2024年1月にプロデビューを果たした
JPBA58期生。
ルーキープロのうちの2名、
小田﨑愛子（京都）と
黒澤杏（神奈川）は、
日本のキューメーカー
『早川工房』（滋賀）のキューを
プロ入り前から使っていて、
現在は「契約プロプレイヤー」に
なっています。
そこで、早川工房の協力のもと、
両プロにインタビューを行い、
「プロ入りまでの道のりと今後の目標」と
「早川キューの特徴」を聞きました。
1月18日に公開した
「黒澤杏プロ編」に続き、
「小田﨑愛子プロ」編をお届けします。
※撮影場所：VAMP（京都市伏見区）
※早川工房公式サイト：http://www.hayakawakoubou.com/
小田﨑愛子 Aiko Odasaki
生年月日：1999年1月12日
大阪出身／京都在住（小学2年生から）
ビリヤード歴：約7年
所属店：『VAMP』（京都市伏見区）
プロ期：JPBA58期生
アマ時代の主な戦績：
2018年『国体記念大会（茨城）』ベスト4
2022年『女流球聖戦』西日本代表
2022年『アマナイン』ベスト4
2023年『女流球聖戦A級戦』ベスト4
2023年『アマナイン』ベスト4
プレーキュー：メイプルバール＋エポキシ樹脂。シャフトはトリファイド ローロースト。タップはNAOLLY M
ブレイクキュー：「龍神」（黒檀＋ドラゴンジュマ）。シャフトはBlack Arrow（※早川工房特注品）
ジャンプキュー：ダイモンドウッド。シャフトはメイプル（※現在はトリファイドシャフトを付けて販売中）
…………
――プロデビュー戦（『関西レディースオープン』）の感想と感触は？
小田﨑：厳しさを体感しました。初戦（vs ソソア〈韓国〉）で1ラック目は取れたのですが、その後に取り切り4連マスで一気にリーチをかけられて、自分が思っていたレベルとは違うことを知りました。しかも相手は柔らかくて長いキレイなストローク。その上、美人な上に手足も長くて（笑）、「すごいなー」って見ていました。その後の試合も自分のペースで撞くことは出来なくて、しばらく落ち込んだというか「自分は（ビリヤードに）向いていないのかな？」と思ったりもしました。でも、今はもう吹っ切れたというか、「プレイヤーとして未熟な自分に向き合って頑張るしかない」って前を向くことが出来ています。
――ビリヤードを始めたきっかけは？
小田﨑：7年前くらいに、よく行っていたたこ焼き屋さんのマスターから「隣にスポーツバー（『RING』・京都市下京区）が出来たから行ってみたら？」と紹介されて友達と行ったのがきっかけです。その時に店長だった田中雅明プロ（JPBA）が「手球をここに持って来るよ」って指定した場所にピッタリ出すことが衝撃的で、「私もできるようになりたい！」と思ったのと、純粋に球を撞くのが楽しくて練習を始めました。少し練習したらセンターショットのストップショットができるようになって、「あいこちゃんすごい！」「センスいいね！」「すぐ上手くなるよ」と、うまいこと煽てられて私も内心「でしょ～♪」って感じで勘違いさせられて球撞きにハマっていきました（笑）。あの時にRINGの皆さんに可愛がってもらったからビリヤードを続けられたので、今でも本当に感謝しています。
――プロになろうと思ったのは？
小田﨑：球撞きを始めた時から身近に田中プロがおられた環境でしたし、動画で日本や海外のプロの選手を見て、「この人達みたいに上手くなりたい」と思っていたので、プロを目指すことは私にとっては自然なことだったのかもしれません。そして、結婚してビリヤード以外の大切なものができて、これからどう生きていきたいのかを、惰性や成り行きでなく「自分で考えて決めていこう」という気持ちが強くなっていきました。「12月にプロテストを受けるか、ビリヤードから離れる」と決めて2023年の1年間を過ごして、大袈裟かもしれませんが覚悟ができたので今回のタイミングでプロになりました。
――プロプレイヤーとしてデビューした今の状態は？
小田﨑：技術も経験値も未熟なのは承知していますので、自分で言うのもおこがましいですが、基本的に前向きな性格でもあるので将来が楽しみなプレイヤーだと思っていました。ただプロになってみて、これまでの自分が通用する世界でないことは感じていて、以前にはなかったネガティブな感情が芽生える自分にも気付いています。でも、関西オープンが終わってから取り組んできたストローク・ショットの改良に一定の感触が得られていること、そして思っていたより大勢の方が応援して支えて下さることを実感して、「やっぱり頑張らないと」という気持ちを持てて、現状はポジティブな状態です。
――デビューした今年、プロとしての目標は？
小田﨑：まず人と関わる機会が増えるので、目標は人を思いやれる優しい人間になることです。そして、プロプレイヤーとしては「優勝です！」と言った方が良いとわかっていますが、私の正直な今の目標は「2日目に残ること」です。足りていない自分をわかっているので、今年1年の間に少しでも多く決勝日で撞く経験を積んで、実力と経験値を高めていきたいです。その後に展開や流れを得ることが出来た時、優勝という結果を望むことが出来るんじゃないかな？ と思っています。元々、上達への意欲はずっと持ち続けてきたとは思っていますが、これまでプロの試合で2日目に残れたことがないですし、アマチュアでもベスト4の壁を越えることが出来なかったこともありますので、自分自身の不足を認めて次の壁を乗り越えなければならないと思っています。
――早川工房との出会いは？
小田﨑：茨城（2018年『茨城国体記念大会』）へ早川さん（徹氏・早川工房代表）達とみんなで一緒に車で遠征をして、その時に楽しく会話をさせてもらう中で、「いつか結果を出したらキューを作ってあげる」と言って下さったんです。そして、その大会でまさかの3位になりました。当時の実力を考えたら奇跡だったんですけど、その後に早川工房のキューを使わせてもらうようになりました。プレーキューはそれからずっと使っていて、デザインも性能もメチャクチャ気に入っています。
――早川工房の魅力は？
小田﨑：デザインがオシャレで可愛くて、一目で早川キューとわかるオリジナル性が魅力だと思います。そして、私が今使わせてもらっているトリファイドシャフトもそうですが、どんどん新しいアイデアを取り入れて、性能面でも高い評価を得ている点もスゴイと思います。また、海外でも早川工房の製品を支持する人が増えていて「グローバル企業」っていう感じでスゴイですよね？ 私も「早川キューと一緒に世界へ」って言えるようになりたいです（笑）。
――ブレイクキューとジャンプキューは？
小田﨑：私が使わせてもらっているからとかではなくて、どちらも素晴らしくて使いやすいキューです。ブレイクキューはパワーもコントロールも申し分なくて、特に今の龍神ブレイクに替えてから、イリーガルが減ったと感じています。ジャンプキューは見た目も可愛いのですが、簡単に飛ぶので手球のコントロールもしやすくて助けられています。
――最後にビリヤードファンと早川工房ファンに向けて一言。
小田﨑：ビリヤードは人間的な成長なくして上達は出来ない、老若男女を問わない素晴らしいスポーツだと思います。私もビリヤードを通じて成長させてもらっていると感じているので、本当に出会えて良かったです。こんな素敵なビリヤードを、プレーも観戦も道具もみんなで楽しみましょう！ 私もプロとして、人としてもプレイヤーとしても上を目指して頑張りますので、応援よろしくお願いいたします！
（了）
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