なかなか上手やな~」と(笑)。いや、利川プロ(利川章雲。浅野プロが師事している)に比べたらまだまだですけど、プロらしい試合は出来たんじゃないかなと思います。

 

――上がりのラック(第10ラック)は、相手の3番バンクミスから取り切りました。

 

浅野:7番と8番の取り方が限られていて難しい配置だったので、むしろそこまでの組み立てに集中出来ました。4番から5番に真っ直ぐ出しさえすれば、5番から6番はストップショットでよくて、7番に出すのにちょうど良いフリが付く。あとは7番への力加減だけ気を付けて……そしたらめちゃめちゃ良いとこ出ましたね。8番はちょっと薄くはなったんですけど、9番は穴前でしたし、8番入れたら勝ちっていう配置やったんで、8番だけに集中して撞けました。

 

――8番はサイドポケット脇のクッション沿いにあって、微妙にいやらしい球に見えましたが……。

 

浅野:最近歳いったんかしらんけど、厚い球より薄い球の方が好きになったというか(笑)。あんまり薄すぎるんもアレなんですけど、あれぐらいなら全然。最近はあれぐらいの方が良い感じというか、僕の中では一番ええとこに出たと思ってます。「8番入れたら勝ち」と思ってたんで緊張はしましたけど、そこで間を置いておしぼりで手を拭いて……。そういうのも経験を重ねて出来るようになったんかなと思いました。8番がきれいに入って9番に厚く出た時には「150%決まった」と(笑)。9番は普通に撞くと手球が土手にくっつきそうやったんで、強めにパツッと撞いてクッションから離しに行きました。

 

――改めて、今回の勝因とは?

 

浅野:ベスト16(vs 原口俊行)で、前の試合(ベスト32)の悪い雰囲気から抜けて良い感じになれて、ベスト8(vs 川端聡)でも良い球撞きが出来たのが大きかったですね。その2試合が起点になってテンション上がって、そのまま準決勝、決勝戦と行けたと思います。気持ち的にも徐々に整っていった感じで、初戦フワフワしてたんがピリッと試合モードになれたんが良かったと思います。それと、今回はネキストがよく出てたと思うんです。イレの力は年齢的にもう伸びるとは思ってないんですけど、今回はネキストがちゃんと出てたからその分入れやすかったかなとは思いますね。今後も手球を意識して撞きたいです。

 

――親交の深い竹中寛プロが1週間前に優勝されました(『全日本ローテーション』)。それも刺激になったんでしょうか?

 

浅野:あの日僕は1回戦(ベスト32)で負けたんです。昔の僕やったらスネて帰るって感じやったんですけど、反省の意味も込めて決勝戦まで全部見ました。黒田祐介プロともよく練習することがあって、自分が親しい人同士の決勝戦やったんで、最後まで見て刺激をもらえたのは間違いないですね。竹中さんは高校の先輩やし、頑張ってるのを見て「ああ、自分も頑張ろう」っていうのはありました。

 

――今後の目標は。

 

浅野:今までは「プロで1勝したい、2つ目も獲りたい」とかやったけど、今は試合のグレードに関係なく活躍したいし、全国オープンでも上位に食い込めるように頑張りたいですね。優勝はもちろんやけど、コンスタントに上に行けるようにしたいです。

 

――応援してくださる方へのメッセージを。

 

浅野:今回もいろんな方からお祝いのメッセージをいただいて嬉しかったんで、またそんなメッセージをいただけるような試合をしていきたいですね。種類は違うと思うんですけど、WBCの侍ジャパンのような感動を与えられるようなプロというか……たとえば、竹中プロの試合って見てて楽しいじゃないですか。ああいう試合を僕もしたいなと思います。

 

(了)

 

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Masato Asano

JPBA44期生(2010年プロ入り)

出身・在住:ともに大阪府

生年月日:1973年1月19日生

プレーキュー:9hearts。シャフトは『Vantage』。タップは『斬PLUS2 M』

ジャンプキュー:TAKESHI REPAIR CRAFT製ジャンプキュー

ブレイクキュー:PREDATOR BK Rush

所属:9hearts(ILC Cue)、ZAN Tip

 

 

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