〈BD〉「『優勝するんだ』という気持ちを持ち続けていました」――全日本女子プロツアー第1戦でプロ初優勝・村松さくらの談話

 

18日に行われた

全日本女子プロツアー第1戦 in 東京たまや』。

 

JPBAプロイベントで初優勝を飾った

村松さくらの談話をお届けします。

大会2日後、渡米の前に取材しました。

 

村松プロは日本時間23日3時に始まる

女子ラスベガスオープン』に出場します。

 

…………

 

――初優勝から2日経ちました。

 

村松:びっくりするほどたくさんのお祝いメッセージをいただいて、「こんなんなるんや」って思いました(笑)。私はもともと大阪でビリヤードを始めたんですが、当時を知る方からもたくさんいただいてすごく嬉しかったです。でも、優勝した当日はテンション上がってたんですけど、次の試合(『ラスベガスオープン』)がすぐ後に控えていたので、翌朝からは「また次も頑張ろう」と気持ちを切り替えて練習をしていました。

 

――初優勝を決めるゲームボールは相手のミスで回って来ました。どんな心境でしたか?

 

村松:「これで優勝だ」とは思ってなくて、ただ「しっかりと撞くぞ」「このラックを取ろう」という気持ちでした。撞く瞬間までちゃんと集中できていて、撞いた直後に「勝った!」という感情の動き方でしたね。握手をしてから、やっぱり嬉しくて「よっしゃ!」と声が出てしまいました(笑)。

 

――昨秋の『北陸オープン』以来2度目の決勝戦でしたが、緊張感は?

 

村松:ありました。いつも試合では予選から緊張していますけど、毎回決勝戦まで戦うつもりで試合に臨んでいます。でも、いざ準決勝を勝ち上がって決勝戦を前にしたら、特別な緊張感がありました。

 

――決勝戦の途中で「行けるんじゃないか」と思った瞬間はありましたか?

 

村松:それはなかったです。私が先に6-4まで行きましたけど、追い上げられてもおかしくなかったですし、ヒルヒルになる覚悟もしてました。試合ではどんな展開、どんなパターンもありえますし、山内プロもずっといいプレーをしておられたので。だから、ターンが回って来たらツイてると思って、そのチャンスを逃さないように、大事なところを取りこぼさないように精一杯やるだけだと思ってました。

 

――ご自身が思う勝因とは?

 

村松:常に前の試合より成長することを意識して、それまでの内容を改善して、新しいことも取り入れて試合に挑みたいと思っているんですけど、今回はそれが少しできたかなと思います。数球ですけど、今までできなかったショットや記憶に残る良いショットが出せた実感があります。それと、試合は緊張するし不安もあるし、優勝できるかなんて全くわからないけど、今回も予選の前から「優勝するんだ」という気持ちを持ち続けていました。そのおかげで良い形でプレーが繋がったのかなと思います。

 

――「優勝するんだ」という気持ちは、プロ入り当時(2020年)から持っていましたか?

 

村松:持ってました。でも、今振り返ってみると、はじめの2、3年は「できるかな」と疑問に思うところもあって、そこまで強くは思えてなかったと思います。一生懸命練習してきて、それが少しずつ試合でのパフォーマンスに反映されるようになったかなと思えたのは昨年ぐらいから。それでちょっとずつ自信も付いてきて、しっかりと「優勝するんだ」と思えるようになりました。先にアメリカでは優勝したことがあるんですけど(2022年『テキサスオープン』/2023年『スキニーボブ9ボール』)、あの大会は日本の女子プロの試合とはまた違うものですし、国内で優勝を目指して実際に勝てたことはとても嬉しいです。

 

――2024年の目標は? 

 

村松:他のところでも公言しているんですけど、「国内3勝」です。1勝できたのであと2つ以上勝ちたい。そのためには当たり前のことを当たり前にこなせるようして、自分の力をしっかり出し切ること。それが目標というか前提としてあります。海外は……そんなに行ける機会がある訳ではないと思うので、結果についてはなんとも言えないですけど、挑戦できる時に全力を出し切り、必ず何かを掴んで帰って来ることですね。

 

――プレイヤーとしてもっと磨きたい部分とは?

 

村松:脳みそを良くしたいです(笑)。私、対戦ゲーム全般が苦手なんです。相手との勝負とか駆け引きのポイントがわかってなくて。それがビリヤードにも出てしまって、確率をぶっ飛ばした選択をしてしまう時がたくさんあります(苦笑)。そこは(師事している)大井直幸プロと喋っていると「全然足りてないな」と思わされます。なので、ビリヤードのゲーム性をもっと理解して、有利不利の判断を突き詰めて行って、勝率を上げるための考え方を身に付けたいです。そこがわかってきたらもっと良い対戦ができるんじゃないかなと思ってます。

 

――最後に、応援してくれている方々にメッセージを。

 

村松:いつも応援してくださっているファンの方々や、支えてくださるスポンサー様、そして身近な方々に感謝しています。今回は「優勝」という一番良い報告ができたことが嬉しかったです。皆さんにすごく応援してもらえていることを実感しましたし、皆さんに喜んでもらえたことがとても嬉しかったです。ありがとうございました。また良い報告ができるように2勝目を目指して精進したいと思います。引き続き応援よろしくお願いします。

 

(了)

 

Sakura Muramatsu

1999年3月30日生

大阪出身/東京在住

『Flannel』(東京)所属

JPBA54期生(2020年プロ入り)

2022年&2023年『女子テキサスオープン』優勝

2024年『全日本女子プロツアー第1戦 in たまや』優勝

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