〈BD〉「2日目から落ち着いて撞けました」――『アジア選手権 ジュニア』優勝・織田賢人の談話

 

8月30日～9月2日に台湾で行われた

『9ボール アジア選手権』。

 

ジュニアの部で日本代表の

織田賢人（15歳）が金メダルを

獲得しました。

 

織田選手にとっても

初の海外タイトルとなりました。

 

帰国後の優勝談話をお届けします。

 

…………

 

――帰国して数日経ちました。優勝の実感は？

 

織田：まさか優勝できるとは思ってなかったんで、自分でもびっくりしてました。今はめちゃくちゃ嬉しいですね。

 

――もともと優勝を目標にしていましたか？

 

織田：はい、してました。

 

――大会前はどんな準備をしていたのでしょうか。

 

織田：大会ではトライアングルラックを使うということだったので、ブレイクの練習はいっぱいしました。その効果はまあまああったと思います。

 

――今回初めての台湾だったとのこと。現地の環境とか食事とかは大丈夫でしたか？

 

織田：向こうの食事が原因だったのかはわからないけど、めっちゃお腹痛くなったりとかしてだいぶきつかったですね（笑）。熱は出なかったけど、結構体調崩してました。

 

――台湾で球を撞くのも初めて。テーブルの高さは高めじゃなかったですか？　コンディションにも対応できましたか？　

 

織田：ああ～、たしかに高かったです。でも全然大丈夫でした。コンディションにもすぐ対応できた方だと思います。

 

――今回「男子」のステージ1（現地直前予選）にも挑戦して見事に通過しました。これも嬉しかったのでは？

 

織田：そうですね。今回の優勝と同じぐらい嬉しかったです（笑）。もちろん相手は皆めっちゃ上手かったんですけど、シングルトーナメントで3連勝できて。

 

――「台湾でも撞ける」という気持ちも？

 

織田：はい、自分でも結構良いプレーができたなと思いますし、そういう気持ちもありました。

 

――ステージ2（本戦）では「男子」と「ジュニア」の掛け持ちをすることになりました。忙しかったですか？

 

織田：そうですね。「男子」の試合をして次は「ジュニア」をやって、ちょっと空いてまた「ジュニア」をやって……みたいな感じで結構大変でしたね。

 

――「ジュニア」でグループラウンド（リーグ戦）4試合と決勝シングルトーナメント3試合、合わせて7試合しましたが、よく撞けたと思いますか？

 

織田：リーグ戦の1試合目でサウジアラビアの選手（K・アルガンディ）に負けたんですけど、自分が5-2で先にリーチをかけてたのに、そこからまくられて負けてしまって……。そんなに良い球が撞けてなかったし、ちょっと良くないスタートでしたね。

 

――その後は3連勝してグループラウンド通過を決めました。

 

織田：まあまあよく撞けてたと思います。でも、やっぱり相手もきつかったし、なんとか勝てたという試合ばかりでした。3試合目だったかな、10歳の子（香港の劉尚晞）がいたんですけど、まだ身長が低くて140cmぐらいだったと思うんですけど、しっかりしてました（6-5で織田選手が勝利）。

 

――決勝シングルトーナメントは？

 

織田：ベスト8（vs F・アルマダン〈サウジアラビア〉）は、お互いに良いプレーができて取って取られての展開でしたけど、終盤も自分のブレイク番はなんとか取れたので勝てました。

 

――準決勝は？

 

織田：孫翌軒（台湾）は上手かったです。グループラウンドでも当たってるんですけど（織田選手が勝利）、マジで上手いっす（笑）。たしか初めの6ラックで2人合わせて5回マスワリだったと思います。お互いに良いゲームができてました。僕は後半も2回マスワリできて、それでやっと勝てた感じでした。

 

――そして、決勝戦はインドネシアのD・A・シトラスに6-2で勝利して優勝。

 

織田：2-2まで競ってから僕がマスワリして3-2。その後、相手のミスか何かから僕が取り切ったんです（4-2）。そこでタイムアウトになったので、トイレに行ったら相手選手もそこにいて。そうしたら相手のお父さんが怒ったような口調で息子に話し掛けてたんですよ。それを見て僕は少し安心しました（笑）。「よっしゃいける」と。タイムアウトの後も落ち着いて撞けました。

 

――最後、ゲームボールを入れた時の気分は？

 

織田：相手が取り切りの9番をカタカタで外してくれたんです。ほんと穴前の球になったんで、なんか微妙な感じで終わっちゃって（笑）。

 

――「アジア獲ったぞ」みたいな感じはなく。

 

織田：なかったです。でも、最後はなんか一気に力が抜けましたね（笑）。「終わった～」みたいな感じでした。

 

――改めて振り返ると、大会のキーポイントはどこだったと思いますか？

 

織田：やっぱり初日ですね。「男子」の初戦（vs 北谷好宏）と「ジュニア」の初戦を撞きましたけど、すごく焦ってたなと思います。思ってたことが全くできないような状態でボロボロになってました。その日の夜にお父さんと2人で話し合って良いメンタルを取り戻すことができたと思います。それで次の日から落ち着いて撞けたと思います。

 

――アジアジュニアNo.1になりました。次の目標は？

 

織田：10月の『世界ジュニア選手権』（オーストリア）で優勝したいです。最近は調子が悪かったというか、結果を残せてなかったんですけど、今回アジアで優勝できて良い勢いがついたと思うので、この勢いのまま来月オーストリアで頑張りたいです。

 

――さらに成長していくために必要だと思うことは？

 

織田：前からずっと言われてるんですけど、僕は相手を見て、相手に合わせて撞いてしまうことがあるみたいなんです。今回もそういうところが初日に出てしまって苦しくなったんだと思います。でも、2日目からは相手は気にせず「自分は自分の球を撞く」という気持ちで撞けたから結果に繋がったと思います。これからもいつもそういう意識で撞けたら、また結果を残せるんじゃないかなと思っています。

 

（了）

 

グループラウンドA組：

● 5-6 vs Khalid Omar Alghamdi （サウジアラビア）

◯ 6-5 vs 孫翌軒 Sun Yi Hsuan（台湾）

◯ 6-5 vs 劉尚晞 Caden Lau（香港）

◯ 6-1 vs Laksh Sharma（インド）

※3勝1敗で2位通過

↓

決勝シングルトーナメント：

◯ 6-4 vs FARIS SALEH ALMADAN（サウジアラビア）

↓

◯ 6-5 vs 孫翌軒 Sun Yi Hsuan（台湾）

↓

◯ 6-2 vs Derin Asaku Sitorus（インドネシア）

※優勝

 

 

織田賢人　Kento Oda：

生年月日：2008年3月25日（取材時15歳）

ビリヤード歴：約7年

出身／在住：京都府／三重県

所属店：『ビリヤード&ダーツ K.G』（三重県四日市市）

主な戦績は、

2018年『日本学生9ボール選手権 小中学生の部』優勝

2021年『世界ジュニア U17』（オーストリア）3位

2022年『全日本ジュニア』優勝

2022年『アマナインA級』優勝

2023年『アジア選手権 ジュニア』（台湾）優勝

他、入賞多数

使用キューはPREDATOR

使用グローブとチョークはKAMUI 

Twitterは https://twitter.com/kentooda_

 

………… 

 

BD Official Partners :  

世界に誇るMade in Japanのキューブランド。MEZZ / EXCEED 

国内外著名ブランドのビリヤード用品販売中。Billiard Square

創造性と匠の技が光る伝統の国産キュー。ADAM JAPAN 

ビリヤードアイテムの品揃え、国内最大級。NewArt 

ビリヤード台・用品のことなら。レッスン場「Poche」併設。日勝亭

カーボン繊維構造REVOシャフト発売中。PREDATOR JAPAN

徹底した品質の追求。信頼できる道具をその手に。KAMUI BRAND

カスタムキュー、多数取り扱い中。UK Corporation 

国内外トッププレイヤー達が信頼する国産積層タップ。斬タップ

ジャストなビリヤードアイテムが見つかる。キューショップジャパン

13都道府県で開催。アマチュアビリヤードリーグ。JPA

2022年9月『池袋西口店』リニューアルオープン。 BAGUS

川崎と横浜でビリヤードを楽しむ・習う・競う。MECCA 

カスタムオーダーシャフト『focus1』新登場。Geezシャフト

極上の撞き味を今ここに。国産牛革積層タップ。BIZEN TIP

徹底的なプレイヤー目線でできたJapanタップ。NISHIKI PREMIUM TIP

「チャンピオンのタップ」HOW Tip（ハオ）登場。SHOP FLANNEL

世界が注目。東京発のキューケースブランド。3seconds

第5巻発売中！　ビリヤード漫画『ミドリノバショ』

Cue Ball Samurai―ビリヤードサムライLINEスタンプ 

 

 

<<<前の記事　　　次の記事>>>