9月にオクラホマで開催された
キューメーカーとコレクターの展示会
『ICCS』(インターナショナル・
キュー・コレクターズ・ショー)。
今年そこに、以前BDで
連載していた「酔爺」氏が参加。
現地レポートを寄稿してくださいました。
以下で早速どうぞ。
※同じくICCSに参加していた
「キュー探偵K」のレポートも
近日お届けします。
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酔爺・記:
ICCSとは、元々はビル・ストラウド(JOSSWEST代表。故人)、現在は米国で著名なキューコレクターのウィル・プラウトが主催しているキューコレクターのイベントのことで、新型コロナ禍もあり6年ぶりの開催となった。
基本的には招待制であり、コレクターの眼鏡にかなったキューメーカーのみが参加できる。また、それぞれのコレクターが自慢のコレクションを持ち寄り展示を行っている。ICCSでは開催ごとにテーマが決められ、各キューメーカーはそのテーマに沿ったキューを作成して『Special Collection』として展示される。
今回のテーマは『Midnight in Burl』(ミッドナイト・イン・バール)、日本語ではなんでも「真夜中」を付けると特別な意味になるという話があるが、要は黒檀とバールウッドを使用したキューである。
↑今年のSpecial Collection(Midnight in Burl collection)の一部
自分の好みのキューメーカーにテーマを決めてキューを作らせ、それを持ち寄ってコレクションにする。言ってしまえばキューコレクターの夢である(金持ちの道楽とも言う)。ただし、メーカーによっては参加オファーがあってもスケジュールの関係や本人の都合により参加しないメーカーもある。しかし、ここに選ばれるだけでも名うてのコレクターが認めているということであり、新しいキューメーカーにとっての登竜門とも言える。今回のエントリーは15メーカー。日本からはEXCEEDが参加した。
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今回、私こと酔爺はキュー探偵Kと共にICCSにン年ぶりに参加した。開催地は南部中央のオクラホマシティ。ネイティブアメリカン文化やカウボーイ文化、ルート66等で有名である。
前日は、主催者の趣向でカウボーイ美術館に行ったり、前夜祭として参加者とキューメーカーが参加する2セット先取トーナメントが、近隣のケースメーカー、ジョン・バートンが運営しているビリヤード場で開催された。
ちなみに、ジェリー・マクウォーター(McWorter Cues)はトーナメントそっちのけで、同じくコレクターとして参加している往年の名プレイヤー、ニック・バーナーと一緒に延々とワンポケットをプレイしていた。
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◇ DAY1
初日の朝は全体でミーティング。しょっぱなからウィルが「ここには今400万ドル(約6億円)のキューが集まっている」とかましてくる。まぁ、話半分としても3億円である。
その後ひと通りの近況報告が終了すると、Special Collectionに出されるキューを各メーカーが紹介してゆく。EXCEEDは、黒檀バットにスターリングシルバーとターコイズのインレイ、バットにはツーヤをはじめとする様々な種類のバールを使用したウッドグリップのモデルである。
その後、初日の展示が始まった。初日は登録参加者のみの内覧会である。ここではコレクターのキューも展示される、日本からは北海道の松實氏によるカーセンブロックのコレクションが展示され、コレクターの関心を集めていた。
また、コレクターによってはレクタングルデザインのみのキューコレクションであったり、ほぼリチャードブラックのキューといった具合に、思い思いのコンセプトでキューを展示していた。
その中でも、ニック・バーナーの展示では、シンプルなプレーンデザインのTADがあったので聞いてみると、本人が初めて全米チャンピオンになった時に使っていたキューだということだ。
↑ニック・バーナーとそのコレクション
初日の夜は特に予定は無かったのだが、ロビーをうろうろしているとコレクターから夕食に誘われた。送ってくれるということでほいほい付いていくことにした。久しぶりにオイスターとクラムチャウダーを食べ、満足してホテルに戻る。明日2日目がいよいよ本番である。
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◇ DAY2
2日目の朝もミーティングから始まる。しかし、今回はキューメーカーを除いた参加者のみで集まっている。ここでICCSの主要な賞の一つ、『Collectors Choice Award』が決定される。
なぜか知らないが、私はいきなり呼び出しをくらい、投票の集計を手伝うことになってしまう。投票は合計で3回行われた。最初の投票でTOP3を選び、2回目の投票へ。2回目の投票が僅差となったため、最後に2本の決選投票が行われた。栄えあるCollectors Choice Awardを獲得したのはエディ・コーエン(Eddie Cohen)だった。
午後からは一般にも公開した形での展示が始まった。ここでは、各キューメーカーとコレクターが自慢の1本を持ち寄って公開する『Grand Collection』が展示される。事前のミーティングで私はこのGrand Collectionの監視を行うことになっていた。
Grand Collectionからは参加者の投票によって、ICCSのもう一つの賞である『People Choice Award』が決められる。
本来これは最後の1時間だけのはずだったのだが、なぜか展示の最初からキューが持ち寄られ、結局この日はその対応とPeople Choice Awardの集計ためずっと張り付いている羽目になってしまった。このあたりの運営がなんというか手作り感があるというか適当というか、まぁしょうがないとあきらめ、キューに手を出す人に"Sir, don't touch please."とか適当に注意をしつつ、投票を集計していた。
キュー探偵Kも同様に駆り出されていたのだが、最後の方にはBDでも絶賛発売中のインレイデザインTシャツをアメリカ人に宣伝して結構受けていた。
夜はバンケットディナーである。VPだか副会長だかのトム・ワッターズがこの日誕生日だったということで最初にケーキがふるまわれる。その後、参加者への表彰とPeople Choice Awardの発表である。なんとこちらもエディ・コーエンが同じキューで受賞。2023年ICCSの主要な賞を2つとも獲得する快挙となった。
こうして今年のICCSも終了していった。個人的には久々の海外でのショーで、様々なキューメーカーとの再会と出会いがあり、非常に満足度の高いイベントであった。時間と費用が許せばまた来年も参加したいものである。
(了)
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