古今東西の稀少なビリヤードアイテムを
多数所蔵している
「ビリヤード珍品コレクター」の
今回ご紹介いただくのは「練習用具」です。
ビリヤードの醍醐味であり難しさは
「ボールを操ること」。
その技術を身に付け、
精度と再現性を高めるために
多くのプレイヤーが練習に励んでいます。
そんな日々の練習の効率を上げたり、
習熟度を測定したり、単調な反復に
ゲーム性を加えてくれたりするのが
今回紹介する「練習用具」です。
個人で所有する人もいますし、
ビリヤード場に置かれていたりする
こともあるので、
使ったことがある人も多いでしょう。
今回はそんな練習用具の定番からレア品までを、
前編と後編の2回に分けて紹介します。
まずは前編として「基本編」をどうぞ。
…………
I氏・記：
ビリヤードをこよなく愛する皆様、
こんにちは。
ビリヤード上達のためには
いろいろなやり方があります。
ビリヤードの解説書を読んだり、
プロ選手の試合の映像を見たり、
という方法もあるでしょうが、
自分の体を動かして、
一人でコツコツ反復練習をするためには、
専用の練習用具を使う手もあります。
実際、ビリヤードの練習のための
アイテムは数多く出回っています。
もちろん上達のために役立つ商品も
かなりありますが、なかには
「本当にビリヤードがうまくなるの!?」
と思ってしまうような
不思議なモノも販売されています。
正直なところ、そのような商品ほど
すぐに販売中止になりますので（汗）、
I氏としては実用性はともかく（？）
珍品コレクターという立場からも
そのような練習用具は
なるべく買い求めるようにしています。
ちなみに海外のビリヤードイベントに行くと、
練習用具の新製品が単独のブースを使って
大々的に販売されることがあります。
そこでは販売スタッフが、
「これを使えば上達すること間違いなし」
といったことを熱心に訴えてきます。
ですので、市場から消えていく商品は
多いですが、新たな練習アイテムも
次々に世に出てくる印象があります。
特にアメリカでは、初心者をはじめ
ビリヤードのプレイヤー層が広いせいか、
このような新製品が
よく売られている感じがします。
そこで今回は2回にわたって、
このようなビリヤードの練習用具を
いろいろご紹介していきます。
なお、このような用具の効果は
プレイヤーそれぞれでしょうから、
このコラムで紹介するアイテムは全て
「効用には個人差があります」
ということでご承知いただければと思います……。
まずは前編として、
ボールの厚みのとらえ方やストローク養成など、
ビリヤードの「基本」に関係する
アイテムのご紹介です。
…………
【ストローク向上のために……】
◆① ストロークの矯正道具?「The True Stroke」
この商品をブリッジ側の手
（右利きのプレイヤーならば左手）で握り、
この器具の上でキューを滑らせることで
ストロークをスムーズに行う練習になる、
というアイテムです。
もちろん練習器具ですが、
公式試合で使ってもルール違反には
ならないのでしょうかね？
…………
◆② 素振りの練習キット「Buddy Hall Cue Guide」
筒状の部品と、それを支える
2つの台座のような板があって、
これを組み立てて、
その筒に向かって素振りをして
ストロークの練習をするというものです。
一昔前、お菓子やタバコの空き箱を
使って素振りの練習をしている方を
見かけましたが、それと同じ理屈です。
このアイテムの台座は、
よく見るといびつな四角形になっていて、
その置き方を変えることでストロークの
高さや角度を微調整できるというものです。
実力・人気を兼ねそろえたアメリカの
大ベテラン、バディ・ホール（Buddy Hall）
選手の名前を冠した商品で、
かなりのベストセラーになりました。
…………
【ボールを練習用に…】
様々なビリヤードボールを紹介しましたが、
練習用に特化したボールも
数多く販売されています。
ここではそんなボールをいくつか紹介します。
◆③ 手球と的球のセット「Practice Balls」
ビリヤード用ボールのメーカーとして
有名なアメリカの
エレファント・ボール（Elephant ball）社は、
ポケットビリヤード（プール）用の
通常の16個セットのボールの他に、
練習用のボールを各種販売しています。
こちらの商品は手球と的球の2個セットで、
手球の方は表面の模様にあわせて
撞点を調整します。
的球の方は赤と白のツートンカラーで、
これでボールの回転が分かりやすくなる、
ということのようです。
このボールの使い方についての
詳細な取扱説明書も入っていました。
…………
◆④ 練習用の手球「E-Z Shot Cueball」
こちらもエレファント・ボール社の
練習用ボールで、
手球が単独で売られています。
ボール表面の模様に向かってタップを
合わせる（ショットする）ことで撞点の
イメージがしやすくなるという商品です。
その名も「E-Z」
（easy：簡単な、という意味）です。
ただ、独特な形のプラスティックケースに
入って販売されていたため、
そのケースはすぐに壊れてしまいました……（涙）。
…………
【ボールの厚みをイメージするために……】
◆⑤ 厚み感覚の練習シート「Ghostball Aim Trainer」
上記のエレファント・ボール
（Elephant ball）社は、ボールに関連した
練習器具もいろいろ販売しています。
この商品は、ボールの大きさに合わせた
シートを、狙う的球の下に敷いて
その厚みをイメージしやすくする
……というものです。
ちなみに「Ghostball」とは
「幽霊のボール」ではなく、
手球が的球に当たるときの
イメージ上のボールの場所を意味します。
…………
◆⑥ コンタクト・ポイントのイメージ向上「Perfect Shot！」
ボールの形に合わせた半球状の製品の両端に
矢印と棒のようなものがついています。
このアイテムの矢印側をポケットに
向けながら的球に乗せて、
棒側を狙うことで手球と的球の接触点
（コンタクト・ポイント）が分かりやすくなる
……という製品のようです。
…………
◆⑦ ボールの大きさやストロークの感覚を養う「The 3rd Eye Stroke Trainer」
アメリカのプール・インストラクターの
ジョー・タッカー（Joe Tucker）選手は、
独特なコーチングをすることで有名です。
中でもこの商品は、
プラスティックの棒を組み立てて
それをキューの先端に取り付けることで、
ストロークのイメージを高めたり
（不必要なキューのアップダウンや
回転が見やすい）、
ボールの大きさを体感したりする
効果があるそうです。
なお、タッカー選手のホームページには
他にもいろいろなトレーニングが
紹介されていますので、
興味のある方はご覧になってください。
…………
【おまけ……】
◆⑧ カードタイプのガイド「Pocket Billiards Coach」
「ポケット・ビリヤード・コーチ」
という商品で、名刺程度の厚紙の表面に
円形のパーツがついています。
この部分を回すことで、ビリヤードの
グリップやブリッジ、ストロークなどの
コツを読むことができるというものです。
裏面にはプールの種目の
簡単なルールも書かれています。
この商品には「©1964」の記載がありますので、
半世紀以上前の貴重なアイテムと思われます。
…………
【前編】はここまで。
近日【後編】をお届けします。
→ 後編はこちら
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