14日の『関東オープン』で
今大会2度目の優勝を飾った大井直幸。
大会翌日にコメントをいただきました。
大井プロは今月末に渡英し、
5月『スコティッシュオープン』と
『UKオープン』(ともにWNT.イベント)に
参戦します。
…………
――川端聡プロと決勝戦で当たるのは2016年『東海グランプリ』以来8年ぶり。どうでしたか? 楽しめましたか?
大井:そうですね、まあまあ楽しめましたけど、でも、撞いてる時はいつも通りって感じですね。楽しいという気持ちはあったし、周りからは楽しそうに見えたかもしれないけど、試合中にその感情が前面に出て来ることはなかったかな。むしろ試合は殺し合いみたいなもんですから(笑)。そこも含めていつも通り撞いてました。
――近年は海外中心の活動で日本の試合に出ることは少ないですが、どんなモチベーションで臨んでいますか? 「勝ちたい」という気持ちは?
大井:「勝ちたい」はあると思いますよ。いや、勝ちたいというより「負けたくない」になるのかなぁ。周りからの期待も感じてますし、日本だと「勝って当たり前」みたいに思う人がいるのも知ってます。皆から挑まれる側にいると思うんで、そうすると「負けたくない」っていう気持ちの方が強いです。今回もそうだけど、どの試合も常に完封で勝てることなんてない訳だから、もっと勝率を上げるためにやれることはまだまだあるなと思いながら撞いてます。
――この2日間何か良い発見などは?
大井:特にないですね。日本の試合はいつもそうだけど、どうして自分が勝ったのかよくわかってないぐらいなんで(笑)。やっぱりテーブルコンディションも含めて試合環境が海外とは違っているし、正直海外の試合より余裕は感じてます。日本の大会には日本の勝ち方があるっていうのはいつも思ってますけど、それがそのまま海外で通じるかと言ったらそうじゃないと思う。別もんだと思ってます。
――日本と海外ではプレッシャーの掛かり具合が違う?
大井:そうですね。海外では常に完璧を求められる……というか、そのぐらいまで追い込んで行って初めて勝った理由・負けた理由がよく見えて来るというか。
――決勝ラウンドのプレーを見ていると、ブレイクやテーブルコンディションに急いで合わせに行っている様子もなく、自然体というような……。
大井:ああ、それはそうだったかも。ブレイクは「スクラッチしなければいいや」ぐらいの気持ちでした。一応10ボールのブレイクは事前に練習してたんですけど、(※海外では9ボール中心のため)最近やってないのであんまり出来が良くなかったと思います。僕は10ボールのブレイクのバリエーションが少ないしね。だから、今回当たったプロ達のブレイクを見て僕なりに研究して、盗みながらやってました。テーブルコンディションに関しては、日本は会場ごと、テーブルごとの違いが大きいと思うので、一つ一つに合わせるのはだいぶ難しいと思うし、そんなに合わせに行こうとしてないですね。海外の特設会場とかだと台数が少ないから、合わせるという意識もそんなに持ってなかったりするけど。
――関東オープンでは2022年大会以来2度目の優勝です。
大井:たまたま2022年から3年連続、関東オープンの時期に日本にいたから出られましたね(笑)。去年の関東オープンは(※ベスト32敗退)、調子が悪かった時期だったのか、何か新しいことに向き合ってた時期だったのかな。最近は状態がいいというか、もちろん新しいことも採り入れながらやってるんだけど、そんなに大きく変わった感じはないので良い結果が出たのかなと思います。
――「次、大井プロを日本で見られるのは?」と気にしているプールファンもいます。
大井:日本に戻っている時期にオープン戦があれば出ると思います。去年は関東オープンの後、『東海グランプリ』(7月。優勝)と『全日本選手権』(11月。ベスト8)に出たのかな。今年はどうでしょう、今はよくわからないけど(笑)。でもね、本当はF・ゴースト(ロシア出身/アメリカ在住のトッププレイヤー)みたいになりたいなとも思うんですよ。
――と言いますと?
大井:大小いろんな種類の試合に出てね。で、彼は実際よく勝つじゃないですか。中には賞金の低い大会もあるけど、それも積み重ねていけば大きなものになって行く。僕にもそういう賞金獲りとしての自覚もあるし、彼みたいにやってみたいなという気持ちも心のどこかにあるんだけど、「もうそこまで元気じゃねーしな」って(笑)。
――(笑)そうですか。
大井:いやでも、ゴーストみたいな「何でも出るよ」っていうマインドだったり体力っていうのはすごく大事だと思いますよ。あの姿勢が一番いいんじゃないかと思う。
――それが大井プロが以前から言っている「プロフェッショナル」でもありますよね。稼ぎに行くんだと。
大井:そうね。プロなら絶対に試合に出続けたいし、出るなら全部勝ちたいしね。ただ、今の僕は日本ではオープン戦中心になるかなと。
――グランプリイーストは?
大井:海外の大会と重なることが多いですけど、重ならなくてもグランプリはたぶん出ないですね。今回もそうだったんですけど、今僕は日本の試合に出る時に、予選で誰か国内トッププロの枠に入る可能性が高いでしょう。僕の日本ランキングが低いのが良くないんだけど(笑)、それは僕もちょっと微妙というか、ファン目線や興行的にも面白くないだろうなと思うし、グランプリは賞金が高くないんで、無理にでも出ようという気持ちはないです。
――さて、今月末からスコットランド&イギリス遠征ですね(5月『スコティッシュオープン』~『UKオープン』。ともにWNT.イベント)。どんな気持ちで向かいますか?
大井:結果に一喜一憂しないことですね。今はとにかく自分の状態や考えやキューへの慣れ、それにフィジカルとかメンタリティ……全てを維持したまま行きたいなと思ってます。とりあえず6月の『9ボール世界選手権』(サウジアラビア)が終わるまでは。
――新しいことはしない。
大井:そうですね。でも、状態がいいからこそ余計に新しいことをやりたくなっちゃうんですよねぇ。それが好きだからね(笑)。プレーキューのシャフトをカーボンに変えて(HOWバット+HOW Flashシャフト)、もうだいぶ馴染んで来てるけど、もっといい使い方があるんじゃないかって今も思ってますから。
――『9ボール世界選手権』は今年WNT.の中でも賞金が飛び抜けて大きくなりましたが(優勝賞金約3,800万円)、プレイヤーとしてはやっぱり気持ちが入りますか?
大井:もちろん。だってもう世界選手権で優勝できたら、あとはお休みしたっていいんだから(笑)。お休みっていうか、行きたい試合だけ選んで行けばいいというスーパーシード状態になれるのがいいですよね。それはともかく、WNT.のおかげもあるけど、僕でもそこそこ稼げるようになりつつありますから、ビリヤード(9ボールプール)が世界的に良くなってきているのを感じます。できるだけここで長く戦えるようにしたいです。
(了)
※3月『10ボール世界選手権』2度目の準優勝後のインタビューはこちら
Naoyuki Oi
JPBA40期生/1983年1月10日生/東京都出身
JPBA年間ランキング1位・6回(2006年、2012年、2014年、2015年、2017年、2018年)
2007年『ワールドカップオブプール』3位
2012年『9ボール世界選手権』3位
2014年『全日本選手権』準優勝
2015年『ワールドカップオブプール』3位
2017年&2018年『ジャパンオープン』準優勝
2017年『ワールドゲームズ・ヴロツワフ大会』銅メダル
2017年『USオープン9ボール』5-6位
2018年『CBSAツアー 中国・密雲戦』優勝
2019年『ジャパンオープン』優勝
2021年『チャンピオンシップリーグプール』5位
2021年&2024年『10ボール世界選手権』準優勝
2021年『USオープン』3位
2023年『プレミアリーグプール』3位
他、優勝・入賞多数(2024年3月現在国内43勝。こちらへ)
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