一言で言えば、
「WNT.イベント参加者へのWPAからのペナルティはありません。WPA.イベントを『WPA公認扱い』にするので」
というプレスリリースです。
…………
WPA（世界プール協会）が、
昨秋10月の総会で決議した
「非公認イベント参加選手の追放」。
これは“WPAが公認していないイベント”、
すなわちWNT.
（ワールドナインボールツアー＝マッチルーム）
主催のイベントに参加するプレイヤーへ、
WPAが種々のペナルティを課すという
「警告」でした。
要点は2つ。
◯ 2024年3月1日からWPA非公認の大会に参加する選手はWPAランキングポイントを全て失い、WPA公認の国内・大陸・国際レベルの大会に参加できなくなる
◯ WPA公認大会への復帰を希望する選手は、6ヶ月間いかなる大会にも参加することができない。また、復帰する際に、罰金500米ドルを選手の所属する国内連盟に支払う
→ 当時のBD記事はこちら
このWPA決議に
「権威主義的な選手の囲い込みだ」
「プール競技界の退行の始まり」
などと「否」の意見が数多く寄せられる中、
非公認扱いされたWNT.側は折れることなく、
2023年末から続々と
WNT.プロプレイヤーと
2024年のイベントスケジュールを
発表していました。
2月も終わろうとする中、
WPAとWNT.（マッチルーム）が
どんな発表をするのか、そして、
本当に「追放」処分は断行されるのかに
注目が集まっていました。
特に当事者であるプレイヤー達の
胸中は穏やかではなかったと思います。
そして、本日28日さきほど、
WPAがプレスリリースを発行しました。
以下、リリースの抄訳です。
…………
◇ 世界プール協会プレスリリース
2024年2月28日
WPA事務総長ヨルゲン・サンドマン
【WPAが選手保護に動く】
2024年2月28日、WPAは以下の大会をWPA公認大会として扱うことを発表する：
プレミアリーグプール
ワールドプールマスターズ
UKオープン
ワールドカップオブプール
ヨーロピアンオープン
USオープン
モスコーニカップ
3月1日に発効されるWPAの決定が全ての選手にとって意味することは、これらの公認大会全てに参加しても、選手はWPAやそのメンバー（傘下組織）からいかなるペナルティも受けないということである。
これらの大会に加え、今後10年間サウジアラビアで開催が予定されている『9ボール世界選手権』もWPAの公認大会として継続されます。そして、マッチルーム社がこの大会を100万ドル（賞金総額1億5千万円）のトーナメントにしてくれたことを嬉しく思います！
WPAはマッチルーム社からの申請があれば、さらなるマッチルーム社のトーナメントを公認する用意があり、それが実現するよう今後も協力していきます。
（了）
…………
以下、BDの感想です。
これはWPAが、
WNT.の9ボールトッププロツアー構想と
それに賛同する者の多さを認め、
「折れた」と言っていい発表だと思います。
先日WNT.が発表した、
賞金総額1億5千万円 ×10年間の
『9ボール世界選手権』in サウジアラビアが
決定打となり、WPAも
認めざるを得なかったのかもしれません。
ただ、現状の発表内容はとても短く、
具体的なガイドラインが示されていないので、
いくつか不明点も残ります。
例えば、リリース中に挙げられている
大会は全て「マッチルーム直轄」
（マッチルームが主催する）イベントですが、
『スペインオープン』と
『ハノイオープン』は入っていません。
また、他のWNT.のランキングイベント
（非マッチルーム主催）に
出る場合はどうなるのか。
もっと言えば、WNT.でもない
別の団体・組織のイベントに出る場合は？
そこまで行くと、改めてWPAが言う
「公認」の基準や「非公認との違い」は
何なのかという話にもなります。
そして、このリリースの内容を、
「WNT.プロは、WNT.イベントと従来のWPA大会の両方に【無条件で】出られる」
と解釈していいのかも
現時点ではわかりません。
おそらく続報があると思いますので、
追って整理してお伝えします。
※29日10時追記：
数時間後にマッチルームが出した
「WPAプレスリリースに対する声明」はこちら
…………
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