16日に閉幕した
3連覇で通算5回目の優勝を飾った
西本優子プロ(JPBF)の談話です。
表彰式直後に取材しました。
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――3連覇達成。今のお気持ちは?
西本:今年もホッとしました(笑)。今年は去年心に誓った通り、たくさん練習して大会に臨んだんですけど、あまり当てられなかったのは残念です。思った以上にコンディションに合わせられず、どんどん調子が悪くなっていった感じでしたね。
――朝イチ(決勝リーグ初戦)は良い入りに見えました。
西本:そうですね。あの試合は悪くなかったんですけど、時間が進むにつれてヒネリのイメージが合わなくなってきました。たぶん皆さん同じように苦労してたんでしょうけど、深尾選手(決勝戦の相手の深尾典子アマ)はいつものように撞いて当てている印象もありました。
――その深尾選手との3年連続の決勝戦(25点ゲーム)はいかがでしたか?
西本:序盤は深尾選手の方が良くて、パッとリードされたので「あぁ、遂に……」と思ってしまいました。私は自分のショットに不安を感じ、どんどん弱気になってしまって……。もう途中からは根気勝負という感じでしたね。
――タイムアウトで折り返した時、13-7(17 inn.)で深尾選手がリードしていました。しかし、西本プロがそこから逆転に成功。どう気持ちを整えたのですか?
西本:変な話、同じ負けるなら「当たらなくてもいいから、悔いのないように怖がらずしっかりストロークしよう」という方向に持って行くことで集中出来てきました。それで少し当たりが出始めて、気が付いたら逆転してたという感覚でした。20点を過ぎたぐらいからは「あ、20点ゲームは勝てた。次は22点ゲームにしよう。22点取れた。じゃあ次は……」みたいな感じで、自分の中で短い目標を設定して気持ちを整えていました。
――最後のワンモアは二重回しでした。緊張感は?
西本:ありましたね~。ああいう展開の時に限ってちょっとずつ嫌な球が続くものですよね。あの二重回しの前にワンモアの裏回しを外してるんですけど、自分では思ったように撞けたのに、少し短く出てしまって「あぁ~」ってなってました。最後の二重回しもその意味で不安がある球だったんですけど、もう思い切って行きました。撞いた後、自分では「ちょっと短めかも」と思ったんですけど、客席におられた梅田プロ(1週間前の『全日本3C選手権』覇者の梅田竜二)の「ナイスショット」という声が後ろから聞こえたので、「あ、大丈夫なんだ」と安心してボールの行方を見届けました(笑)。
――これで5回目の優勝です。昨年とは違う感想でしょうか。
西本:そうですね。嬉しさで言えば、去年の方がより自分の球を撞き切れた感覚があって嬉しかったですね。今年は「もっとアベレージを上げる」というのがテーマだったんですが、それは達成出来なかったので心残りではあります。3月に韓国で『アジア選手権』(女子スリークッションの部)に出て、韓国の実力者揃いの厳しいグループに入りまして、1勝2敗でグループラウンド敗退でした。やっぱり韓国の選手達はすごく伸びていて皆よく当てて来ます。「私ももっと当てなきゃ」という思いを強くした遠征でしたし、帰国後もずっと練習を積んできましたけど、今回は良い数字は出せませんでした。でも、練習に励み続けるしかないなと思います。
――継続あるのみと。
西本:そうです。今私はビリヤード場勤務ではなく、一般の仕事に就いています。以前は仕事が終わって疲れてる時は練習しない日もありました。でも、ここ何ヶ月かはどんなに疲れてても一日も欠かさず、10分20分でも……まあそれで終わることはないですけど(笑)、必ず撞いてました。これからもそれを続けていけば、必ず力になるだろうと思っています。今回優勝したことで、今年も『女子3C世界選手権』(9月トルコ開催予定)に出られますし、次の『アジア選手権』にも出られるはずですので、そこに向けて練習し続けます。
――最後に応援してくれた方々へメッセージを。
西本:今回は不甲斐ない数字ではあるんですけど、長年応援してくださっている方々に励まされて3連覇が達成出来たと思いますので、感謝の気持ちでいっぱいです。今後も『全日本選手権』というタイトルに見合うような選手でいられるように頑張ります。また応援よろしくお願いします。
(了)
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Yuko Nishimoto
2006年JPBF入り
『全日本レディーススリークッション選手権』優勝5回
(2011年、2014年、2021年、2022年、2023年)
『世界レディーススリークッション選手権』準優勝2回
(2012年&2014年)
『アダムエメラルドカップ』優勝6回
(2000年、2002年、2003年、2006年、2007年、2009年)
主な練習場所:『NIKKA5』(東京)
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