10月8日の
約1年ぶりの優勝を飾った原口俊行プロ。
大会3日後の談話をお届けします。
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――約1年ぶりの優勝。前回と今回では受け止め方は違いますか?
原口:そうですね。前回(2022年『GPW-3 in 佐賀セッション』)は15年ぶりの優勝でしたっけ。やっぱり15年も勝てんかったらもうずっと勝てへんようなイメージがあったんで苦しかったですし、優勝できて嬉しかったです。あれから約1年でまた勝てたのは自分ではめちゃくちゃ早かったなと思います。「年1回以上は優勝したい」というのが目標としてはあるので、とりあえずそれはクリアできたて良かったなと。
――勝因は?
原口:生活サイクルを朝型に変えてから全てが良い方に向かっている気がします。練習時間が増えましたし、体調も良くなり、試合でも最後まで集中力が持続しているなと感じます。今、お店(経営する『R.T.B』(愛知県犬山市))のことはほぼ全て妻がやってくれていて、おかげさまで練習に専念できる状況になっています。妻には感謝しています。
――自分のプレーを振り返ると?
原口:運がありましたね(笑)。それを強く感じたのはベスト32(vs 岩瀬賢吾)です。初めはよく撞けてたんですけど、途中からおかしくなってしまって……。セーフティを決めてフリーボールをもらったのに、球触りファウルでフリーボールを相手に返したり(苦笑)。ヒルヒルの最終ラックでもファウルして相手にフリーボールを渡してます。完全に負け試合の流れですよね。最後の最後、相手がハイボールでミスしてくれたから勝ちを拾えただけです。試合を観てた竹中寛プロに言われました、「今日は優勝やな!」って(笑)。でも、なんであんな状態になってしまうのか……。自分でそれがきっちりわかればもうちょっと強くなれると思ってるんですけど、まだわからない。今の課題ですね。
――準決勝と決勝戦を観ていると、ブレイクは非常に良かったように感じました。
原口:『ジャパンオープン』(9月)ではブレイクが全く当たらなかったんです。だから、その後しっかり練習してました。あとは『春岡クラブⅡ』さんは台高が低めだと思うんですけど、それが自分に合ってたかもしれないです。
――『春岡クラブⅡ』のテーブルコンディションには合わせられました?
原口:ほぼ全台『ガリオン』なんですけど、僕は『春岡クラブⅡ』で撞くのは初めてじゃなかったですし、撞きやすかったです。変なクセもないですし、穴もそんなに渋くはなく、ラシャも古くも新しくもない状態で、ちょうど撞きやすい感じでしたね。あと、ベスト16・準決勝・決勝戦と、たまたまライブ配信テーブルで3回も撞けたのはやっぱり大きかったです。だいぶ加減を合わせられたと思います。
――ベスト16で女子トップの河原千尋プロと当たりました。女子選手との対戦はプレッシャーがかかりますか?
原口:だいぶかかりますね。もちろん「負けられへん」と思ってるけど、河原さんが上手なのも知ってますから。あと、僕は河原さんのプレースタイルが結構好きなんですけど、対戦しながら河原さんのプレーを見ていて、「もうちょっと自分も丁寧にやった方がいいな」と思って丁寧さの度合いを変えました。それも良かったかもしれないですね。そこからだいぶミスが減ったと思います。
――決勝戦(vs 杉原匡)の最終スコアは7-2でした。原口プロが主導権を握る展開だったかと。
原口:点差は付きましたけど、自分の調子が良くてそうなった訳ではないです。僕もミスしてたんですけど、相手がらしくないミスを何回かしてくれて、それを拾えたのが大きかったと思います。相手にミスなく取られてたら競ってただろうし、勝敗は全くわからなかったと思います。
――決勝戦での原口プロの精神面はいかがでしたか?
原口:すごく良い状態でしたね。お店のお客さんが何人か観に来てくれてましたし、良い緊張感を保ちながら最後までしっかり集中できてました。
――最後は相手の5番ミスから4球取り切り。この時も落ち着いていましたか?
原口:そうですね。回って来た5番は簡単やったんですよ。次の7番はサイド穴前で。だから、5番を入れて手球を7番の左フリに止めたら(8番へは長―短―長で回して出せるので)最高やなと思ってたら、行き過ぎて厚くなってしまった。あの瞬間だけドキドキしましたね、「いきなり難しくしてもうた」って(笑)。そこで「もう1回集中していこう」と切り替えて、なんとか引き球で8番にいい形に出せましたけど、あれはプランになかったです。
――その上がりの場面も含めて、失敗してもあまり動揺しているようには見えませんでした。
原口:観ていた方にも「良い顔してましたね~」って言われました。できるだけ感情を出さんようにはしてました。失敗してもガッカリしたりせずに、回って来た球をしっかりとこなすことだけを考えてましたね。
――前回の優勝からこの1年の間に成長できたと思えるところは?
原口:朝型の生活をするようになって体調も良くなり、集中力も保つようになりました。技術的にはショットの精度がちょっと上がってきたかなと思います。前までだったらブレて外れてるような球が穴の中で収まってきたような。でも、まだまだ足りない部分があるので練習している最中です。
――もっと伸ばしたいところや今回見えた課題は?
原口:メンタルコントロールですかね。さっきも言いましたけど、今回ベスト32の途中で急におかしくなったんですけど、その原因を突き止めてそうならんようにすることです。なんらかの原因で自分の中の甘いところが出てしまったんだと思いますし、それを防ぐのは無理じゃないと思います。
――地元・愛知での優勝となりました。
原口:僕は奈良県出身ですけど、愛知にも10年以上いてるんで、勝手に愛知も地元やと思ってます。ほんとに地元で優勝できて嬉しいです。『春岡クラブⅡ』のオーナーの齋藤さん(齋藤秀介氏)はNBA中部支部の理事長で、前から会議とかでもお会いしてます。齋藤さんにすごい喜んでもらえましたね。「勝つとこ知ってんね~」って(笑)。
――今後の予定・目標を。
原口:今年はあと『北陸オープン』『全日本選手権』『GPW-5 in 愛知ダマデノッチェ』の3つですね。そこで良い成績を出してランキング上位に食い込みたいです。今まで(JPBA統一ランキングで)トップ10に入るというのを目標として掲げてました。今年は今のところ12位なので、あと3戦頑張ってトップ10に入りたいです。
――最後に応援してくれた方にメッセージを。
原口:今回、会場まで足を運んでくれた方もたくさんいましたし、大会中もLINEとかで、皆が「頑張れよ」「行ける」と励ましてくれました。そのおかげで最後まで頑張れたと思います。あとはいつも応援してくれてるお店のお客さんと家族にも感謝しています。今はYouTubeのライブ配信でも試合を見られますけど、生で見ると緊張感や雰囲気の伝わり方が全然違うと思うんで、ぜひ会場に足を運んでもらいたいなと常に思ってます。今シーズンも終盤になりました。『北陸オープン』『全日本選手権』『GPW-5 in 愛知ダマデノッチェ』の3大会、よければ会場に見に来てください!
(了)
※1年前の原口プロの優勝談話はこちら
Toshiyuki Haraguchi
1980年9月8日
奈良県出身・愛知県在住
JPBA41期生(2007年)
2007年『東海グランプリ』優勝
2022年『GPW-3 in 佐賀セッション』優勝
2023年『GPW-4 in 愛知春岡クラブⅡ』優勝
使用キューはPREDATOR(シャフトはREVO 12.4)
使用タップはKAMUI ATHLETE M
専属:ビリヤード&ダーツカフェ R.T.B(愛知県犬山市)
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