〈BD〉「雑念が出た時も溺れないように戦えたのは自信になりました」――全日本女子プロツアー第3戦優勝・小西さみあの談話

 

先週末(9日)の

全日本女子プロツアー第3戦』で優勝。

 

5月の『大阪クイーンズオープン』に続き

2大会連続で優勝を飾った小西さみあ。

 

大会2日後の談話をお届けします。

 

…………

 

――プロキャリア初の2大会連続優勝を飾りました。どんなお気持ちですか? 『大阪クイーンズ』と今回では勝利の味は違いますか? 

 

小西:とっても嬉しいです! 試合が終わった今、自分が思っていたよりも充実した気持ちです。9オンフットのフォーマットで勝てたことも一つの自信になりました。先月の『大阪クイーンズ』は比較的冷静に試合ができて安心した優勝でしたが、今回は予選から決勝戦までずっと苦しい気持ちだったので、優勝できた瞬間は解放感が大きかったです。

 

――大阪クイーンズから良い状態を維持して今大会に臨めたのでしょうか?

 

小西:試合間隔が2週間と短い中、ビリヤード以外の好きなこともしてリフレッシュできたのはよかったと思います。でも、肝心の試合当日は良いメンタルではありませんでした。前日に予定していた準備が上手くできずストレスを感じていましたし、シャフトを変えて臨む不安もありました。大阪クイーンズまではMEZZ『WX700』を使っていて、今大会から後継モデルである『WX-Σs』を使ってみることに決めていました(タップは斬のプレミアムソフトのまま)。

 

――2日間トータルのプレー内容についてはどんな自己評価を?

 

小西:最後までよく耐えて頑張り切れたかなと。予選からミスが多く、取れるラックを逃して試合の流れを掴み切れなかったので、負けてもおかしくない試合展開が多かったです。テーブルコンディションの難しさや新しいシャフトへの不安もあり、頭が整理できていなかったと思います。そんな中でも試合後半のチャンスはしっかり得点に繋げられていたので、なんとか勝ち進むことができました。2日間ずっと色んなことを考え続けていましたが、雑念が出た時も溺れないように戦えたのは新たな自信になったと思います。

 

――9オンフットラックの試合は初めてだったでしょうか? 何か事前にブレイクの打ち方を決めていましたか?

 

小西:今年の『グランプリイースト第2戦』(3月。JPBA東日本男子プロツアー)に出場した時が9オンフットでした。あとはブレイクボックス採用でしたが、『JPL』(JAPAN POOL LEAGUE。2021年に行われていたチームリーグイベント)に出た時も経験させていただきました。そして、9オンフット採用の世界大会のライブ配信もよく見ていたので、球の動きをイメージして「こういうブレイクを今回はしよう」とメインを1つ決めていました。メインを元に調整の仕方もあらかじめ決めていたことで、上手くいかない場面でも焦ったり後ろ向きにならずに済みました。

 

――今回、予選日は通常のラック(1オンフット)で、決勝日は9オンフットラックでした。切り替えるのは大変だったのでは?

 

小西:そうですね。難しかったのは、予選と決勝でブレイクが異なる部分をどのくらいの割合で練習するのか、でした。普段の1オンフットのブレイク練習も予選を抜けるために必要不可欠ですし……。考えた結果、1オンフットブレイクが少し多いくらいの半々で練習しました。この短期間で9オンフットを完璧に習得するのは非常に難しいので、過度な対策はせずに『グランプリイースト』などでの経験をそのまま活かすイメージで臨んだのが良かったかと思います。

 

――決勝戦(vs 奥田玲生)は互いに行き切れる形が少なく、我慢比べのような痺れる試合でした。どんな心境で戦い抜いたのでしょうか? 

 

小西:非常に苦しかったです。考えることをやめて楽になりたいという思いが何度も頭をよぎりました。配信テーブルは特にポケットが小さく、雨も降ってきて湿気もありました。国内女子では初めてのブレイクフォーマットなので普段と違う配置や試合展開になることが多く、考えることもたくさんありました。加えて今回は、新しいシャフトに合わせたショットのチョイス変更も多々あったので、決勝戦にたどり着いた時にはすでにいつも以上に疲労がたまっている感覚でした。それでも「ここで勝たなかったら、自分で決めたことをやり切れなかったら、もうこの先頑張れないんじゃないか」、そう思って耐え続けて戦い切れました。

 

――最後、7番から取り切って力強くキューを掲げていました。あの瞬間のお気持ちは?

 

小西:やったーーー! と心から嬉しかったです。しんどい中、最後まで必死にやり切れて本当によかったです。ただあとで動画を見返したら、興奮して手に力が入りすぎてなんかドタバタしたガッツポーズになっちゃってたのがちょっと恥ずかしいですが(笑)。でも、なりふり構わず喜べるほど頑張れた大会だったと思います。

 

――2勝を挙げた2024年シーズン前半についての自己評価は? 2024年後半への意気込みもお願いします。 

 

小西:今年前半は決めた課題を目標に頑張れたなと思います。どんどん新しい課題が見つかりますが、後半もルーティンや基礎を忘れずにクリアしていきたいです。2023年後半の成績が良かった分(※優勝1回、準優勝1回・3位2回)、今年の後半はより厳しい戦いが増えるのではと予想しています。結果はやはり気になりますが、優勝するためにどうプレーしていくかを冷静に考えて臨んでいきたいです。また、世界大会にもチャレンジできそうなので、そちらに向けての準備もしっかりしていこうと思います。最後になりましたが、近年こうして多くのプロツアーを開催してくださる大会スポンサー様や運営の皆さまには本当に感謝しております。選手のためを思って動いてくださる方々、試合を楽しみにしてくださる観客の皆様へ、トーナメントプロとしてより良いパフォーマンスをお見せできるよう精進してまいります。そして、いつもサポート、応援してくれるスポンサー様や所属店の皆さま、家族、ありがとうございます。引き続き頑張りますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

(了)

 

Samia Konishi

1994年1月18日生、東京都出身・在住

JPBA52期生(2018年よりプロ)

2019年『全日本女子プロツアー第1戦』優勝

2023年『関西レディースオープン』優勝

2023年『東海レディースグランプリ』優勝

2024年『大阪クイーンズオープン』優勝

2024年『全日本女子プロツアー第3戦』優勝

他、入賞多数

 

アマ時代:

2008年『世界ジュニア選手権 女子の部』銀メダル、

『全日本アマチュアナインボール選手権』優勝2回、

『アマチュアビリヤード都道府県選手権大会』連覇

など、優勝・入賞多数

 

所属店:『Trigger』(千葉)

キューはMEZZ / EXCEED、タップは

スポンサー:日勝亭、Brunswick、肉球会

 

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