※2023 ICCS レポート by K
中編(本稿)
私の名はDetective K。
ビリヤードキューの調査を引き受ける探偵だ。
前編に続き、
『インターナショナル・キュー・コレクターズ・ショー』
(ICCS)報告。
ICCS 2023・イン・オクラホマシティ。
初日午後の内覧会を
コレクター展示メインでレポートする。
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◇ 9月8日 初日午後:内覧会
午前中の全体ミーティング終了後、
ランチビュッフェがふるまわれる。
サラダやバンズに挟むハンバーグや
グリルチキン、甘いデザートが食べ放題だが、
量を調節できるのでありがたい。
また、円卓を囲んで食事するメンバーを
観察すると、微妙な人間関係が
透けて見えるのも貴重な情報だ。
酔爺とUKコーポレーション大原氏、
そしてオレは今回ブースを設置しないため
余裕を持って会場入り。
だが、開始時刻の午後1時を過ぎても、
各ブースの準備状況はまちまち。
内覧会ゆえのユルさだが、
15分後には一通り展示作業完了。
超高価、超貴重なキューが300本以上揃う、
コレクター夢の世界が出現した。
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展示キューコレクターは15名。
ヴィンテージから高級メーカーへの
特注モデルまで、各コレクターの
嗜好やこだわりが良く分かる。
1段目左から
日本代表、松實伸之氏のカーセンブロックコレクション
ニック・バーナーのパーソナルキューコレクション。右端のタッドは貴重品
マッチングケース付のリチャード・ブラック(ビル・マーシャルおよびジェイソン・マククラッケンコレクション)
2段目左から
ビル・マーシャルのコレクション。エグいリチャード・ブラックばかり
AEキューに特化したロドニー・フロッシュのコレクション
長方形インレイ(トメハギ)デザインを集めたフィル・ウィンダムのコレクション
3段目左から
ショーンからジナ、バラブシュカまでそろえたトッド・メイヤーのコレクション。パイナップル柄のシャツが気になる(笑)
ICCS常連、リック・ゴールデンのコレクション
展示キューを30本以上持参する大物コレクター、リック・ゴールデンのコレクションの続き
4段目左から
ジェームズ・ヤングのコレクション。中央のウィリー・モスコーニに贈られたアダム・ヘルムステッターに注目
ほぼリチャード・ブラックで占められたバーニー・パブロックのコレクション。ヒゲがナイス
ICCS代表、ウィル・プラウトのコレクション。ジョスウェストやトンキンに加え、ノースデーモンも展示
5段目左から
ICCSの実務を仕切る、トム・ワッターズのコレクション。ジナやトンキンは絶品。ここにもノースデーモンあり
ベテラン・コレクター、リック・ゴンザレスのコレクション。タッドが1本だけあった
リチャード・ブラック展示連合の一角、ジョン・フェイファーコレクション
6段目
ビル・マーシャルのコレクションはリチャード・ブラックの他、マイク・ベンダーやバラブシュカ、ザンボッティが混じっていた
日本代表は松實伸之氏の貴重な
カーセンブロックコレクション。
名プレイヤー、ニック・バーナーは
自身が使用した歴代のキューを展示。
全体を俯瞰すると、リチャード・ブラックが
40本以上と圧倒的に多く、
30数本しか製作されていない、
「ケースを注文するとキューが付いてくる」
とも言われる(苦笑)、
マッチングデザインケース付き
超高級モデルが24本も集まったのには驚いた。
その他にはジナとトンキンが多く、
相対的にファンシーなサウスウェスト、
ヴィンテージのバラブシュカや
ザンボッティが減った。まあこれは
ICCSに集まるコレクターの傾向だろう。
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キューメーカーは13名。
Arthur Queue(ドイツ)
Beasley Custom Cues(初参加)
Richard Black Custom Cues
Eddie Cohen Cues
Capone Custom Cues(初参加)
Mike Durbin Custom Cues
EXCEED Cues(日本)
Bob Owen Custom Cues(初参加)
Vigus Cues(初参加)
Shelby Custom Cues(初参加)
McWorter Custom Cues
pfd Studios
Ott Custom Cues(初参加)
キューケースメーカーは、
地元JB Custom Cases。
ICCS前回開催の2017年と比較すれば、
およそ4割が入れ替わって初参加。
世代交代が進み、メーカーと
コレクターの顔ぶれが変わるのは、
高価なキューの市場が
存在していることの現れだ。
少量生産メーカーは、
ハイエンドなキュー製作に取り組んで
この世界にアピールし、
人脈を作る絶好のチャンスなのだ。
日本のメーカーにとっても、
チャレンジしがいのあるイベントだと
オレは思う。
そして、本日の注目は
「コレクターズ・チョイス」賞候補の
キューラック。
これは各メーカーが1本選んで展示、
その中から参加コレクターの投票で
最高の1本を選ぶコンクール。
だが、その候補作に
“Midnight In Burl”コレクションの
キューを選んだキューメーカーが複数いて、
これが波乱の要因となる。
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さて、本来であればゆっくりと
各ブースを撮影し、コレクターや
キューメーカーと話をするのだが、
今回は「スペシャル・コレクション」
(”Midnight In Burl”)オークションが
頭から離れない。
オレ的には、
斬新さとデザインバランスの良さから
エディ・コーエンの作品に狙いを定めたが、
それは他のコレクターも同じ。
コレクター同士で、
「どのキューが良いと思う?」などという
話題にならないのが何よりの証拠だ。
入札は「サイレントオークション」方式。
主催者のウィル・プラウト氏に
ビッドをこっそりと伝え、その入札価格が
匿名で各キューの前に手書きで表示される。
オレはこのシステムを良く理解しておらず、
自分で入札価格を書き込むものと勘違いして
金額を勝手に書き換えたところ、
ウィル・プラウト氏からすごく怒られた(苦笑)。
当初どのキューも全く入札された気配が
なかったが、午後3時を過ぎたあたりから
ボチボチと入札あり。
また、日本へリアタイで会場の様子を
伝えたところ、とある知り合いから
入札希望があり、コーエンを含む
11本中4本へ入札することとなった。
それはそれとして、メーカー展示キューから
自分自身のエモノも探さねばと思いつつ、
あっという間に午後5時の終了時間。
夕食は、旧知のコレクター、
ジェームズ・ヤングと
ブルース・スポーンに誘われ、
ニューオーリンズスタイルのレストランへ。
1969年のウッドストック・フェスティバルを
体験したジェームズ・ヤングの話は面白く、
大原氏ともども音楽の話題で盛り上がった。
明日、同席したブルース・スポーンから
煮え湯を飲まされるとは知らずに……。
部屋に戻り展示初日終了、
明日は勝負の一般公開日だ。
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申し訳ないが、半日分でスペースが尽きた。
後編はカオスな一般公開日のドタバタ。
各キューメーカー展示作品と表彰式を紹介する。
次も続くぜ、BD!
※2023 ICCS レポート by K
中編(本稿)
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