〈BD〉小西さみあ、初めてのフィリピン。ビリヤード遠征記【寄稿】

今年1月『関西レディースオープン』の

チャンピオンであり、

ジュニア時代から海外遠征の

経験も豊富な小西さみあプロ。

その小西プロが、4月に初めて

“アジアのプール強国”・フィリピンに

出かけました。

もともとフィリピン選手の

プレースタイルが好きで、

フィリピンに憧れを抱いていたという小西プロ。

現地での試合やロングマッチ、

ビリヤード場訪問を存分に楽しんだようです。

帰国した小西プロが

10日間の滞在の様子を教えてくれました。

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画像&テキスト：小西さみあ

小西さみあ・記：

4月20日から5月1日にフィリピンに行ってまいりました！　小西さみあです。10日間で大会出場をはじめとして、いろんなビリヤード場へ行っていろんな経験をしました。

自分は昔からフィリピン選手のプレースタイルが好きで、ビリヤードプレイヤーの中で最も好きな選手はアントニオ・リニング選手です。そんな憧れの地、フィリピンに行けて嬉しかったです。

少し長くなってしまったので、気になる見出しの項目だけでも見てくださったら嬉しいです。皆さまに現在のマニラ周辺のビリヤード環境が少しでも伝われば幸いです。

今回はフィリピンのイロイロシティでビリヤード場を経営されているSaitoさんと、旦那、初日でご紹介する現地選手のCarmilleちゃんが主に一緒に行動してくださりました。皆さんありがとうございました。

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● 滞在初日

大会の前日、あらかじめ現地の女子選手とのマッチを組んでくださりました。フィリピンでは平場でのロングゲーム（ビリヤード場での勝負）がメインだと聞いていたので、今まで長くても11ラック先取ぐらいまでの対戦しかしたことのない自分が学べるものは多いと思いました。

この後、滞在中にお世話になることになる現地の女子選手、Carmille選手と17ラック先取の10ボール。場所は『Marboys Billiards Cafe』（以下：マーボーイズ）。初めてのロングゲームは17-10というスコアで勝つことができました。戦い終えた自分はかなり疲れを感じましたが、そんな様子があまり見られないフィリピン選手のタフさがもう伝わります。

ちなみに、移動は現地の方に車で送ってもらったり、Grabというアプリで安全にタクシーを利用しました。時間帯によっては渋滞がものすごいので、倍以上の時間を想定して移動した方がいい場合もあります。

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● PHILIPPINE 9BALL OPEN

↑ハードタイムス店内

今回は『2023 PHILIPPINE 9BALL OPEN』という、2023年1つ目のフィリピンランキング対象大会に参加させていただきました。256名のトーナメントで、キャンセル待ちも出る程、多くのエントリーがあったようです。A・リニング選手、J・イグナシオ選手、J・デルーナ選手、R・ファロン選手など、馴染みのあるフィリピントッププレイヤーが多数出場していた他、アメリカからS・バンボーニング選手も参戦していました。

会場はケソンシティにある『Hard Times Sports Bar』（以下：ハードタイムス）を中心に、今フィリピンでホットな『Sharks』YouTubeチャンネルの舞台になっている特別会場、『Sharks Arena』も使用されました。

↑Sharks Arena

私の結果は予選落ちでしたが、運良く『Sharks Arena』のあの配信テーブルで2試合プレーできたのは貴重な経験になりました。初戦に至っては、ハードタイムスで呼び出されて、1ラック練習も終えた後、急遽タクシーで『Sharks Arena』へ移動、といった流れ（笑）。しかし、運営スタッフや対戦相手のLim選手がとても親切に対応してくださったおかげで、緊張はしたもののストレスはありませんでした。

実際に試合をしてみると、動画でしか見たことのなかった【30秒ショットクロック・エクステンションは10秒のみ追加】というルールは、とても早く感じました。

大会スケジュールは1週間と長めで、1日に1～2試合の進行でした。予選は7ラック先取で始まり、段々ラック数が上がり、決勝戦は15ラック先取まで上がっていました（優勝はO・ビラフュエルテ選手でした）。

また、ハードタイムスで予選の観戦をしていると、結構アットホームな雰囲気でした。お店の広さも関係しているのかと思いますが、近い距離で見ていたり話し声が聞こえたり、なんならプレイヤーも時には試合中に一言話したりと、リラックスしているように見えました。ですが、大事な場面や構えに入ると静かになります。最初は不思議でしたが、雰囲気に慣れると観戦するだけでも楽しいです。

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● オープンビリヤード場×2

↑Star Billiards Center。5枚目の右から2人目は以前日本でも活躍していたアカバ選手

ここでの「オープン」とは、「エアコンのない」ビリヤード場を指します。今回は2店舗お邪魔しました。

まずは『Star Billiards Center』。倉庫のような広いスペースに30台以上テーブルが置かれていて、空調は大きな扇風機のみ。Lim選手が教えてくださったミニトーナメントに参加させてもらったり、試合後の選手とフィリピンルールの10ボール10ラック先取マッチをしてもらいました。フィリピンルールでは球触りがOKで、木ラックを使うことが多かったです。

↑CVC QUEENCEL BILLIARD。5枚目の中央がエスキリオ選手。右はPIKOY（ピコイ）選手

もう1店舗は『CVC QUEENCEL BILLIARD』。1997年『ジャパンオープン』覇者のR・エスキリオ選手のお店です。小さなお子さん達がとてもかわいいです。PIKOY選手やアド選手など、有名な強い選手も立ち寄る濃いお店です。

フィリピンはずっと30℃超えで湿気も多く、そんな中でのオープンビリヤードはものすごく勉強になりました。ポケットも渋く、とにかくコンディションが難しい。慣れない暑さの対策も必須です。でも、個人的にオープンビリヤードはとても楽しい！　1球ごとのショットの大切さをより感じました。

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● Denden選手とのロングゲーム

滞在中、今フィリピン女子選手の中でR・アミット選手、C・センテノ選手の次に強いと言われているDenis Santos選手（デニス・サントス。愛称はDenden）と2回ロングゲームをしてもらえることになりました。

25ラック先取の9ボール（9オンフット）と、20ラック先取のフィリピンルール10ボール（木ラック）を2日に分けて行い、結果は両方とも負けてしまいました。初めて1試合に5～7時間以上も費やし、勝敗以上に学べるものやプラスの要素がたくさんありました。彼女の強さやタフさはもちろん、ロングゲームをすると自分自身に足りない部分が明確になります。

試合後はみんなで食事をしながらビリヤードの話をしたりして、楽しい時間を過ごしました。

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● ビリヤードショップ

滞在初日の移動中、ビリヤードショップにも少し立ち寄りました。普通の小道に向かい合わせでお店がある場所へ。中に入ると4階くらいまで続いており、ショップ内では感染症対策のためマスク必須でした。店の外では店員かどうかわかりませんが、タップ交換をしてくれる人もいてお客さんが絶えませんでした。

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● 食べ物

いつも海外遠征の際の食事は持って来た日本食メインになりがちですが、今回は後半に少しフィリピン料理にもチャレンジしました。

結論から言うとほとんどおいしかったです！　お肉やお米がメインで、味付けもどことなく馴染みがありおいしいです。

ただ、Balut（バロット）というゆで卵。これは有名なストリートフードらしく、何も知らずに殻を剥きましたが、自分はいただけませんでした……（笑）。中のスープ？だけ味見しましたが、その味は普通に卵スープっぽい感じ。はっきり申し上げると孵化する前のアヒルの卵です。珍味に興味ある方はお試しください……（笑）。

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● あのビリヤード場も行きました