先週末のアマ10ボールタイトル
『マスターズ』で、
自身初のアマ全国タイトルを
獲得した大阪の吉岡保俊選手の
談話をお届けします。
吉岡選手は
2017年『ORCオープン』優勝など
各大会で秀でた戦績を残していますが、
不思議とアマ全国タイトル
(JAPA主催大会)では優勝に縁がなく、
上位進出を繰り返すものの
最高で準優勝どまり。
あまりに決勝戦で負け続けてきたため、
最近は「決勝戦恐怖症になっていた」
と言います。
では今回はどうして優勝できたのか。
ご本人の言葉をお届けします。
…………
吉岡保俊(ヨシオカ ヤストシ)
生年月日:1980年11月18日
出身:大阪府
所属店:『ツェット九条 』(ビリヤードを始めたのは『ボンバークラブ』)
所属クラブ:ORC(大阪ローテーションクラブ)
使用プレーキュー:マクウォーター(シャフトは314-3、タップはNaolly)
参考:主な「準優勝」のアマ大会:
2013年『マスターズ』
2019年『アマローテ』
2010年、2018年、2023年『球聖戦 西A級』
2011年『名人戦 A級戦』
…………
――優勝の感想を。
吉岡:びっくりするぐらい周りの反響が大きいというか、周りがむちゃくちゃ喜んでくれて僕自身驚いています。僕が昔からどういう意識や取り組み方で試合に臨んでいるかを知っている仲間が多くて、そんな人達に喜んでもらえたことが嬉しいです。
――これまで準優勝は何度も経験しました。
吉岡:前は長いこと「優勝したい」と思ってました。でも、最近はもう決勝戦を撞くのが怖くなってました(苦笑)。以前からたくさんの方に応援してもらってましたし、「決勝戦に残ったんなら」とわざわざ駆けつけてくれた人もいました。でも、常に負ける(笑)。皆に「ごめんな、頑張ったんやけど」っていうのは、1回、2回やったらまだいいじゃないですか。周りも「残念やったな」で済むと思うんですけど、これだけ準優勝を重ねていくと申し訳ない気持ちが先に出て来て。決勝戦恐怖症になってました。
――今回の勝因はなんだと思いますか?
吉岡:全体的に球回りが良くてツイてるなと自分でも思ってました。それと、(会場の『マグスミノエ』の)テーブルコンディションに苦しんでいた選手もいたと思うんですけど、後から自分のプレーを分析すると、僕はコンディションを把握できていた方だったかなと思います。それはORC(大阪ローテーションクラブ)に所属していて、月1回は例会でマグさんで撞いているからです。コンディションに合わせられるかどうかは別として、特徴はなんとなく把握できていました。だからパニックになることはなかったです。あとは、ブレイクですね。
――10ボールのブレイクが上手く行ったと。
吉岡:良かったと思います。見栄えのいい『跳ねさせるブレイク』もやろうと思えばできたんですけど、それは我慢しました。先球のコントロールを重視してスピードを最低限に抑えて、実を取るブレイクを貫きました。『絶対にカッコつけないぞ』と。それも良かったと思います。
――決勝戦では現・球聖位の小宮鐘之介選手と対戦しました。
吉岡:鐘之介くんとは以前から仲良くさせてもらってます。日曜朝の会場練習も一緒にイチャイチャさせてもらってました(笑)。その時「この人は勝ち上がって行くんだろうな」ぐらいの感じで、まさか2人で決勝戦を撞くなんて思ってもみなかったです。
――今回は「決勝戦」というものをどう捉えていましたか?
吉岡:試合直前、応援に来てくださったORCの先輩から「欲は出すなよ」と言われて、僕も「そうだな」と思いながら向かいました。今までは決勝戦まで行くと、「こんなチャンスはもうないぞ。絶対に勝つ!」と意気込んでました。だって、SAクラスがいっぱいいて、皆勝ちたいと思ってやっている大会で、決勝戦なんて何回も撞けるもんじゃないですよね。でも、ここまで負けが込むとだんだんそんな気持ちもなくなり、「どうせ負けるんでしょ」と卑屈になってました(笑)。今回は特に相手が鐘之介くんやったし、なおさらです。結婚してお子さんも生まれて、防衛戦(球聖位決定戦。4月)の内容もすごく良かったでしょう。そんな充実の時を迎えている相手にとって、「僕、格好の引き立て役じゃないか」と。鐘之介くんが満面の笑みで優勝する姿まで見えてましたから(笑)。
――自分自身に期待していなかったと言い換えても良いでしょうか。
吉岡:そうですね。「自分のビリヤードができればいい。それを鐘之介くんに上回れたらしょうがないな」ぐらいで、全く気負ってなかったです。今回に関してはですけど、そんな精神状態が良かったんだと思います。
――上がりのマスは相手ブレイクノーインからの取り切りでした。
吉岡:最後はよく覚えてます。パッと配置を見た瞬間、「これやったら取り切れそう」って思いました。でもすぐ「そんな訳ないよな」って思い返しました。「絶対この10球のどこかでミスして、きっとヒルヒルまで行くはずや」と。どこまでマイナス思考なんですかね、僕(笑)。
――気の毒になってきました。
吉岡:4番をサイドに入れて手球を回して5番に出たところで、完全にマスが出来上がっちゃいまして。「これはミスするところがない」と頭ではわかってはいるんですけど、そこでもまだ「これ取ったら優勝しちゃうよ。大丈夫か?」と疑心暗鬼で(笑)。
――ある意味、最後までブレてません(笑)。
吉岡:よく言えば、最後まで今までにないぐらい冷静でしたし、俯瞰で自分を見れていたと思います。応援してくれていた仲間達の様子もわかってました。よく上がりのマスで配置ができた時って、応援の人達もビクトリーランを見守るような感じで、だんだん盛り上がって行くじゃないですか。でも、今回はそれまで盛り上がってた仲間達がだんだん静かになっていくのが感じられました。たぶん皆、「あんまり盛り上げたら、アイツはやるぞ(ミスるぞ)」って思ってたんだと思います(笑)。僕は「ああ、皆に心配掛けてるんだろうなぁ」と思いながら上がりました。
――ゲームボールを入れた瞬間も優勝の実感はなかったですか?
吉岡:全くなかったです。表彰式のトロフィー贈呈の時、トロフィーに付けられた付箋に自分の名前があるのを見て、「こんなところに僕の名前はダメでしょ」って思ったぐらいです(笑)。今でも「僕が優勝なんて、そんな訳ない」って思ってますけど、さっきも言ったように周りがすごく喜んでくれているので、それで自分が勝ったことを自覚しつつあるという感じです。
――初の全国タイトルの嬉しさは?
吉岡:タイトルを獲ったから自分が一気に上手くなれる訳でもないですし、何かが変わるということもないんですけど、今まで何度負けても『諦めんとって、絶対獲れるから』って励ましてくれてた人達が多かったので、その気持ちに報いることはできたかなと思います。『皆、ありがとう』という気持ちが日々大きくなってきています。
――今後の目標は?
吉岡:『球聖戦』と『名人戦』は特別な試合だと思ってますし、思い入れも強い大会なので、この2つで挑戦者になることが一番の目標です。もちろん挑戦権を得るだけでなく、できれば球聖位・名人位になり、翌年防衛戦を戦いたい。自分がボロボロになってしまうとしてもあの決定戦の舞台で撞きたいという気持ちが強いです。それと、最近だったら織田賢人くん(『アジア選手権 ジュニア』覇者)とか若くて強い選手がどんどん出て来てますけど、彼らをなんとか抑え込みたいという気持ちもありますし、息の長い活躍ができるプレイヤーであり続けたいと思います。
(了)
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