私の名はDetective K。
ビリヤードキューの調査を引き受ける探偵だ。
2024年4月11日から14日。
アメリカのペンシルバニア州オークスで
開催された『スーパービリヤードエキスポ』
(SBE)の模様を速報する。
開場到着後から、ほぼ24時間
ビリヤードだけを考えていれば良いイベント。
1993年に第1回が開催されてから、
コロナ禍による中止(2020年)を
除いて毎年1回開催。
今回は第30回という節目ゆえ、
盛り上がり方も半端ない。
開場の熱気を少しでも伝えることが
出来れば幸いだ。
******
前回の『インレイ』記事中で、
巨匠、ディヴィッド・ポール・
カーセンブロック逝去
(※2024年2月と書いたが、
正しくは2024年1月11日逝去。
享年79歳。ここに訂正する)
を伝えたが、
4月19日(アメリカ時間)、
現役カスタムキューメーカーの
多くに影響を与えた
「キューメーカーのためのメーカー」
ロン・ハーレイが心不全により亡くなった。
生涯製作本数は300本に満たない
寡作メーカーだったが、
若手キューメーカーへの援助を
惜しまず、尊敬され慕われた。
その作品は見ることすら稀で
コレクター評価も高い。
今回のSBEで会場内を歩く姿を見かけたが、
挨拶する機会を得られなかったことが
悔やまれる。ご冥福をお祈りする。
******
SBEはざっくり言うと、
「プロトーナメント・アマチュアトーナメント・物品販売」
を一ヶ所で4日間に渡り開催するイベント。
ビリヤード好きであれば誰でも
あらゆる楽しみ方ができる。
プロトーナメント観戦でも、
アマチュアトーナメントの試合に
集中しても、買い物目的でも良い。
「ビリヤードへの熱意は誰にも負けない」
と思っている人々が
4日間でのべ約8,000人が集まる、
アメリカでも屈指の規模だ。
******
会場は
『グレーター・フィラデルフィア・エキスポ・センター』。
アマチュアトーナメント用の
7フィートテーブルが約200台。
練習エリアに10台。
プロトーナメントアリーナには
9フィート台が16台。
その他、物販販売のエリアには
あちこちでテーブルが置かれ、
プロとのチャレマやキュー試し撞きなどが
出来るようになっている。
102もの業者が出展したブースは、
ヴィンテージキューからTシャツまで、
あらゆるものが揃うと思って間違いない。
毎年心待ちにしているファンも多いはず。
とはいえ、ビリヤードは
あくまでプレーしてナンボ。
1,024人参加のオープン9ボールをはじめ、
下は12歳以下のジュニア、
上は65歳以上のスーパーシニアまで
いくつものディヴィジョンが同時並行で
4日間運営される(正確には前日夜の
『ウォームアップトーナメント』を
含めて5日間)。
7フィート台といってもナメてはいけない。
狭い台ならではの難しさがあり、
それを肌で知るアマチュアが
わんさか参加しているからだ。
******
SBEが初めて開始されたのは1993年。
以降、2020年のコロナ禍による
中止を除き毎年開催。
2024年は記念すべき第30回とあって、
会場の装飾や盛り上げ方には特別感が漂う。
オレが参加するのは実に6年ぶり。
エキスポの、そしてアメリカの
ビリヤードの何が変わったのか、
探偵として働き甲斐のある現場なのだ。
******
会場は、広さ約23,000㎡。
屋根の高さ約10.6m。
5,000台分の駐車場という巨大施設。
軽食や飲物を提供する売店もあり、
1日中会場内で過ごすことができる。
公共交通機関によるアクセスがなく、
来てしまうと居続けなければ
ならない事情もある。
オレのメインはキュー調査・捜索だが、
面白グッズや虹色商品(一見便利そうだが、
実は役立たずのシロモノ)を見つけて
ハマることもしばしば。
食事は二の次、時差ボケによる睡魔と
戦いつつ、朝から晩まで歩き回るのだ。
******
もちろん、買い物だけではない。
世界トップレベルのプレイヤーを
生で観られるトーナメントが
同時開催されるのも魅力の一つ。
今回はマッチルームスポーツ公認の
WNT.(ワールドナインボールツアー)が
催された。
128名、ナインオンフットの
木製ラックによるラッキング、
交互ブレイクの11先というフォーマット。
今や日本にはなかなか来てくれない(涙)
欧米の強豪、ベテランがガチで対戦、
好カード続出の見ごたえある大会だ
(※結果はBDですでに報じている。こちら)。
しかも、有名プレイヤーはファンとの交流、
スポンサーへのサービスも抜かりない。
試合の合間にはチャレンジマッチを開催し、
(有料だが)ファンとの記念撮影も
気軽に応じてくれる。
ファンとスポンサーあってのプロ
という意識が徹底している。
あのジェイソン・ショウと撞けるならば、
1時間待っても構わないというぐらい
多くの人達が集まっていた。
******
キュー探偵としては、
アメリカのキューメーカー団体
『アメリカン・キューメーカーズ・アソシエーション』、
通称ACAとの付き合いは欠かせない。
ACA主催のキューコンテスト、
『ピープルズ・チョイス』は、
入場者投票により順位が決められる。
入賞すれば大変名誉であり、
キューメーカーとしての認知度も高まる。
構想と製作に1年を費やすような作品が
各メーカー1本ずつ出展されるとあっては、
注目しないわけにはいかない。
投票結果については、
次回以降にレポートするぜ。
******
また、ACAにより毎年行われる
『キューメーカーの殿堂』入り
キューメーカー表彰。
今年はサムサラとジェリー・マクウォーターの
2メーカーが殿堂入りを果たした。
キュー探偵としてのキャリア初期から知る
2人の殿堂入りは、感慨深いものがある。
同時にオレも彼らも歳を重ねたなと
実感させられた(苦笑)。
******
プレイヤーが集まり、キューが集まれば
必ず需要があるのはキューリペア。
タップやグリップ、先角交換や
シャフトクリーニングまで、
現場で持ち込まれるキューのメンテナンスを
請け負うブースがいくつも出展している。
手を止めることはなく、
次のリペア受付や世間話を同時に行う
リペアマンのウデは確かだ。
年1回、ここだけでタップ交換するような
アマチュアも多く、朝から晩までフル回転。
リペアマンからキューメーカーに
転身した例もあり、彼らにとっても
ビジネスであり、キュー製作技術の
修練の場であると言える。
また、キューや用品を販売するブースは
エキスポの花形。
チョークやケース、小物類を
その場で選んで買えるのは、
インターネット販売にはないメリット。
プレイヤーがどのようなグッズを
必要としているのかを推し量るためにも、
ブース回りと売り物チェックは欠かせない。
「こんなものが、あったら良いな」
と思って探せば、大抵見つかるのだ。
ま、アタリもあればハズレもあるがな(笑)。
******
とりあえず、の概要レポートはここまで。
次回、更に調査レポートを送るぜ。BD!
※ 2024 SBEレポート
今回→ その1【概要速報】
その2【展示販売キュー・人物編】
その3【キュー調査報告編】
その4【トーナメント・その他もろもろ~前編】
その4.5【トーナメント・その他もろもろ〜後編】
…………
Detective Kとは? 過去記事は?
→こちら
Tシャツ、スマホケース、パーカーなど、
Detective KグッズやBDグッズ販売中
…………
BD Official Partners :
世界に誇るMade in Japanのキューブランド。MEZZ / EXCEED
国内外著名ブランドのビリヤード用品販売中。Billiard Square
創造性と匠の技が光る伝統の国産キュー。ADAM JAPAN
ビリヤードアイテムの品揃え、国内最大級。NewArt
ビリヤード台・用品のことなら。レッスン場「Poche」併設。日勝亭
カーボン繊維構造REVOシャフト発売中。PREDATOR JAPAN
徹底した品質の追求。信頼できる道具をその手に。KAMUI BRAND
川崎と横浜でビリヤードを楽しむ・習う・競う。MECCA
カスタムキュー、多数取り扱い中。UK Corporation
国内外トッププレイヤー達が信頼する国産積層タップ。斬タップ
ジャストなビリヤードアイテムが見つかる。キューショップジャパン
2022年9月『池袋西口店』リニューアルオープン。 BAGUS
「チャンピオンのタップ」HOW Tip(ハオ)登場。SHOP FLANNEL
徹底的なプレイヤー目線でできたJapanタップ。NISHIKI PREMIUM TIP
世界が注目。東京発のキューケースブランド。3seconds
全てのビリヤードプレーヤーに良い革を。NAOLLY
13都道府県で開催。アマチュアビリヤードリーグ。JPA
極上の撞き味を今ここに。国産牛革積層タップ。BIZEN TIP
カスタムオーダーシャフト『focus1』新登場。Geezシャフト
第6巻発売中! ビリヤード漫画『ミドリノバショ』
Cue Ball Samurai―ビリヤードサムライLINEスタンプ